日本に帰国して先ず呆れたニュースは相変わらず日本のマスコミはオスプレイが危険だという風潮があるかのように見せかけていること。横田基地へのオスプレイ部隊配備について地元の市長や明らかに偏ったコメンテイターの懸念の声を伝えていた。これはおかしい。そもそも話の大前提がオスプレイが住宅街に墜落するかのような論調なのだ。試験飛行から二十数年、オスプレイはアメリカ合衆国の住宅の上に墜落したことなど無いというのに、なぜか日本の住宅街に落ちること前提で議論がされていたのだ。心配性というよりもほとんど病気だ。普段はスクープ映像を求めてやたらとヘリを飛ばすマスコミ各社は自社が飛ばすヘリの墜落をまったく心配していないというのに、最新鋭の垂直離着陸機の墜落を心配しているのだ。自分たちが飛ばしているヘリの方がよほど墜落事故件数が多いというのに馬鹿丸出しだ。
ここからはいわゆる活動家の皆さんには皮肉な結果であろう事実を述べたい。要は日本にとっては有難い変化についてだ。横田基地にはCV-22というオスプレイが配備される。沖縄に配備されているMV-22 オスプレイとはまた別のオスプレイが10機配備される予定。これは空軍所属のオスプレイで海兵隊が乗り込むオスプレイ(MV-22)とほとんど同じ機体ではあるのだがより隠密行動に適した機体設計となっている。要は夜間にこっそりと特殊部隊を地上に降ろしてしまえるような目立たない工夫が施されている。それに伴い約400名の特殊部隊員たちも横田基地に配属される。単純計算でいえばオスプレイ1機に40名ほどの特殊部隊員たちが乗り込んで有事や災害発生時にその役目を果たすということ。つまりは都心から離れただいぶ西側とはいえ東京都内にオスプレイ部隊が誕生するということ。横田基地は国会議事堂や皇居まで大体35kmくらいだろうか、オスプレイならばヘリモードでも隊員たちの搭乗を含めて十数分はかからないで到着することだろう。沖縄への配備ではなく東京にオスプレイ部隊が配備され、しかも沖縄のような海兵隊が乗り込むオスプレイ部隊ではなく、こう言ってはなんだがもっと戦力的にも特殊環境下の適応にも優れた精鋭部隊が都内に配備されるのだ。おや?どこかで歯ぎしりが聞こえてきたような?日本の警察と自衛隊を突破できれば国会包囲さらに占拠まで可能と考えていたテロ組織や未来の敵国は集団的自衛権を行使する米空軍特殊部隊400名を首都圏攻撃から僅か十数分で相手にしなければならなくなったのだ。なんとも日本人としては痛快な歯ぎしりの音だ。
空軍の特殊部隊は航空機事故などの救助活動にもあたることがある救助部隊としても精鋭チームだ。関東地方も次の地震の懸念はあるがそれよりも今懸念されていることは箱根の山々の火山活動、そしていつかは避けられないであろう東海大地震だ。その際に沖縄よりも被災地に近い東京の横田基地からオスプレイが飛び立てることは明らかにメリットがある。沖縄からでも東海地方にオスプレイは届くのではあるが横田からの方が遥かに近い。しかも乗っているのが災害救助のエキスパート部隊なのだ。これは大きい。
勿論、災害救助だけではなく、主たる任務である戦闘部隊としての空軍特殊部隊は味方としては頼もしく、敵は震え上がる存在だ。気象観測や偵察行動なども行う部隊ではあるが特殊部隊という名はやはり戦闘部隊としての特殊性があるが故にそう呼ばれている。要は通常の部隊、もっと具体的にいえばある程度の戦闘訓練と実戦経験である部隊と、過酷な選抜試験があり訓練中にさえ死亡事故が起き、常人では到底突破できない隊員資格を獲得した特殊部隊員たちとは次元が異なる。映画などでは悪の軍団やヒーローたちのかませ犬のような扱いが多い米特殊部隊員たちではあるが本物はまた違う。米海軍特殊部隊(SEALs)や陸軍のデルタ部隊などが日本では有名だが、空軍特殊部隊の選抜試験はそれらの特殊部隊と同等かそれ以上ともいわれている過酷なものだ。空軍ということで先遣部隊となることも多く、イラク戦争でバグダッド空港を制圧したのは米空軍の特殊部隊。もしかしたらその作戦に参加した隊員と同じ隊員が今度は横田基地配属になるかもしれない。墜落した友軍機の救出にあたることも多い部隊だ。そういう救出チームとしての専門性としては自衛隊と類似する部分がある。旅客機墜落事故で自衛隊隊員が空からの救助活動をしている様子をご覧になったことがあるだろうが、米空軍特殊部隊も空から舞い降りて要救助者を引き上げて救助することにかけてエキスパートだ。
そういう精鋭中の精鋭が公に都内に配備されたということ。これを愉快に思わない傾向の人や組織ってどういう連中かと想像すると・・・テロ組織や有事の際に東京を混乱させる為に活動するいわゆるスリーパーと呼ばれる工作員たちだろう。悲しいかな日本の場合は警察ではSATやSITという部隊はいるものの、テロリストたちが決死隊としてガチな重装備で都内で暴れまわったら対処できるとは言い難い。その次は自衛隊ということになるわけだが日本の場合は自衛隊員たちが手榴弾を使うにも内閣官房の許可が要る。そこで米軍の登場と簡単にはいかない。現実的には前述のとおり十数分で戦闘地域に到着したところで米軍がすぐに日本の国土で作戦展開とはなかなか決断できないことだろう。ただし、最後の砦があるか無いか、つまり過去と今後とではテロ組織や日本との軍事衝突を想定している国への抑止力が異なるということだ。日本の警察を翻弄し、自衛隊が上手く立ち回れないとしても、結局のところテロリストであろうがスリーパーたちであろうが、そういった騒乱を起こそうとしている連中が都内のどこでテロを起こそうが短時間でオスプレイに乗った世界最強の特殊部隊400名が到着するということだ。テロを起こされることは完全には防げないのが世界の現状だが、テロ後の都市の騒乱を含めたいわば内部崩壊が可能であるか否かによって標的になる都市がソフト(簡単)なのかハード(困難)なのかテロ組織や侵攻国は秤にかけるのだ。やったところで米特殊部隊が最後には出てくる場所をわざわざ攻める組織や国はそうはいない。米軍と直接やりあった後のことまでどんな狂った組織でも考えるものだ。あのISILのバグダディでさえ、弱い相手としかやりたがっていない。沖縄の負担軽減と叫んでいる政治家たち、市民と称する活動家たち、そういった人々はとかく日本の国防についてはまるで日本への侵攻を容易くするように働きかけている。そんな沖縄の負担軽減という叫び声が首都東京に海兵隊よりもさらに手強い米空軍特殊部隊を招いたのだ。沖縄の負担とやらの軽減ということはさておいても、日本各地への米軍分散はテロ対策としては非常に有効だ。テロリストにさえ発砲すらできないと思われている日本の警察や自衛隊ではなくて米軍にはどんな相手でも躊躇する。ちょうど本日も武力では平和が~と叫んでいるデモ隊を見かけたが武力があるからこそ維持できる平和が現実にはあるのだ。なにしろ武力で世界を混乱に陥れ他者の財産や命までも奪おうとする連中は武力を行使することを厭わないのだから。
東京の空を見上げてCV-22 オスプレイが飛んでいる姿を頼もしく思えるか、それとも危険な敵のように思えるか、それはその人の今までの生き方次第だろう。包丁にしろ、猟銃にしろ、バールのようなものにしろ、本来はすべて生活の道具なのだ。それでもそれを武器だと決めつける人々もいる。それを持った人を自分の敵だと捉える異常な警戒心を発揮する人もいる。台所に包丁があっても、猟師さんが山で猟銃を持っていても、工事現場でバールがあってもなにも不思議ではない。軍の基地からオスプレイが飛び立とうともそれがいきなり自分の敵に感じるような人々こそが実はこの日本の敵になっていやしないだろうか?平和を叫ぶ人ほど凶暴性を発揮していることがこの日本では珍しくもなくなった。CV-22 オスプレイを見ておそらく子供たちなんかは大はしゃぎするかもしれない。当ブログの管理人ミジンコは横田基地に帰る米軍機を見てカッコイイと思っていたクチだ。
平和がなによりではあるが相手が平和を願っているとは限らない。そんな平和をぶち壊そうとする勢力への最大の抑止力はその勢力を凌駕する武力だ。オスプレイを反対する活動家たちは絶対に認めないだろうがオスプレイが配備されているという状況だけでも防げている侵攻があるのだ。
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