関連会社での不祥事が相次いだNHKの籾井勝人会長がNHKと関連団体の全役職員を対象に、「発覚していない不祥事」などについて情報提供を呼びかけたことが5日、わかった。異例の呼びかけに、
職員からは「密告を勧められているみたいだ」と反発の声があがっている。
「調査委員会への情報提供のお願い」という1日付、籾井会長名の文書がNHKの社内ポータルサイトに掲載され、関連団体にはトップを通じ社員に通知。「広く情報提供してください」と呼びかけている。(以下略)
ソース元:
朝日新聞デジタル
この「密告を勧められているみたいだ」とインタビューに応じたNHK職員はさっさと辞表を提出するべきだ。自分の立場も職責も理解していないまま職員を続けることはNHKにとってもこの職人にとっても、そしてなによりNHKに受信料を支払っている家庭にとっても不幸なことだ。これだけ長年に渡って不祥事が相次いでいるNHKに於いて、その中で働く職員が自浄努力を否定するかのごとき発言を堂々とマスコミに伝えていること自体が異常事態だ。
言うまでもなくNHK会長の呼びかけを「密告制度」のように職員が捉えている事がどうかしている。これは不正を行っている可能性が非常に高い企業の内部の人間に「内部告発」を呼びかけているものであって政府も警察もずっと推奨していることだ。犯罪や不正を行っている企業があったとして、それを先ず最初に、しかも詳細に渡って告発することができるのは内部でその様子を見てきた関係者でしかできないことだ。つまりNHKは会長自らがそこまでの要望を全職員に通達しなければならないほど腐敗していたということであり、それを密告と称することはNHKの自浄作用を阻害する考え方でしかない。膿はなるべく早期に出し切ることが企業が自浄作用を働かせるためには有効なことだ。こう言ってはなんだがいつかは発覚する不祥事なのだ。今の内に膿を出し切っておいた方がNHKの為でもある。もっとストレートにいえば悪あがきは止めろということだ。まぁ、この会長の呼びかけを密告制度と受け取った職員のやっている悪あがきは悪あがきの中でも最も低レベルの事態を悪化させるだけの愚かな行為だ。
当ブログではNHKのことは幾度となく取り上げているが、特に注目を集めたのは
この記事「フィリピン災害支援の時はNHKはオスプレイのことをMV-22とだけ呼ぶ」だ。記事をUP後にfacebookやツイートでだいぶ拡散された模様。この記事で取り上げたことはまさにNHKの報道体質の根幹の部分の問題だと考える。なにしろ昼のニュースでも夜のニュースも同じようにオスプレイのことをMV-22と呼んでいたのだ。その違和感たるや今でも良く覚えている。オスプレイのネガティブなニュースのときにはオスプレイと呼び、オスプレイが災害支援で活躍しているときにはMV-22と呼んでいたのだ。こんなあからさま印象操作はそうはない。こういうやり方は組織的なものがあると見るのが自然だろう。とてもたった一人の職員がニュース原稿を全て恣意的なものに変更できるとは思えない。こういうNHKの組織的な腐敗も内部告発でないとなかなかその命令系統がどのようになっているのかは明らかにはならないだろう。内部告発に期待したい。
密告と言うと、さもそれを勧めている組織やリーダーが下で働く者たちにギスギスした人間関係を強いて監視社会を生み出しているかのような錯覚に陥る。対して内部告発と言えば、腐敗した組織を立ち直らせるためにずっと慣習のように行われていた不正を正す為の勇気ある行動だ。NHK職員は密告という言葉を敢えて使ったようだが言葉選びが間違っている。NHKの視聴者である自分からしてみればNHKは今や会長自らが内部告発を受け止める体制となったのかと頼もしく思える。随分と短期間でNHKは改革に乗り出したものだと以前よりも素直に受信料の引き落としを受け入れられるほどだ。
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