どうもゲーム業界にファミコン時代からいた者です、こんばんは。
毎度毎度ニュースなどで凶悪な事件を起こした犯人のバックグラウンドが語られるときに「ゲームが好きだった」とか「ゲームが趣味だった」などと報じられていることに憤っている。
そりゃもう「ゲーム脳」なんていうなんの根拠もない説を唱えている自称・研究者たち(セクハラ・ストーカー容疑で大学を追われた者を含む)の自己の食い扶持を確保するための言いがかりのような説には何度となく反論してきた。
この件では本当に憤っている。
さて、今回のAFPの報道が以下のとおり。
ノルウェー爆発・銃乱射事件、容疑者は「キリスト教原理主義者」(AFP)
【7月23日 AFP】ノルウェーの警察は23日、22日にノルウェーの首都オスロ(Oslo)の政府庁舎付近で起きた爆発と、オスロ近郊ウトヤ(Utoeya)島での銃乱射事件で逮捕された男について、「キリスト教原理主義者」だと形容した。この事件では爆発と銃乱射を合わせて、現地時間23日朝までに少なくとも91人の死亡が確認されている。
ある警察幹部によると、逮捕された容疑者(32)は、インターネット上に自分は「民族的」にはノルウェー人で「キリスト教原理主義者」であり、政治的には「右寄り」だと投稿していた。警察は容疑者の身元については明らかにしていないが、現地メディアは容疑者の氏名をアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)と報じている。
ウトヤ島で銃撃されたのは与党・労働党の青年部が開いていた夏期合宿を兼ねた集会で、少なくとも84人が死亡した。また首相官邸や複数の政府庁舎が集まるオスロ中心部で起きた爆発では7人が死亡した。
捜査当局では、この容疑者が両方の事件の背後にいるとみているが、さらに逮捕者が出る可能性も排除していない。
ノルウェーのメディアは、逮捕された容疑者は極右勢力に近い人物だと報じている。
この男はフェイスブック(Facebook)の自分のプロフィールに「保守的」で「キリスト教徒」で独身、狩猟や「ワールド・オブ・ウォークラフト(World of Warcraft、WoW)」、「コールオブデューティ モダン・ウォーフェア2(Call of Duty: Modern Warfare 2)」といったゲームが好きだと書き込んでいる。
23日早朝に記者会見したノルウェーのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)首相は「第2次大戦後、ノルウェーでこれほど大規模な犯罪が起きたことはなかった」と述べ、ノルウェーは「暴力の残虐な行為」から立ち直ると語った。
ミジンコはゲームが好きとは言いつつも忙し過ぎてほとんどできていないけれど、そんな中でも過去数年で最もプレーしたゲームが「ワールド・オブ・ウォークラフト(World of Warcraft、WoW)」、「コールオブデューティ モダン・ウォーフェア2(Call of Duty: Modern Warfare 2)」なんだよね。たぶん同じような人が世界に数百万人いる。なんでかって?日本では英語やキャラクターデザインの壁もあってそれほど知名度はないけれど、世界で一番売れていてアカウント登録者が1,000万人を超えているダントツ人気のMMO(オンラインで大勢で冒険したりするゲーム)が「ワールド・オブ・ウォークラフト」、そして(日本発売前の)発売一週間で600万本以上のセールス記録を打ち出したFPS(一人称で銃などを撃って作戦をこなすゲーム)が)「コールオブデューティ モダン・ウォーフェア2」。これは当時のハリーポッターのDVDセールス記録を超えた大ヒット。このゲームも日本でもヒットしたとはいえ、一般にはそれほど知名度はないかもしれない。要はミジンコは世界で最も売れているゲームを楽しんでいたってこと。そんな人たちが世界で数百万人は下らない。
数百万人もの大量殺人鬼が世界に生まれたんだろうか?ミジンコもその一人だろうか?
キリスト教信者で保守派で世界で一番売れているゲームをやっていた人物。世界で最も普及しているSNSであるfacebookのアカウントを持ち、たまに趣味の狩猟に赴く。これだけ聞けば、どこにでもいるごくごく平凡な男のように思えないだろうか?しかしながら、実際には史上稀に見る大量殺人鬼だ。
大量殺人鬼の背景を分析するときにだけやたらとその行動や趣味が取り上げられるのだが、それにほとんど意味はないと断じたい。
ちなみにネットではやたらと「コールオブデューティ モダン・ウォーフェア2」に含まれる架空のロシアの空港での大量虐殺テロのステージのYouTube動画を取り上げている輩がいる。なんとしてでもゲームが悪影響だと言わんばかりだ。
実際にその動画だけを見れば、主人公がテロリストとして空港にいる一般人たちや警備員たちをマシンガンで撃ち殺しているように取られる。詳細な説明なしでその動画を見ればそりゃもう酷い印象を受けるだろう。
ゲームをやったプレーヤーは知っていることなのだが、実はそのステージで一般人に発砲すると即刻ゲームオーバー。ミジンコがこの事を知ったのはゲームを始めて1年後のこと。なにしろゲームの設定では、アメリカの特殊作戦部隊のスパイとして全身にロシア風な刺青までしてテロ組織へ潜入したキャラクターをプレーヤーは演じているのだ。その設定で一般人を撃つわけがない。
いくらテロ組織に潜入しているからといって無抵抗な一般人は撃つ必要がない。これは映画などで描かれる潜入捜査官も同じ行動を取っていることがほとんどだ。犯罪組織に潜入しているからといって一線を越えてはならないということ。映画だろうがゲームだろうが、潜入スパイだからといって無実の人々を殺すキャラクターに感情移入ができるわけがない。そもそも普通の神経をしていれば逃げ惑う一般人たちを撃とうという気にはなれない。繰り返すが撃ったら即ゲームオーバー。しかもこのステージはプレーヤーの選択としてスキップまでできる。
ちなみにミジンコはこのステージで何度となくテロ組織のボスであるマカロフというオッサンを後ろから撃ってはゲームオーバーになっている。ゲームの進行上、いきなり主要キャラを殺してはいけないらしい。テロを防ごうとしただけなのに!
ストーリーを進めるとその空港テロの最終局面でプレーヤー・キャラがスパイだということがバレていて、テロ組織に空港で殺されてしまい死体が現場に残される。(*プレーヤーはその後出てくる新たなキャラを操作して継続できる。)ロシアはアメリカによるテロだと誤解してしまい、米露戦争の口火を切ってしまう。
つまり、映画などの手法と同じで悪玉への嫌悪感をプレーヤー(観客)に感じさせて、最後に正義が勝つ!という大団円を演出しているというわけだ。
こういった最初に悪者側が非道の限りを尽くして正義が最後に勝つ!とやるのはハリウッド映画の王道だ。日本の漫画だってこういうパターンが結構ある。
もう一度繰り返そう。
ノルウェーの大量殺人鬼は・・・・・
- キリスト教信者
- 保守派(極右と報道されている場合があるが過去の極右的な活動は不明)
- 世界で最も売れているゲームが好き
- 世界で最も普及しているSNSであるfacebookに登録(ちなみツイッターでも1度だけ呟いている)
- 趣味が狩猟(自称なのでどこまでやっているのかは不明)
なんのことはない、どこにでもありそうなプロフィールだ。
このプロフィールと同じ人を皆さんは警戒するだろうか?
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