日本人が英語でジョークを言うのは難しい。言葉の問題だけではなく、笑いのセンス、ツボが大きく異なるので日本でウケる冗談がアメリカでウケるとは限らない。その逆もまた然り。
安倍総理ご自身が考えられたのかスピーチライターが考えたのかは不明だが、ホワイトハウスの公式夕食会での安倍総理のジョークは歴代総理の中でも最も笑いを誘ったものだろう。英語を話しているはずが何を言っているのか分からないルーピーこと鳩山由紀夫元総理や悪夢のラブミーテンダー熱唱の小泉純一郎元総理など、先ずは「ちゃんとしてくれ!」と思ってしまう総理経験者たちのアメリカでの醜態っぷりに慣れていると、安倍総理のスピーチのアメリカでの大ウケは本来の日米関係を考えれば至極当然なのではあるが新鮮だ。国連でマイクの調子が悪かったときに「これは日本製じゃないな」と述べて会場の笑いを誘った麻生元総理以来、日本の首相が海外でそのユーモアのセンスが評価されているところが随分と久し振りだ。日本人としては日本の首相はこうでなくてはと思わずにはいられない。オドオド挙動不審で冗談のひとつどころか英語すら通じない民主党時代の総理たちは話にもならないが、自民党の歴代総理大臣もそのほとんどが褒められたものじゃなかった。竹下派だとか金丸派だとか、今思えば派閥の論理だけで総理に至る元総理大臣の数々のほとんどが訪米したときのカッコウの悪さったらなかった。スピーチ中のジョークは大人の嗜みというものだ。
日米首脳会談 安倍首相のジョークにホワイトハウスは大爆笑 その内容は…(Yahoo!ニュース 産経新聞)
一部抜粋:
スピーチに立った首相は、米上下両院合同会議での演説に向け、連日練習に取り組んでいる話題を持ち出し、「一昨日、昨日と練習を部屋でしているが、妻は私の演説を『聞き飽きた』と言って、昨日は別々に寝ることになった」と笑いを誘った。
さらに首相は、野心的な米副大統領が権謀術数を駆使して大統領を辞任に追い込み、自らが後任に納まるという米国の人気政治ドラマ「ハウス・オブ・カー ド」に夢中になっていると告白。「私はこのドラマを(麻生太郎)副総理には見せないようにしようと思っている」と漏らすと、会場の笑いは最高潮に達した。
アメリカでは有名な政治ドラマである「ハウス・オブ・カード」を話題にしたことが優れている。大抵の人に通じる話題を選択しつつ、こういうジョークに使えるほど麻生副総理との関係が良好であることを示していることのセンスが良い。「私たちは仲が良いんですよ~」と馬鹿ストレートに言ったところで信憑性に欠けるが、こういう冗談で引き合いに出せるほどの関係性であることを示せば今の内閣が強固であることを示せる。
なぜ今回の記事を書こうかと思ったのか、その理由は取り扱うのも馬鹿馬鹿しい相手ではあるのだがあの日刊ゲンダイがこんなタイトルの記事を公開しているからだ。
安倍首相の“赤っ恥”訪米…演説には注文、国賓級も形だけ (日刊ゲンダイ)
まぁ、ゲンダイらしいと言うべきか、負け惜しみ全開とでも言うべき僻み嫉み記事だ。事実として安倍総理はアメリカで歓待されているのだ。オバマ大統領は安倍総理とのスピーチで日本語を多用し、訪米直後の安倍総理夫妻をリンカーン記念館へ案内するという異例の歓迎ぶりだ。アメリカ大統領が来賓を外でもてなすという姿を初めて見たような気がする。最大21発とされる祝砲は安倍総理訪米の為には19発が撃たれた。これは相当に多い。つまり、この数は安倍総理を国賓として歓迎している意だ。ちなみにローマ法王の誕生日には21発の祝砲が上げられたことがある。キリスト教徒が圧倒的多数であるアメリカらしいとは思う。
日刊ゲンダイがなんと言おうとも安倍総理がアメリカで大歓迎を受けていることは事実だ。しかも数々のスピーチも全て評価が高い。日本が今後失敗して欲しいと願っている輩には安倍総理の訪米成功は認めたくないことなのであろうが事実は事実だ。安倍総理が国賓扱いであることも演説で拍手喝采、ジョークも大ウケだったこと全てが事実だ。
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