ニューヨーク・メトロポリタン美術館が所蔵するイラク・ニムルド遺跡の門を守る石像。当ブログの管理人ミジンコは遺跡など国有資産が海外に輸送されることに余り良い印象を持っていないが、今回ばかりは残念ながらその遺跡の海外での展示が悲劇の中での僅かな救いとなっている。
古代アッシリア帝国のニムルド遺跡がISILによって破壊された。紀元前13世紀より栄えたアッシリア文明の遺跡はイラクの宝だ。そんな国の宝がISILの蛮行によって木っ端微塵にされてしまった。タリバンがやっている遺跡破壊と同じく「偶像崇拝を禁ずる」という理由でのISILによる遺跡破壊なのだが、ニムルド遺跡は偶像ですらなく古代文明の貴重な遺跡だ。アッシリア帝国では建造物の門番として設置されていたとされる人頭有翼獣ラマッスの像たちはもう現地ではことごとく破壊されてしまったようだ。このメトロポリタン美術館にあるラマッサスの像2体が世界で唯一健在ということになってしまったかもしれない。
ISILは、ドリルやブルドーザーで石像や石のレリーフをことごとく粉砕し、遺跡周辺の集落ごと大量の爆薬で爆破したのだ。
もうこの建物も粉々にされた。
この壁面のレリーフも吹き飛ばされてしまった。ISILとはなんと愚かで野蛮な集団なのだろう。ISILは自分たちが絶滅する前になるべく多くの殺人と破壊を望んでいるようだ。暴れる集団自殺とでもいうべきか、既にISILが行き着く先は破滅しかないことはISILに参加しているクズ人間たちにも分かっていることなのだろう。そこでクズ中のクズを集めた集団らしく、自分たちだけでは死のうとせずになるべく多くの人々を巻き込み、なるべく多くの財産を台無しにしようと必死になっている。
今でもよく覚えているが今年の1月~2月にかけてテレビ朝日の報道ステーションでは終始一貫してISIL側にも言い分があるかのような報道姿勢だった。その内、このイスラム国への包囲網として世界が一致団結しなければならない大事なときにコメンテイターの一人・古賀氏「I AM NOT ABE」などと言い出し、テロ対策に苦心していた政府を批判してテロ組織にエールを贈るかのような暴言を公共の電波に乗せて流し続けていた。どう考えても悪いのはISILであり、日本は被害者であるというのに世界でも類を見ないほど異常なISIL擁護と日本政府批判だった。報道の自由を履き違えてテロ組織に与するような番組構成には今でも憤っている。おかしいのはISILだ。それでもひたすら日本批判なんて常軌を逸している。
報道ステーションならびにテレビ朝日は遺跡破壊についてもISIL側にも言い分があると考えているのだろうか?遺跡破壊にも殺人にも言い分なんて認められない。どんな言い分があろうとも許されないことは許されない。
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