「テレビばかり観ていると馬鹿になる」といった言われ方がミジンコが子供の頃はあったと記憶している。当時は根拠もなしにそう言っている人たちがいたのだ。ミジンコは情報収集が手軽にできるツールを否定する大人こそが馬鹿だと思っていたので特に気にもしていなかった。ところが最近は本当にテレビを観ると馬鹿になるような気がしてきたのだから不思議。自分が歳をとったのかとも思うが、それでも客観的な視点に努めても今のテレビ番組はまるで馬鹿になる電波を流しているかのように思えるときがある。
元々はテレビっ子なミジンコなので昔、昔、えっと具体的には20年前くらいまで、つまり留学していたりで長いことニューヨークのフジテレビ(毎日2時間のみ:1時間がニュース、もう1時間がドラマやバラエティ)や僅かな放送のNHK、もしくはレンタルビデオでしか日本のテレビが観られない時期が続いたとき、帰国して日本のテレビが見放題という状況がとてつもなく嬉しかったのはよく覚えている。ところが今度はアメリカのテレビ番組、特にアンカーマン/ウーマンが自分の意見を堂々と述べるニュース番組に慣れてしまっていたり、大予算で練りに練って作られるドキュメンタリーを知ってしまったものだから、日本の番組の司会者の知識不足、番組自体のチープさがどうしても目についてしまいテレビをほとんど観なくなった時期があった。帰国して土日もこそっと出社して成果を上乗せさせるのが当たり前ってな会社に所属していたので単純にテレビを観る時間が無かったというのもあるけれど、当時でも(邦画ではなくてハリウッド作品だけれど)映画だけはアホみたいに観ていたのだから、どんなに忙しかろうが睡眠時間を削ってでも観たいものは観ていた。
先日、年末年始のテレビ番組の録画予約をハウスキーパー2号に訊かれた。彼女が帰省する前に録画したい番組を教えて欲しいというのだ。ウェブの番組表でズラ~~っと番組ラインナップを確認。「コレは!」と思える番組タイトル・見出しがほとんどナシ。昔は年末年始の長時間の特番が楽しみで楽しみでしょうがなかったし、今では笑い話にすらなりそうだがザ・テレビジョンの年末年始特大号なんてものを買っていた自分って・・・・・。まぁ、今のように番組表をワンプッシュするだけで録画予約まで簡単にできる状況ではなくて、自分で録画したい番組の日時をビデオデッキに入力していたわけでテレビ番組のガイド誌はとても有用だったように思う。
自分のテレビ番組への興味がここまで失われた理由はひとつではないと見ている。単純にネットの出現もあるし、そもそも忙しいのでじっと画面を見つめている余裕が今の生活には無いというのもある。とは言っても今も暇さえあれば映画館に赴き、家どころか飛行機の中でも散々映画を観ている。そもそもアメリカでは好きなテレビ番組がいくつかある。芸能人たちにそれほどのスター性を感じなくなった面も大きいとは思う。
一応、職責として有名人たちを把握しておくべきだとは思い、なるべく芸能人たちを把握しようとはしているのだけれど、テレビ番組自体と同じくなかなか「これは!」と思える人物には出会えない。むしろミジンコの場合は、この人物が出演していたらチャンネルを変えるって場合が多くてバラエティー番組はほとんど観られない状況が多い。まぁ、そのいい加減な言動を記憶しておくためには観ておいた方が良いのだろうけれど、もうどうあってもコイツの言動は嘘くせぇなと判断しているのはマツコ・デラックスや戦場カメラマン。世間では大人気なタレントたちなので意外に思われるかもしれないが自分の勘を信じ・・・・と言いたいところだけれど、勘は信じない。あくまでも彼等の言動の整合性を見て嘘くせぇと判断している。細木数子や江原啓之をあまり見なくなったと思ったら、今度はコレかよってな思い。なんでミジンコがそう思うのかはいちいち説明を求めないでご自分で判断していただきたい。こちらが同意を求めていないことに関して「どうか自分を納得させてください!」といった質問に対応することに疲れたから。このブログは再開して方針を変更したのはつい先日述べたとおり。
結局はテレビ番組、正確にはテレビ局が緩やかに自殺しているように見えて仕方がない。自分が観ないのだから駄目だといった短絡的なことを言っているわけではない。実際にテレビ離れは進んでいるし、番組を支える側のスポンサーもテレビCMを重視しなくなってきているのは事実だ。最近は消費者金融のCMが会社自体が衰退しているので減少傾向だが、相変わらずパチンコ、そして社会問題化している携帯ゲーム会社、更には消費者金融の後釜のように債権整理専業の弁護士法人がCMで幅を利かせている。CMを見るだけで脳みそが腐りそうな偽善的で醜悪な業種がやけに目立つ。
JTのマナーを訴えるCMが個人的には悪い意味で脳裏に焼き付いてしまって困っている。優しいバックミュージックと一見正論を訴えかけているようなJTの主張。タバコを売らなければ根本的な問題解決になるというのにそれはやらない。世界での受動喫煙での死亡者は年間60万人とか。外を歩いていると到底JTの呼びかけに効果が発揮されているとは思えないほど歩きタバコをする馬鹿、しかも喫煙禁止エリアでそういう馬鹿を大袈裟ではなくて毎日何人も何人も見かける。JTの社員が外に繰り出してそういう行為を注意するわけでもなく、数年前に1日だけ社長自らがポイ捨てタバコを掃除していたくらいのずうずうしい企業が優しげなCMを流したところで偽善的過ぎて気分が悪くなる。
テレビをつけていてうっかりこういうCMたちに出くわすこともテレビの電源を入れるリスクとなっている。わざわざ不愉快になるリスクを取りたくはない。
う~ん、年末年始の特番にさえこれほど興味が湧かないのだから普段からテレビを観なくなるのも当然といえば当然か。
地デジ化したのになんだか勿体ない気がするけれど、つまらない番組を観る時間の方が勿体ない。
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