先々週くらいだったろうか、日本を出国する直前にジムでクロストレーナーを漕いでいる最終に観た若手官僚を追ったドキュメンタリーで非常に印象深い言葉が通産省の若手官僚から発せされた。
「民主党は脱官僚と言うが官僚は会社で言ったら社員なわけで、脱社員という経営者はいませんよね」とのこと。
なるほど、それはその通りだと思った。従業員を排除しようと宣言する社長はいない。
出演していた若手官僚たちは、政権交代によって民主党議員が霞が関にやってくることを歓迎しているらしい。テレビ番組スタッフには明かす必要のない思惑はあるのだろうが、古い体質からの脱却は本心から望んでいると感じた。
そもそも官僚と
一括りに捉えることに無理がある。出世争いに敗れ、天下り先にいかにすべり込むかしか考えていない税金に寄生する老害も退官するまでは官僚であるし、アフォな野党議員の信じられないほど幼稚な質問(←これはいつか語りたい。長妻&山井議員の質問書の数々は余りにも酷かった!)に答えるため、朝の7時から夜中の3時まで仕事に取り組んでいたのも官僚なのだから。
ミジンコもそりゃもう何人もの官僚と接してきたけれど、真剣に国民への安定したタンパク源供給を語る農水省の官僚には心を打たれて大規模なプロジェクトに参加したことがあるし、イラクの3馬鹿を救出する際には人間の限界を超えるほどの不眠不休体制に身を投じた官僚がいたのを知っている。
なので、「官僚=悪」といったイメージ付けはなにやら恣意的なものを感じるし、そもそも特にマスコミが行う官僚批判の焦点のボケっぷりには呆れ返っている。記者と名の付く仕事に就いている人間たちには余り「知性」とか「努力して検証する」、もっと突っ込んで言えば「アタマの回転が速い」と感じることがほとんどない。なにしろ前回不勉強だった記者が次に会うときに勉強をしてきた試しが無い。
官僚たちと接していてそういう不愉快な思いをしたことがない。ミジンコがちょっとでも表情を変えた点で、自分たちが至らなかったと察した部分を修正、つまり勉強してくるのが官僚というイメージ。そのくらいじゃなければ国を支えられないのだから当たり前だが。
具体的に言うと早口で喋っても理解するのが官僚。早口で喋ると文句を言うのが記者。このくらいの能力差を感じる。
さて、このニュースは読んでいるコッチまで恥ずかしくなる→ 日中首脳会談説明、「政治主導」のはずが官僚に「助けて」(Yomiuri Online)
【ニューヨーク=小林弘平】鳩山首相と中国の胡錦濤国家主席による日中首脳会談が21日夜(日本時間22日午前)に終了した後、松野頼久官房副長官が会談内容の説明を行った。民主党が推進する「政治主導」を示す狙いもあった。
だが、松野氏は冒頭、「鳩山外交のスタートの会談としては、いい中身だった」と感想を一言。記者団から首相と胡主席の具体的な発言について質問が相次いだが、松野氏からは不十分な回答が相次いだ。首相が「村山談話」を踏襲する考えを示したことについての胡主席の反応を聞かれると、松野氏は「非常に好意的な言葉があった」としか答えられず、「ちょっと待ってください。事務方でメモしていますか」と外務省幹部に助けを求める場面も見られた。
自民党政権下でも、官房副長官が首脳会談の中身を記者に説明することはあった。ただ、冒頭、テーマごとに会談のやり取りを詳細に説明し、説明に先立って外務省側と綿密な打ち合わせがあった。
「政治主導」を強調する民主党政権の方針に沿って、松野氏は「自分の言葉」で説明しようとしたが、準備不足は否めなかったようだ。
松野頼久官房副長官は「政治主導」を履き違えている。
政治が主導で大いに結構だが、官僚が政治を常にサポートする体制を作らないことには国益を損ねる。
官僚からの説明や打ち合わせを排除してどうする気なのだろう?
政治家の仕事のひとつは自分がスムーズに仕事をできるように官僚に指示を下して、段取りをきちんとさせることだろうに。政治とは、自分のための仕事ではなくて、国のための仕事なはずなのだが、この松野官房副長官然り、他の多くの閣僚然り、どうも「国」よりも先に「党」があるようだ。
自分が困ったときだけ官僚に「へるぷみ~」では「政治主導」というよりかは勉強不足なただのアフォだ。
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