このブログで何度指摘したことだろうか?それも何年も前から何度も何度も。このブログが移転する前からず~~~~っと同じことを指摘し批判もしているのだがマスコミは被災地上空でヘリを飛ばすという行為を一向に止めない。視聴者が救助の瞬間の空撮をそれほど求めているだろうか?マスコミが勝手にそれがスクープだと思い込んで必死に救助活動の邪魔をしながらヘリを飛ばしているわけなのだが、視聴者はそこまで救助の瞬間の映像のためにテレビにかじりつくことはない。それよりも行方不明者数がこれから増えるやもしれない犠牲者数よりも少なくなればなるほど良いと願っている。東日本大震災のときに1000人単位で刻々と犠牲者数が増えていくことを経験した日本人なのだ。震災発生から数時間後に海岸沿いを走る鉄道列車が行方不明だと報道されたときにいったい乗客・乗務員は何人乗っていたのかと愕然とした。震災から数日経って犠牲者の数が万を超えることが確定的になったが、それでもどこかに逃げ延びている人たちがもっと多いはずだと信じ込もうとした。実際に震災から数日後にも瓦礫の下から救助された人々は数多くいた。救助隊がそんな瓦礫の下の人々を発見することさえできれば命を救えたのだ。
今回の台風は大島に甚大な被害をもたらした。そして話題となっているツイートがこちら。
伊豆大島_bot @ooshimakozou 伊豆大島救助隊が、救助の為のサイレントタイムを15時から17時で実施したいが 旋回する報道ヘリコプター二機のため困難との事。どなたか、報道機関に伝えるか、拡散願います。
伊豆大島_bot @ooshimakozou “@233hisashi: @ooshimakozou 飛んでいる二機のうち一機は日テレでした。今中継中です。”
おたかさん @motialtjin 伊豆大島捜索 サイレントタイム要請 現在も中継のヘリを出しているのはフジTV 16:16 @ooshimakozou
伊豆大島_bot @ooshimakozou 皆様拡散ありがとうございます。サイレントタイムで救出作業ができたようです。ご協力感謝いたします。
都内でもヘリが飛んでいることを見かけることはそう多くない。ヘリに馴染みがある日本人というのもそうは多くないことだろう。職業的に関わっている人たちとその利用者たちでもない限りヘリというものはそれほど身近な乗り物ではない。だからこそヘリの爆音も馴染みが薄いかもしれない。映画やテレビ中継などでヘリが登場するとき、ヘリのローター音もエンジン音も調整されて非常に小さな音となっている。実際はヘリが飛んでいるときの音は爆音だ。搭乗者同士も密閉型のヘッドセットを装着していないと会話すらままならない。自衛隊や米軍のヘリが上空を飛んでいったところにたまたま下にいたことはないだろうか?その時には地上でも会話がままならないほどの騒音だったはずだ。瓦礫の下で衰弱した被災者が出す声や音が上空を飛ぶマスコミのヘリの騒音を上回るはずがない。つまりマスコミのヘリが飛んでいる場所は瓦礫の下で救助を待っている被災者がいくら叫んでも救助隊は音で発見することはできない。マスコミがヘリを飛ばせば飛ばすほど救助隊は視覚のみで被災者を探さなければならなくなる・・・・が!瓦礫の下の犠牲者は姿など見えるはずがない。マスコミのヘリは間接的というよりもほぼ直接的に瓦礫の下の被災者を殺しているということだ。
伊豆大島のツイートはこれでも随分と抑えた表現をしている。1秒でも早く瓦礫の下の被災者を見つけたいというのに日本テレビとフジテレビのヘリが現場の上空をバリバリバリバリと飛んでいたのだ。そしてそれをテレビ中継。マスコミの人間には想像力が欠けている。いやそもそも想像力が無いのかもしれない。自分の身内の者が瓦礫の下にいるやもしれないときに上空でヘリを飛ばし、その爆音で助けを求める声を掻き消すことがどういうことなのか、それが想像できればヘリは飛ばさない。ましてや捜索活動真っ最中のサイレントタイム、災害救助の邪魔をしているクズ人間特集として自分たちのことを中継した方がよほどジャーナリズムとしては正しい行為だ。
何度かブログで触れているけれどミジンコは災害や紛争地帯の救助活動の一環として上空からスカイダイビンギグのエキスパート兼ハンドラーが災害救助犬ともどもダイブして被災地に急行するという試みに携わっている。元々はいわゆる特殊部隊などが先遣活動の際に部隊員と火薬の臭いをかぎ分ける地雷探知犬がやっていたことは被災者救助に応用できた。空港機能が麻痺しているときに陸路から被災地に向かうには時間がかかる。かといって空路でも結局遠くの空港でないと着陸できないとなったときに被災地の真上から救助隊員たちを降下させれば非常に即応性の高い救助活動となるはずだ。ただし医療機器や小型の重機も同じように降下させた方が良いわけでまだまだ難しい問題はあるのだが少なくとも降下部隊による救助は瓦礫の下で助けを求めている被災者たちの発見が早くなるはずだ。
ちなみに現在その降下作戦に於いて最適な機体はオスプレイだ。航行スピードが速く航続距離も長い上に垂直離着陸もできる優れものだ。しかもハイテクのかたまりなので安全性も高く静音性にも優れている。軽装甲車すらも運べる搬送能力により瓦礫を取り除く小型の重機も運べることだろう。本音を言えば早くオスプレイを民間にも売って欲しい。米軍、イスラエル軍、そして自衛隊とオスプレイを配備または購入が決定している軍はあるが軍事機密のかたまりであるオスプレイはまだまだ民間には下りてこない。じっと我慢の子だ。実はこの件、ルーちゃんやケネディーちゃんに「ちょうだい、ちょうだい」としつこくやっているのでウザがられているかも・・・・。
で!その上空から降下する救助活動というやつはこれからグローバル・スタンダードともいえる大災害時の救助活動の初動となるはずなのだが大問題がある。マスコミのヘリだ。サイレントタイムであろうが飛行禁止令が出ていようが誰も求めていないスクープに血まなこになって被災地上空をヘリで飛ぶマスコミ。この邪魔なヘリコプターの群れが救助活動のためにやってきた降下部隊の活動を著しく邪魔になる。降下部隊を乗せたヘリがマスコミのヘリが縦横無尽、予測不能な動きで飛んでいるところを航行できない。1秒で300m接近する世界だ。衝突事故の可能性が高いところに進入できない。
マスコミのヘリよりも高高度なところを飛ぶ航空機から降下部隊を降ろすとしたらどうだろうか?中空を飛び回るマスコミのヘリがスカイダイビング中の救助隊員と犬を跳ね飛ばす可能性がある。特に撮影のために下しか気にしていないバカマスコミは救助隊員のパラシュートをローターで絡み取るかもしれない。そんな恐ろしいところに隊員たちが降下せねばならなくなるということだ。なぜだ!なぜ救助活動をしたいだけなのにマスコミは邪魔をするのだろうか?
残念ながら日本に限らず世界のどの国でも被災地を飛ぶマスコミのヘリコプターを撃墜して良いという法律は存在しない。今のところこの伊豆大島のツイートのようにまるでお願いするかたちで有志の助力を要請してマスコミの飛行を止める手伝いをしてもらうしかないのだ。最初からマスコミがヘリを飛ばさなければ良かっただけの話だ。マスコミはこの件についてマスコミ自身の取材を行い実態を報道するべきだ。スクープ熱に犯されて善悪の判断もできなくなったマスコミの人間たちの醜態をしっかりと伝えること、それこそがジャーナリズムだ。
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