つい先日も21歳の大学生と称する人物がISILへの参加を表明して騒動になっていた。ISILの関係者を名乗る人物からSNSで「死んでもいいという準備があるなら来てください」と問いかけられたのに対して、「OKです。来月そちらに行きます」と答えていたのだ。この大学生とやらはマスコミの取材に対して「けがをしたり死んだりするのは怖い気持ちもあるが、自分の目で見て知りたい」と答えている。
21歳でこれでは幼稚過ぎる。
シリアに渡航しようとしていたフリーカメラマンを自称する58歳の男性のこともニュースになっていた。
シリア渡航を計画、カメラマンに旅券返納命令 外務省(朝日新聞デジタル)
58歳になってこれは・・・・(絶句)
この自称フリーカメラマンは、報道の自由とやらを持ち出して外務省の対応を批判している。外務省は旅券法第十九条 四に抵触すると判断してこの人物の旅券返納を求めたようだが、当ブログではそれよりも旅券法第十九条 五がモロに抵触していると考える。
旅券法:
第十九条
外務大臣又は領事官は、次に掲げる場合において、旅券を返納させる必要があると認めるときは、旅券の名義人に対して、期限を付けて、旅券の返納を命ずることができる。
一 一般旅券の名義人が第十三条第一項各号のいずれかに該当する者であることが、当該一般旅券の交付の後に判明した場合
二 一般旅券の名義人が、当該一般旅券の交付の後に、第十三条第一項各号のいずれかに該当するに至つた場合
三 錯誤に基づき、又は過失により旅券の発給、渡航先の追加又は査証欄の増補をした場合
四 旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合
五 一般旅券の名義人の渡航先における滞在が当該渡航先における日本国民の一般的な信用又は利益を著しく害しているためその渡航を中止させて帰国させる必要があると認められる場合
いかがだろうか?今、自分勝手な都合でシリアなどのISIL支配地域に渡航する邦人は「渡航先における滞在が当該渡航先における日本国民の一般的な信用又は利益を著しく害する」のであるから行くな!と言っているわけだ。旅券法がそのものズバリ、「日本人の信用を落とすような行為」を禁じているのだ。ガイドが止めるような危険地域にノコノコ出向いて一攫千金を狙うものの、あっさり捕まってテロ組織の広報活動や人質ビジネスに与するようなことは「日本人の信用」を現地で落とすのだから渡航禁止措置が妥当だ。これを報道の自由だとほざいたり、渡航の自由を拡大解釈してどこに行くのも自由だと主張することは日本人に迷惑だということだ。もっと端的に言えば日本人として海外で恥を晒すな、バカヤロウ!ということ。
この人物が4年以上放置しているツイッターアカウントの2010年9月6日のツイートがコレ→「民主党代表選挙、面白くなりそうだ。この低迷と閉塞の日本に「喝」と「嵐」を!小沢一郎氏完全支持!」
なるほど、今はどうだか知らないが、民主党支持者で小沢一郎を支持していたようだ。なんだか人間性という部分でとても合点がいく。
ちょうどフジテレビの情報番組で木村太郎氏がこのフリーカメラマンの渡航を外務省が止めたことについてトチ狂った見解を述べていた。外務省職員が渡航の自由よりも命を安全を優先させたことを批判していた。その際に外務省職員が「そんなことよりも」と渡航の自由や報道の自由をこんなこと呼ばわりしたことを怒っていた。危険な地域にはニュースがあり、ジャーナリストは蛮勇を誇るべきといった見解も述べていた。断じて許されない見解だ。ジャーナリストと称するとその人物は法律を無視しても良いと勘違いしているようで非常に不愉快な発言の数々だった。まさに自由を履き違えている。他国に迷惑をかけ、日本人の評判を下げ、それでも優先すべき渡航の自由や報道の自由なんてものがあるわけがない。はっきり言って「そんなこと」だ。木村太郎氏の優先すべきだとする自由なんて我々多くの日本人からしてみればその程度のことだ。それを今の今まで理解していなかったとは木村氏も分析力に欠けている。危険なところにネタがあるとか、記者の勝手な解釈の蛮勇なんて知ったこっちゃない。ただ単に日本人が海外で恥を晒し、現地の人々に迷惑をかけ、日本人の評判を下げることを我々は望んでいないだけのことだ。その可能性が非常に高いときには、それがジャーナリストであろうとも「そこに行かないでくれ!」という法律が機能することは多くの常識ある日本人には歓迎すべきことだ。まったく、日本のマスコミにはまともな人間はいないのだろうか?
自由を主張するときには最低限の義務を背負ってからだ。人に迷惑をかけない、自分が責任の取れる範囲で行動する、そもそも誰かに迷惑をかけると分かっていることは開始しない、どれもそれ程難しいことだろうか?これができないと今回取り上げたフリーカメラマン(58)も木村太郎氏も大声で主張しているのだ。なにが蛮勇だ!甘えるのもいい加減にしろ!ジャーナリストも他の社会人と同様にして法律を守るべきであるし、それ以前に常識を備えろ!
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