統一地方選挙を目前にした時期での所属議員の不祥事に慌てる維新の党。それも比例復活のゾンビ議員がやらかしているのだから尚更のこと党の責任は重い。
元維新の党・上西小百合衆院議員が除名処分となった。橋下顧問が議員辞職、出直し選挙を勧めたものの、同議員の返答は「議員の身分は法に触れない限り身分は奪われません」「それだったら除名で結構です」というものだったらしい。恐るべき厚顔無恥さである。「それだったら」って、おまえに選ぶ権利なんかあるか、ボケ!というのが当ブログの率直な感想。
法に触れる触れないの問題だろうか?法に触れない問題だったというよりも、法でカバーし切れないほどのことを議員がしでかしたというのが実態だ。議員が国会をさぼって遊びほうけるなんてことを想定して世の中のあらゆる法律は起草されていない。そんなことまで法律で縛って不規則行動を制限されないとやっていけない人間はそもそも議員なんて重責を負うべきじゃない。法律で地球を破壊してはいけないだとか、街中で大暴れしてはいけないだとか、いちいちそんな当たり前にやってはならないことを禁止していたらキリがない。議員が国会審議を軽んじてズル休みしたら議員辞職なんて当たり前のことだ。本来は国会議員になってはならない人物が議席を獲得してしまったことについてはその議員を公認した党や投票した有権者にも責任は発生しているが、とにもかくにも「間違い」が起きてしまったことについては早急に訂正するべきことだ。その訂正とはすなわち、間違いそのものである議員の議員資格を剥奪することだ。もし、その議員資格を失った元議員が開き直って議員を続けたいというのであれば、それは次の選挙で民主的に議員資格を取り戻すしか方法は有り得ない。「辞めたくない」は通じない。自業自得なことでの議員資格剥奪なのだから、その議員が文句を言うべきことですらない。再度、有権者の信を問う以外は無い。
ところがこの上西小百合衆院議員は議員を続ける意向のようだ。つまりあと2年ほどは議員資格を継続したいらしい。議員給与など諸々の税金を消費しながら議員継続、国民には百害あって一利なし。しかも比例復活議員の離党なので維新の党に投票した有権者たちの票も本意ではないことに今後使われていくこととなる。当ブログではあの元民主党の
横粂(ヨコクメ)元議員が離党した際も批判したように比例復活議員の「離党→議員継続」は有権者への重大な裏切り行為だと考える。比例票はあくまでもその党に対しての投票なのだ。
横粂元議員にしろ、この上西小百合議員にしろ、党が獲得した票によって議席を獲得している。選挙時に民主党や維新の党に投票した有権者はあくまでもそれらの党の議員獲得数が増える為、つまり国政への影響力を増すために投票したのであって、比例当選議員が当選時の党を離れる際には議席を持ったまま、つまりは比例復活当選議員の議員継続は断じて許されない。そんな許されないことのはずが、この上西小百合衆院議員はしれーーーっと法律に触れていないから辞めないとのたまったのだ。前述のとおり、法律が国会を軽視して遊んでいる議員を想定していなかっただけのことでこれを「法律に触れていない」と解釈する神経がどうかしている。
この議員もどうかしているが、維新の党の橋下顧問の言動も無責任極まりない。
橋下氏、辞職拒否の上西氏の報酬も暴露「税金があんな議員の給料に…」(Yahoo!ニュース デイリースポーツオンライン)
一部抜粋:
「29歳だった女の子が(初当選から)2年経つとこうなってしまうのか。国会議員は現金で給料2900万円ぐらいですか?国会で?」と傍らの江田憲司・維新の党代表を巻き込んで聞き出し、「2200万円!これに1200万円の経費が入り、3000万円以上の給料が29歳の女の子に入ったわけですよ。飛行機載るときにはVIP待遇ですよ。いや国会議員やると変わるもんだな。もう完!全!に永田町の感覚ですね。ずっと議員やりたいみたいです」と給料まで“暴露”した。
さらに「疑惑だとか事実と違うとか、言い分はあるかもしれないけど、維新が大阪都構想実現に向け大変な時期に、秘書と何かしたとかどうたらで、こんなグチャグチャの状況にして。こうなったら、最後は自分で身を引くのが政治家の責任の取り方ですよ」と、本来あるべき姿を指摘。「もう2度と大阪維新の会からは公認しません」「もう2度とあの議員とは付き合いません」と決別を宣告した。
「永田町の感覚だと除名にならないだろうが、維新は納税者の感覚を徹底して貫いてきた。もう国民の税金を、皆さんの所得税を、あんな議員(上西氏)や秘書の給料にあてることを認めるわけにいきません。それを許したら維新の崩壊、消滅につながる」とぶちまけ、最後は勢いよく「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と有権者に頭を下げて謝罪した。
橋下顧問は他人事のように叫んでいるが、自らが作り出したモンスター議員が誕生した経緯を永田町にあるのかどうかも怪しい雰囲気のせいにするのは無責任極まりない。永田町の感覚とやらが何なのかも不明だが、このモンスター議員を生み出した発端は維新の党にある。本来は議員になるべき資質を有しない人物に公認を出し、更に比例復活するポジションに名前を載せていたのは永田町ではなく維新の党だ。まるで被害者のように橋下顧問は叫んでいるが、被害者なのはこんなモンスター議員に税金を使われる納税者であって維新の党は加害者であり共犯者だ。
よくヤクザの世界では破門状というやつが出回るという。要は、その破門状に記載されている人物は今後はその破門状を発行・周知に努めた組織とは関係が無いという旨を明確にするための関係各位への連絡だ。やっかい者を放り出した組織としては、その破門状に記載されている日時以降に該当人物がなにかの連絡をしてきたり商談をしてきたり、はたまた不祥事を起こしても組織は一切関知もしないし責任も取りませんよと言いたいわけだ。はっきり言って無責任爆弾というやつだ。散々その破門した人物を養いつつも利用しておいて手に負えなくなったら社会に放出。そいつが暴れようが何しようが知ったこっちゃないと言っているわけだ。そういう反社会的勢力の組織にモラルを求めることがナンセンスではあるが、結局のところ、手に負えなくなったものを放置しているに過ぎない組織としては非常に無責任かつ情けない対応だ。これと同じことを維新の党はやっている。散々、国会議員の信用を落とし、今もって税金を使っている議員不適格者を議員辞職させるでもなく、単に党から放り出しただけ。その上で橋下顧問の弁舌を見るとまるで被害者面をしている。橋下顧問ならびに維新の党はこれでけじめがついたと考えているのならばそれこそ有権者への裏切りだ。
比例復活当選議員がたとえ離党しようとも、議席は在籍していた党への比例票であることは変わりようがない。比例復活までの道筋を整えた政党は比例復活議員が離党した後にもその議員が議席を有する限りは責任が生じる。アイドルグループのメンバー卒業と称する脱退だとか、アルバイトの離職とは次元が違う。比例議員の場合はその議席のルーツが有権者の投票なのであり、しかもその票には指名先である党が存在している。辞めればいいといった話では筋が通らない。維新の党はちゃんと責任と取るべきだ。その責任とは、上西小百合衆院議員の議席は維新の党に帰属すると主張する訴訟もあるだろうし、単に同議員の議員辞職決議案に動くという手もあるだろう。現状、上西議員が議員辞職していない以上、同議員は原資が税金である議員給与も歳費も受け取る。これでは最大の被害者である納税者のダメージはまったく軽減していない。維新の党の除名処分では国民の負担は何も減っていないということだ。維新の党が被害者ぶってただひたすらに上西小百合衆院議員を批判しているだけでは、維新の党は有権者を馬鹿にしてテキトーにいい加減な候補者を集めて出来上がった無責任政党であると自己紹介しているようなものだ。
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