皆さん、山や森で遭難した人たちを救助したことありまっか?ミジンコは何度もある。半年かけて綿密に立てた登山プランも遭難者発見とともに終了。そんなことは何度も経験した。仕方がない。無線で要救助者が出たの報がくれば、近くにいるエキスパートたちは自分たちの予定は諦めて捜索にあたるのだ。これは山のルール。一応はミジンコよりも更に凄いアルピニストたちの中では7,000m(8,000mという人もあり)以上は自己責任とは言われている。救助する側が遭難者に酸素を分け、そして動けない者を担ぐことが命がけになるからだ。ミジンコが経験したようなずっと低い山やベースキャンプよりも遥かに下では基本はどんな遭難者であろうと発見者が救助要請をするなりそのまま救助するのが暗黙のルール。不謹慎に思われるかもしれないが見つけた側は命の恩人になる代わりに準備までに何ヶ月も要した登山を断念しなければならなくなることも多々ある。高地順応が必要ではない低い山の場合はなけなしの1週間の休暇を登山にあてる普段は会社員の登山家たちが多く、救助活動に参加すると自身の登頂までの時間が足りなくなるからだ。
ここまで書くとまるで登山の話をするために記事を書いているかのようだが今回はそうではない。実は登山ではなくて経済、そう景気対策の話をしたいのだ。ではなぜ山での遭難の話をしたのかというと、遭難者の奇妙な行動を皆さんに知って欲しいからだ。
というわけで本題。遭難者の100%が怪我や疲労で衰弱しているのだがミジンコが助けた人々の多くは命の危険がすぐに迫っていたわけではなかった。単純に歩き疲れて方向感覚を失っておりコンパスや地図があっても動けない状態だったのだ。一般道路まで数十メートルというところで動きが取れなくなっているなんてケースもあって遭難中はそれほど状況把握ができていないのだ。
ところが!いざミジンコたちが駆けつけると自力で起き上がり「大丈夫です!」、年配の方だと丁寧語を忘れてしまったのか「大丈夫(だ)!」と半ば怒った感じで歩き出す。そしていつも思う、向かった方角は逆方向だと。もっと言うと崖に向かって行くのだ。大丈夫だと言う言葉ほど怪しいものはないなとつくづく思う。大丈夫か大丈夫じゃないかを周囲に心配されている時点で当事者は大丈夫じゃないのだ。
安倍総理の本日の所信表明演説。またしても抽象的なことしか言わなかった。具体的にどの経済対策がどう景気回復として機能するのかせめてロードマップくらいは示すべきだった。相変わらず精神論のような景気対策への「意気込み」なのだが、気合だとか努力だとかはもう国民は出しに出し尽くしているのだから、安倍総理の言う気合論がそろそろ結果としてどう結びつくのかを明言するべきだ。間違えを認めなければ間違えにならないというやり方は卑怯だということだ。政権発足からそろそろ10ヶ月で得た成果が少ないことは認めて修正するべきところは修正すべき時期に入った。これが現実だ。
そして自民党の両院議員総会にて安倍総理は↓こう述べている「私たちが進んでいる道は間違いない。」
安倍首相「難題にチャレンジ」(時事ドットコム)
安倍晋三首相は15日午前、国会内で開かれた自民党の両院議員総会で、同日召集の臨時国会について「難しい課題に私たちはチャレンジしていく責任がある。この国会を実り多い国会にしていこう」と語った。また、経済政策「アベノミクス」に関し、
「私たちが進んでいる道は間違いない。しかし、まだまだ道は半ばで、これからが正念場だ」と述べ、推進に協力を求めた。
いや既に自民党は政権奪回後も何度も間違えている。ワタミ前会長擁立、汚染水問題についての首相自らによる虚偽発言、そして来年4月の消費税増税。これでもかというほど道を間違えている。ところがまるで「大丈夫!」という遭難者のように自分の進む方角は間違っていないと妄信している、これが今の安倍総理であり自民党だ。「間違いない」と言われても結果的に国民と心中する気にさえ見える根拠のない自信だ。
世界屈指の経済学者たちが来年4月の消費税増税は時期尚早だと苦言を呈していた。ところが安倍総理は増税を決断した。それのどこが「間違いない」のだろうか?安倍総理の経済に対するビジョンが「間違いない」と思うほうが難しい。勉強しているのかさえ定かではない人物の「大丈夫!」だとか「間違いない」なんて言われた方としては不安になるだけだ。
はっきり言って進んでいる道は間違っている。来年4月どころか消費税増税が発表された今月から既に景気後退の兆候が見え始めている。国内の消費マインドなんて消し飛んだからだ。道を既に間違って迷っている遭難者が「間違いない」と進む方角を決めるなんてことはどうかしている。
正直いってまだアベノミクスなんて言葉を使っているのかと呆れている。野田佳彦が解散を約束したちょうど1年前から株価は上がり円高是正も始まったのだがそれは市場の期待値が大きかったからだ。別に安倍政権がなにかを成功させたわけではなく、安倍政権が発足する3ヶ月も前から景気上昇の兆しは見えていた。ところが消費税増税だ。畑に蒔かれていた種がやっと双葉を出したか出さないかという時に安倍総理が運転するトラクターが畑をブイ~ンとヘタクソな運転で縦横無尽に走っている、それが現状だ。収穫どころの話じゃないまだ畑は緑色ですら無かった。
そんな状況の今、よくも「間違いない」などと言えたものだ。最近の安倍総理は靖国参拝をしていないことによって急速に支持を失っている。ミジンコとしてはそこは初めから肝が据わっていない人物だと見ていたので折り込み済みだった。よってそれほど失望感はない。ネットなどでイキのいいことを言っているまるで国粋主義者のような面々は靖国参拝をしていない総理を相当に失望しているようだ。そんな靖国参拝を政治家に強要している連中は戦争勃発時には前線に出て戦うんだろうか?そんな連中は邪魔になるだけだと思うし、そもそも先ず断言できるがネットでギャーピーギャーピー靖国がどうのと叫んでいる連中は戦時には逃げ出す。まぁ、ともかく約束を守るとは限らない総理だということは既に周知されていると思う。ワタミ前会長擁立なんてまるで騙し討ちだった。そんな総理が「間違いない」と言ったところで「また嘘を平気でついている」としか思えない。責任を取らないことに慣れている人間の怖さを見た気がする。
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