上は
「シャークネード」の第1作からの主人公フィンが乗っていた旅客機が遭遇したサメ嵐・シャークネードによって機長も副機長もサメに喰いつかれて機外に放り出された後の光景である。そう、主人公フィンが操縦したこともない大型旅客機を操縦して無事に着陸させるのである。この程度のハプニングは前作「シャークネード」が製作者も出演者も予期せぬ話題となったことに比べれば大した問題ではないのである。
どうも前作が話題となり制作会社のアサイラムも遂に小金持ちになったのか、オープニングのクレジットに妙なCGを多用したりしてアサイラム作品にはあるまじき予算の余裕を感じさせるけしからん作りとなっている。しかあぁぁぁし!ご安心召されい皆の衆!アサイラムが金を持ったところで猫にコバンザメ!ちゃんと金かかった駄作になっている安定性。アサイラムはよく分かっている。
とりあえずアサイラムが金を使ったと思われるところが以下の気象予報シーン。劇中、何度も何度も気象予報シーンが流れるのであるが、気象予報士が解説する画面にサメマークが登場するのだ。
最初はサメ台風も小規模だったのでサメ表示も控え目な感じ。
静止画だと分からないが竜巻のCGの中にクルクル回るサメがいる。
サメ台風の巨大化によりこんな表示に!
まさに時代はサメ台風といったところか。こういうところを頑張っちゃたものだから、他の部分がかなりおざなりになるのもいつものアサイラム・クオリティー。ある意味ブレない会社だ。
第1作はロサンゼルスが舞台であったが、主人公フィンは元々はニューヨーカーだったとのことで今回はニューヨークへの里帰りとなっている。前作でロスの危機を救った英雄として、またサメに丸呑みされたのに逆にサメを内側からチェインソーでぶった斬って生還したダイハード男(なかなか死なない男)として全米屈指の有名人となっているフィン。ところがフィンはサメ台風との対決で親友を二人も失っていることを思い自分への英雄視を受け入れていない。なんということだ。アサイラム作品のくせにかなりまともなことを主人公が述べている。どうしてしまったんだフィン!変なクスリでもやってんじゃねーだろうな!?
・・・・とちょっとはフィンのまともさを見直している矢先にフィンと愉快な仲間たちが野球観戦中のスタジアムをサメ竜巻が襲う。まずい!メッツが危ない!フィンたちのことはそれほど心配じゃなかったがメッツの選手たちがサメに喰われてしまうのは困る。ところがメッツのホームスタジアムがロケに使われ、野球のシーンらしきものもあるにも関わらず、メッツの選手たちは1人も登場しない。やはりメジャーともなると選手を出演させる作品も選ぶのだろうか?さすがメッツ、賢明な判断だ。
フィンの地元ニューヨークの家族や友人たちはメッツの大ファンたちだという。当ブログの管理人ミジンコもニューヨークに住んでいたこともあり、MLBではメッツがひいきのチームだ。ニューヨークというとヤンキース・ファンだと思われがちだがヤンキースは宿敵であってファンではないのである。ニューヨークには2球団あるんだと声を大にして言いたい。正直、こういう作品に限ってヤンキースではなくメッツが選ばれるのはどういうことか?アサイラムのヤンキースをいじるのには及び腰でメッツならばいっかなぁという不届きな思惑が透けて見える。確かにその通りだ、コノヤロウ!ちなみに上のシーンはサメ竜巻が接近して観客が逃げ惑う中、フィン一行は殺る気満々でお土産屋のバットを窃盗、画像のヒゲ男に至っては看板に掲げてあった巨大バットをむしり取って盗む始末。器物破損と窃盗事件の発生である。サメと戦うためにバットというチョイスはどうかと思ったが結構な数のサメをかっ飛ばしていたのでアメリカではサメにはバットが一般的なのかもしれない。
怯えるニューヨーカーたちを落ち着かせるために消防車の上で演説を始めるフィン。サメに食べられても大丈夫だと聴衆を説得。いや、それはおまえだけだろう。普通はサメに喰われても大丈夫じゃないからな、フィン。
そんなフィンの演説が終わるや否や、サメ竜巻から一匹の大型サメがフィン目がけて突撃!
チェインソーを持ったフィンは無敵だ。サメをかわしつつ・・・
サメ両断!注目すべきはサメの部分はCGであるから後から足しているわけで、撮影時にはマンハッタンという大都会にて消防車の上でチェインソーを持ったおっさんがこのポーズをしていることだ。
ニューヨーク市長もどうかしている。大都市が壊滅しそうなほどの巨大台風が接近しているというのに、ただの一般人であるフィンにチェインソーを渡して後は丸投げだ。大都市の危機を一人の男に全て託す行政とその依頼を自信満々で受ける一人のイカレポンチ、こんなことでいいのかニューヨーク市!
一応ラブロマンス要素も追加したつもりらしいのだがどこまでがラブでどこまでが狂気なのか分からない演出で評価しようがない。例えば、女性の皆さんは自分の腕がサメにパクリと持って行かれたときに、半日後にそのサメをぶち殺した男性が死んだサメの口に手を突っ込んで腕を回収し、その手の薬指にはめてあった指輪を抜き取りプロポーズしてきたらどうだろうか?この作品の場合は女性は「まぁ、ステキ♪」となるのでハッピーエンドなのだが現実にそんなことが起きたら絶叫モノだろう。まぁ、そんな恐るべき演出もこのシリーズではよくあることのひとつに過ぎない。きっと3作目もそうなることだろう。
[13回]
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