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国際金融市場にしても戦争(湾岸戦争、イラク戦争など)にしても日本がその大問題の発端ではなく、むしろ大国(←そうは感じない日本人も多そうだが経済的にも軍事力でも人口でも日本は世界屈指の大国)の中では日本“だけ”が自国の利益だけを追求するわけでもなくお人よし過ぎるほど「協調」を重んじてきたというのに毎度毎度毎度、尻拭いだけは最優先でさせられている。しかも、その事実は世界にはほとんど知られることもなく、日本は毎回天文学的な財政負担を強いられている。IMFに巨額の資金を投じて金融恐慌を防いだこともほとんどニュースにもならず、国連軍が中東で戦争をやらかすたびに巨額の戦争資金を捻出しているのは日本だ。
2018年、韓国・平昌で開催予定の冬季オリンピックが財政難と計画性の無さから暗礁に乗り上げている。このままではまともな冬季オリンピックは不可能だろう。もうすぐ2015年なのだ。いきなりあと3年ほどで全ての競技施設が基礎工事から始まり完成するとは考えられない。冬季オリンピック競技の設備は複雑であり莫大な予算がかかるのだ。設備だけで言えば夏季をも凌ぐほどだ。オリンピック開催レベルではない若干小型のスキー・ジャンプ台でも百数十億円はかかると聞いたことがある。冬季オリンピックに手を上げる国は冬季の競技が盛んな国々であり、オリンピック競技施設を改修だけで使用可能となる国や経済大国として与えられた7年ほどの猶予期間で全ての競技施設を建設できる国でなければ、先ずは候補地として挙手するべきではないのだ。
なぜか平昌は開催地に選出された。まさに「なぜか?」なのだ。IOCの審査能力を疑う。そもそもIOCは本当に開催地候補の経済面や計画性を本当に吟味しているのかさえ疑問が残る。こう言ってはなんだが2020年の夏季オリンピック候補として最終候補3都市については東京以外は選びようが無かったと感じた。なぜに最終候補にスペインの都市とトルコのイスタンブールなのか?そんな疑問は国際経済もしくは国際政治を少しでもかじっている人々ならば誰しもが持った疑問なのではないだろうか?先ずはスペインの都市がどこであろうとも、国家自体が深刻な財政難をきたしており、オリンピックどころの話ではなかったはずだ。それが7年間で解決するはずもないほど深刻であり、国の根幹を揺るがす地方独立運動まで活発な国なのだ。ギリシアの次のお荷物となっているスペインがオリンピック開催などとはさすがにおんぶにだっこをしている他のEURO国家たちが黙っていなかったことだろう。オリンピック開催準備で財政破綻したスペインがEUROを丸ごと道連れにして世界経済がリーマンショック以上の衝撃を受けるといった未来は想像に難くなく、初めからマドリード開催など有り得ない話だった。日本の東京がそこと招致争いなんて日本に失礼な話だった。そしてイスタンブールだが・・・・・これはトルコの人々が招致期間中にも大規模なデモをやったとおり、トルコ国民のほうが「まだその時期ではない」ということを世界にアピールしていた。財政的にもテロで悩まされている治安面にしろ、オリンピック云々は余りにも時期尚早だった。もっと先の開催を狙ってその時には裏切らない日本の支持を得ようとしていたトルコの人々の判断は賢明だった。IOCの方がむしろトルコの人々ほど現実を理解していなかった。つまり、なんでか日本のマスコミなどは盛んに招致合戦が激烈極めるかのように報道していたが、それは東京開催で日本の評判がまた上がる反日マスコミが慌てていただけのことで、どう考えても最終3候補地の内、2候補地がそもそも最終候補地に残っていることがおかしいという状況だったわけで、万が一にも東京開催ではなくマドリードかイスタンブールに決まってしまったらIOCの委員会が近い将来にその責任を追及されたことだろう。当時、むしろIOCとしては「東京を選んであげる」ではなく「お願いします、東京しかできないんです!」という状況だったことは明白だ。それでも終始、上から目線のIOCに苦笑している。同じく世界遺産など、日本人はとかく平身低頭「お願いします!」が人から組織から染み付いてしまっている感があるが、どうにもそれで日本人が不利益を被ることが我慢ならない。良くも悪くも「強気」で「間違っていないと思うことには謝らない」という当ブログは日本以外の国で見ると結構当たり前だったりもするので、この点についてはもっと日本人も正当な権利を失わない為にも能力・実績が伴った正当な強気が浸透して欲しいと切に願っている。
で、そんな毎度毎度かわいそうな目に遭う日本人に降りかかった次の巨大な災厄が平昌オリンピックだろう。なんでか日本との相互開催なんて案まで出ているとか。相互?共同ではなくて相互とはどういう意味だろうか?2020年の東京との相互、つまりIOCのバッハという委員長が言うには「2018年と2020年、相次いで冬・夏季オリンピックを行う韓国と日本が、費用削減と競技場の事後活用のために、種目を分散して開催することもできる」とのことだ。はぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!?
要は平昌だけでは冬季オリンピック会場を全て用意できないので日本の施設を貸してくれ、もしくは新しく作ってくれってことだ。冗談じゃない!なんでそこまで日本が他国のオリンピックを支援せにゃならんのか!
開催能力がないというのに手を挙げた平昌が悪い。その開催能力がない平昌を偉そうに選んだIOCが悪い。もう開催まで3年と少しであるというのに今頃になって開催が危ぶまれることを小出しに出してきた平昌が悪い。今頃になって上から目線で「日本も相互開催でいいよ」とほざいたIOCが悪い。平昌では予算不足で未だに競技施設の着工にも取り掛かっていない場所も複数個所に及ぶという。例えば東京の場合はオリンピック招致が決定した翌日からすぐに資金調達などの計画が動き出し、国立競技場をオリンピック仕様に建て直すプロジェクトが始動した。資金面でも競技施設についても「あと7年しかない!」と東京だけではなく日本中が焦り慌ただしくなったものだ。4年間もの長きに渡り招致した都市(というほど大きくないが・・・・)がじっと冬眠のような状態だったというのに韓国という国はなぜに静観していたのか?これは開催地平昌だけの問題ではない。韓国政府は4年間なにをしていたのだろうか?怠慢どころか絶望的な無責任さだ。
日本は悪くない。そもそも関係がない。そして人にモノを頼むときには礼儀というものがあるとも言っておきたい。
自分もそこそこの規模の企業体の取締役なので、それこそ数え切れないほど本当は経営が青息吐息であるというのにそれを見せようとせずに体裁を取り繕ってまるでこちらに多大なメリットがあるかのように「良い話があるんです(ご提案に来ました)」と言われたことがある。素直に実情を明かした上で「助けてください!」の方が「もう嘘はない」と相手を信用できるものだ。そもそも小手先の良い風に見える話をされても「そんなことも見抜けないと思われているのか・・・・」とゲンナリする。大抵はその話の以前にこちらは全て把握しているものだ。平昌もIOCもなにか勘違いしていないだろうか?平昌オリンピックが破綻しようとも別に日本は困らない。日本のみならず世界の出場選手たちには気の毒なことだがその為に日本が莫大な負担を強いるべきだとは考えられない。
もう1度繰り返そう。平昌が悪い。IOCが悪い。日本は悪くない。JOCなどが既に嫌な気配を醸し出しているが賢明な判断を願う。日本も経済的に苦しいところだ。無駄な負担は避けるべきだ。