わらびの漫画「オービィ横浜編
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わらびの漫画での紹介がすべて終わったのでこちらでもオービィ横浜を斬りたい。そう今回は紹介するのではなく斬るのだ。そのくらい同施設には呆れ失望している。
期待して行くと大変なことになる。それがオービィ横浜だ。間違っても友人・知人にオススメはできない。入場料が大人2,600円というアミューズメント施設としては安い方ではあるが実際そこまでの価値を感じないほど企画倒れな施設だ。あんこ入れ忘れた大福とでも言おうか、クリーム無しのシュークリームと言うべきか、そう中身が無いのだ。2,600円は高くはないが2,600円の価値をどこに見出せば良いのやら、良いところ探しにポリアンナが苦戦しそうな場所なのだ。
40メートルだかの巨大スクリーンをまったく活かしていない映像。BBCが別にオービィ用に撮影したわけでもない動画を流したところで面白くもなんともない。大画面に映る凍りつくヒトデの大群。気持ち悪いだけだ。
基本的に映像を見せるアトラクションばかりの施設なのだがその映像の解像度が極めて低い。現代のHDや4kの映像に慣れてしまっている我々にはいささかきついDVDクオリティー程度の映像。ましてや大きめのスクリーンに映し出すものだから画質が粗い粗い粗い。
気になったのはその営業手法だ。シアター23.4というこの施設のメイン会場とも言える40メートルの巨大スクリーンを見るためにはまずはそのシアターの外側で「1度出たら戻れない」と注意を受けた上で待たされる。そこには壁に幾枚かの写真。そしてブルースクリーンを背景とした記念撮影の場。スタッフたちが一様に「撮るだけはタダですよ~」と。渋谷や秋葉原にいた悪徳シルクスクリーン販売の女性スタッフが街頭で男性に声をかけている姿を久しぶりに思い出した。あれは「見るだけはタダですよ~」と言ってたっけ。今どきスマホのアプリでいくらでも画像加工ができる時代に背景が大自然に加工された写真を2,000円から3,000円か、価格設定に苦笑した。上映15分前に人をどんどん入れて座るところも僅かしかないシアターの前ではその記念撮影くらいしか暇つぶしの手段がない。なんだかセコいやり方だなと感じた。
アフリカの大自然を体験するために僅かに振動する床、大したことが起きているわけでもないのにいちいち「主に見るべき画面」をコロコロと変えて観客を疲れさす演出。大きな音を出せばいいという感じのワニがヌーを襲うときの音。迫力があると耳が痛いだけはだいぶ違うということをこの施設の演出家は分かっていないようだ。
他にもアトラクションはあるものの総じて空振りな印象。どう楽しめばいいのか観客が困る、そんな感じなのだ。実際、いくつかのアトラクションを出るときに他のお客さんたちと一斉に出るわけなのだが苦笑と失笑が例えで言っているわけではなくて本当に聞こえてきた。もちろん、ミジンコもわらびと「え~~~?」という感想。それも2つ目、3つ目のアトラクションではもう達観した感じになってしまっていて「ここはもうそんな施設なんだな」と諦めていた。
マークイズみなとみらいという商用ビル自体はなかなかのものだと思っている。複合施設としては今日本でもっとも洗練された場所のひとつだろう。そのマークイズの開業に合わせてアミューズメント・スポットを1箇所くらい用意したいと思ったのだろう。未完成とは言わないが急場しのぎで無理矢理に作ったアミューズメント施設がオービィ横浜という印象。セガもなにを考えてあんな施設を作ったのか?ああ、そういえばセガはゲーム史に残る名作も作っていたがその数を遥かに上回るビミョ~なゲームもリリースしていたんだった。
リピーターどころかクチコミさえもこのオービィ横浜ではほとんど期待できないことだろう。むしろここをオススメしては本当に行ってしまった友人たちに申し訳なくなってしまうだろうからミジンコは絶対に薦めない。
さてオービィ横浜の自業自得とはいえ、悪い点しか書かないのも気がひける。本当に良いところを探すのが難しい場所だったのだが・・・・・。
先ず、カフェの横にあるトイレが大手デパート並にキレイだった。施設のコンセプトに沿った作りではなく普通のトイレではあったが人で混雑する施設としては相当にキレイな方だった。
ブルーバーガーというハンバーガーが面白かった。青いバンズは見た目に反して不味くはない。おいしかったとは言えないが不味くはなかった。中にチキンが挟まっているだけなのだがそのチキンもコンビニのチキンと同じくらいで不味くて食べられないというほどではない。しかも価格は450円と施設内のバーガーとしては安い。
シアターでのミストの量が大容量。ミストや香りが出るといったシアター施設は今や珍しくもないが、その量が大盤振る舞い。シアターの前列に座ると自分の姿がすっぽりとミストに覆われるほど。猛暑のときにすぐに浴びれれば気持ちが良いかもしれない。
まぁ、文句を言ったらキリがないし、凄く楽しかったという人がもしいるのだとしたらその人の感性を否定する気もない。ただ施設運営側には猛省を期待する。入場料を取っている以上、運営側の最低限の節度というものがあって然るべきだ。本当にあの程度の施設で入場料設定をしていて疑問に感じなかったのだろうか?また前述のとおりの加工写真商法など、強制的に買わせるようなやり方では無かったがやっていることがセコい、セコ過ぎる。入場料を払ったお客さんから写真やお土産で取ろう取ろうとするのではなく、お客さんの方から「記念にここのお土産が欲しい!」と思わせるアトラクション作りに努めるのが筋だろう。そこらへんはディズニーランドなどは本当にお客さんの期待を裏切っていない。
わらびの漫画でも触れているがどう考えても長く続くような施設には思えなかった。実はまだ未完成だとかいうオチがあるんではないかと今もって疑っているほどだ。
[98回]
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