ミジンコラム | 画像をちょっとだけ斬る! | ニュースをちょっとだけ斬る! | ハケンジャーたちよ、聞け! |
つい先日、当ブログへ不審な書き込みがあった。匿名で「オスプレイを購入するくらいならば同額で大型輸送ヘリ・チヌークが3機買えるので高額なオスプレイ購入は国益を損なう」という内容だった。また「ピストン輸送には機体の航続距離は関係がない」とも述べていた。こちらの記事へのコメントだ。
当ブログでだいぶ前の記事にコメントが付くとき、その投稿は十中八九、当ブログの記事の内容をコメントでなんとか揉み消したいといった意図がミエミエな投稿だ。勿論、反論は一向に構わないのだが、そういった投稿のほとんどが嘘、事実無根のことを織り交ぜてさも本当のことのように書き連ねるのだからタチが悪い。上で挙げたケースの場合は、その日に米軍富士基地にてオスプレイの一般公開があったという事情が大きく関わっていると見ている。オスプレイ一般公開で一般市民たちが米軍基地に集い、オスプレイを触り、コックピット内部まで見学できていた。そりゃ航空機や軍事的な機器に興味がある人々にとっては堪らない楽しいひとときだったことだろう。そして基地の外側、つまりフェンスの向こうから「監視」と称してそのオスプレイ見学会をイスとテーブルまで用意して見つめる市民(どこの?)数名。不気味な光景だった。
いちいちブログでは報告しなかったが当ブログの管理人ミジンコは立場上、過去にはオスプレイに触れるどころか試乗もしているのでその見学会の場にいたものの、オスプレイの方には行かなかった。ミジンコのように機体とか機械については熱狂するほど熱くなれないタイプの人間よりも、いわばファンたち優先の方が良いと考えるのが人情であるし、結構、ご高齢の参加者の方々が興味津々で機体に触れているところを見かけたので、そういう方々への最新鋭機への理解が深まったほうが有事の際にも避けられないであろう次の天災の際にも率先してその有用性を周囲の人々に語ってくださると考えた。実際、東日本大震災の際にも米海兵隊のヘリが到着した時にローターから巻き起こる突風と土煙にまったくひるまずに荷物を受け取りに向かうご老体たちの姿はなんとも頼もしかった。機体、特に軍事関係のものともなれば、それなりに威圧感はあるものだ。重装甲でハイパワー、そりゃ民間機とは迫力が違う。だからこそ頼りになるときもある。要はオスプレイをどう見るのかは理解と見識によるところが大きい。オスプレイの事故率が普段マスコミが利用している民間ヘリコプターよりも低いことを見ようともせずに「危険!」と叫び、周囲にもそう思わせようとする人々は一生理解をしないのかもしれない。勿論のこと一般公開されたオスプレイは爆発もしなければ誰も怪我もしていない。そういう何も起きない光景を一番苦々しく感じていたのはどういう人種だろうか?言わずもがなだろう。
そういうオスプレイ一般公開があった日の夜中に冒頭で触れた書き込みがあったのだ。もうなんとかして日本の自衛隊によるオスプレイ購入を阻止したいといった思惑が透けて見えて呆れるばかりだ。自衛隊がオスプレイを保有すれば自衛隊の防衛力は格段にアップする。米海兵隊のような動きを自衛隊も取れるということだ。これは沿岸部の多い日本には大きい。要は離島も含めた沿岸部に敵軍が侵攻してきたときに適材適所、つまり侵攻軍が困る場所に一気に大量の工兵や偵察部隊、そして海兵隊のようにミサイル誘導レーザー装置を有した中隊規模の部隊が侵攻軍が進もうと思っていた場所に短時間で現れるのだ。オスプレイほどのスピードと積載能力を兼ね備えた輸送ヘリは存在せず、現状、それができるのはオスプレイを開発配備している米軍のみ。イスラエル軍と自衛隊が将来的に可能だ。そういう未来がどうしても許せないという人々がこの日本にはいて、基地の外で監視と称して威圧し、沖縄では飛行中のオスプレイを凧やバルーンで妨害、いや墜落させようとしている。
では今回取り上げた記事の一部を再度ご覧いただきたい。特に匿名でオスプレイを買うくらいならばチヌーク3機で事足りると述べた投稿者が見るべきだ。「英軍のヘリコプター「チヌーク」3機について、入国を断ったと明らかにした。ヘリが大き過ぎ、着陸の際に下降気流で建物に損傷を与える恐れがあるため」とある。現地で屋根を飛ばしたなどと批判もされているオスプレイは活動中だ。屋根を吹き飛ばしたのでオスプレイが活動中止になったというのどこから出たのか謎な噂でしかなく、はっきり言ってしまえば後で誤報と称してオスプレイ・ディスカウントを画策した輩のいつものセコいやり口だと見ている。そもそも日本のマスコミも悲劇的に英語力が劣る記者が占めているので、ちょっと英語で関係機関に問い合わせれば判明することすらも調べようともせずに噂程度のことを事実のように垂れ流す。米軍はオスプレイによる救援活動を止めてはいない。屋根が飛んだのは事実かもしれないがそれはどの大型ヘリでも起こり得ることだ。現にソース元の記事にあるように大型ヘリのチヌークの活動は断られた。50年前の機体であるチヌークは大ベストセラー機体ではあるものの、所詮は50年前の設計思想の機体なのだ。山岳地帯の救援活動では被災地への追い討ちの事故が起きないとも限らない。勿論、オスプレイの活動にもリスクはあるが、こう言ってはなんだが「どうせ屋根が飛ぶのならば」、オスプレイの方が頼りになるということだ。それにストレートに言ってしまえば、場所はネパールの山岳地帯なのだ。あそこらへんに建っている家屋の屋根が飛んだと言われてもそれがヘリによるものなのか震災によるものなのか老朽化によるものなのか判断がつかない。ネパールの人々には悪いがそういう建築物がある場所だ。
で、チヌーク3機でオスプレイ1機の仕事ができると言い放った投稿者はこの事実をどう捉えるのか?あの書き込みからは、オスプレイが高いという風にも感じ取られたが予備のエンジン40基、その後のメンテナンス、またメンテナンス要員の育成、そしてなによりパイロットの養成プログラムまで付いての1機約200億円弱を高いと称しているのならば現実を知らなさ過ぎる。オスプレイのパイロット養成費は非公開だ。それでも参考になる資料はある。だいぶ前の機体ではあるが攻撃ヘリでは現状アパッチ攻撃ヘリが最新鋭だ。そのアパッチのパイロットを1名養成するのにかかる予算は大体10億円だ。自衛隊は先ずはオスプレイを17機購入する予定だ。機体と予備のパーツ(エンジン1機いくらすると思っているんだ!)、メンテナンスとパイロット養成までついて1機200億円弱はアメリカ軍が自分のところで買うのと変わらないコストなのはちょっと調べれば分かるはずなのだが、「高い!」と叫ぶ人々は分厚い資料、しかも英文の資料を読んだこともなければ読もうともしない。日本に売るオスプレイは価格でいえばバーゲンセールのようなものでアメリカは日本へのオスプレイ販売で儲けようとはしていない。当たり前だ。アメリカの防衛構想に日本も乗ってもらうためにはオスプレイは必須であるからだ。勿論、アメリカが儲けようとしていないわけではなく、イージス艦やPAC3など売りたいものは山ほどある。本来は売るはずだったF-22ラプターは自衛隊からの機密情報漏洩が発覚して売りたくも売れなくなってしまったのだ。日本は買いたかった。アメリカは売りたかった。それでも機密情報保護法案すらも無かった時代に起きた情報漏洩という事実で日本はイージス艦を持っていたのにそれに連動するべきF-22はお預けとなってしまった悲劇だ。侵略思想を根強く持つ日本の近隣国の中国やロシアはF-22を買えなくなった日本を見て笑いが止まらなかったことだろう。そしてそんな中国やロシアは日本がオスプレイを持ったら更に日本の沿岸部を上陸することは困難になる。
オスプレイ反対を叫び続ける人々は何かしらの出来事があってオスプレイが注目されるたびに一斉にネガキャンを展開するようだ。当ブログについても幾度となくオスプレイについて触れているので毎回標的にされている。なんとも面倒くさい連中がいるのだ。そんなネガキャンがいくらされようともオスプレイの性能が下がるわけでもなく、ましてやネパールでは断られたチヌークの性能が上がったり可変機体になるわけでもない。現実は現実だ。オスプレイは日本の国防にも大きく寄与し、そしていつかは来るであろう次の天災のときに被災地にて命を救うことだろう。