今後、もう少しゆっくりと記事が書ける段階になってから、更に民主政権のいい加減さを追求していきたいが、ともかく一点。
海外ではさっぱり耳にしないのだが、日本は「鳩山マンセー!」とマスコミが万歳三唱中の温室効果ガス排出量についての鳩山イニシアチブについて。
海外の報道と日本の報道に余りにも差異があって、いよいよ日本のマスコミも新華社通信や平壌放送のようになってきたなぁと寒気がする。
個人的には米政府が鳩山首相のグランドゼロへの訪問・献花を“警備上の理由”で断ったのが印象深い。アメリカが「おまえなんかにやらせねぇよ、この反米国家が!」という態度を取るときによく“警備上の理由”を持ち出して、その国家元首の米国内での行動を制限してくる。日本もついにそういう扱いになってしまったかと若干の寂しさはある。これは日本ではテレビ報道されたのだろうか?
ただアメリカの住みやすいところは、どれだけ国同士のいさかいがあっても、ちゃんと個人はステップアップできるところ。
ミジンコは、今はアメリカで成功しているが高校まではイランにいたCEOを何人も知っている。そこらへんはアメリカの懐の深さだと思う。
兎にも角にも、主導権を取っているんだかどうかは知らないが鳩山イニシアチブ、25%というパーセンテージがやけに強調されているし、鳩山首相も25%削減と国連で演説したわけなのだが、そもそも25%という表現がおかしい。
1990年のCO2排出量と比較してで25%削減と掲げている鳩山イニシアチブ。それは2007年比に換算すると31.2%の削減が必要になるということだ。これって民主党の議員たちはちゃんと把握しているんだろうか?
こんなパーセンテージ算出は基本中の基本なのだが、鳩山首相以下、民主党の議員の何名がこのことを理解している、いや計算したことがあるのだろうか?
25%で「難しい」となにが難しいのか理解すらしていない上に勉強もしていないアフォ・マスコミは解ったフリをして言うが、実際は31.2%減らすということになる。少しでもこの問題を真面目に報道しようという気があるのならば1990年比で考えること自体がナンセンスだと気がつくはずだ。
なんで日本ではこういう数字がいつもいつもテキトーに扱われるのかミジンコは理解に苦しむ。
1990年を100とすると2007年の排出量は109になっている。つまり計算式にすると・・・・
1-(100-25)/(100+9)=31.2%
1990年~2007年というとバブル崩壊、その後の回復までを含めた十数年を含んでおり、そんな元気が無かった日本だった上に省エネ技術は飛躍的に進歩した時代を含んでいる。
そんな17年間でさえ、CO2排出量は9%増加したということ。これから2020年までに31.2%を減らすというのがいかに大変なことか、産業界がなぜ猛反発しているのかがこれで理解できるかと。
日本企業たちも温暖化防止に取り組む意思が無いわけでは決してないはずなのだが、余りにも現実離れした目標を政府から押しつけられると、「こんな政府の下では会社が倒産してしまう」と、海外移転を視野に入れるというのは理解できる。
今後十数年に渡って、日本が莫大な予算と人材を投じて技術開発を推進していたあらゆる技術を中国などに譲り渡す最初の年の始まりだ。
そして十数年後には、日本が中国などから買い取った排出権は、地球全体として見れば削減効果が期待できないとして排出権取引そのものが消え去るかもしれない。買った分の返金は絶対にされないだろうが。
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