昨日、横粂勝仁(よこくめ かつひと)氏がテレビ出演していた。番組をながら見だったので番組の趣旨をよく把握できなかったが、同じカテゴリーで括った人々を数十名ゲストとして呼び、出題テーマでYESな人がどの程度の割合かをルーレット形式で出演者たちが賭けるというものだった。番組名は「くりぃむしちゅーのヒューマンルーレット」だ。
東大卒という括りのゲストたちが色々と語っていたのだが、「生まれ変わっても東大に入りたい!」というテーマでYESと答えた人の中に横粂氏がいた。
横粂氏は「政治の世界ですとぶっちゃけ票になります」と答えていた。
スタジオは「ああ~~~」という低い頷きの声。若干ひき気味。
司会のくりぃむしちゅー上田氏「あ、もう東大というだけで?」となにやら飲み込んだ相づち。
そして続ける横粂氏「やっぱり知識がある。努力できる。真面目である。じゃあ入れよう(投票しよう)。」とのこと。
そして司会・上田氏「でもあれ、将来的に横粂さんが選挙に出られても僕は絶対に入れませんけどね。」との返し。スタジオは大笑い。
テロップも赤い大きな文字で「僕は絶対に入れない!」と出ていた。
馬鹿だ、馬鹿だと思っていたが、横粂という人物はテレビ放送でこういう発言をする程度なのかと改めて呆れるとともに、もし次の選挙に出馬しようとも絶対にこの候補にだけは投票しないと固く心に誓った。
正直、自民党も素直に応援できるほど満点とは言えない上に民主党などの野党も到底支持できない状況ではあるが、無所属のこういう人物もタチが悪いと再確認した。そもそも横粂氏は元々は民主党の比例復活議員であるにも関わらず、議席を有したまま離党してなんと選挙区(地盤)まで横須賀から東京都武蔵野市・小金井市・調布市に移動し、その後の選挙では落選という立場なのだ。これほど信用ならない候補者もそうはいない。
で、東大が何だって?候補者が東大出身だから投票しようって有権者がいると横粂氏は考えているとわざわざテレビで述べていた。有権者を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたいものだ。現に民主党に所属していたときにも横須賀市で小泉進次郎議員に大差で敗れたものの比例復活したに過ぎず、選挙区を変えた後の選挙(昨年の選挙には出馬していない)でも自民党の候補者が当選し、次点の菅直人候補にすら勝っていない。もう一度言う。で、東大が何だって?
東大云々を売りにしてなんとかテレビ出演を果たしている程度の人々と他の東大卒の人々をゴチャ混ぜにして語ることは非常に失礼にあたるので控えたい。ここで言わないでも、わざわざテレビに出演していじられないことには収入に響くような人々がどういう東大卒なのかは皆さんもご存知のことだろう。ただこの後は今の日本の優秀な高校生の現況を少しばかり書いておきたい。親御さんの御参考になるかもしれない。
今、進学校(高校)、それも日本屈指の進学校では大学受験についての進路指導で海外の大学も選択肢にあることを生徒に伝えるのだ。特に理工系に進みたいと考えている生徒には高校1年くらいの段階で海外への道も指導する場合がある。勿論、東大、京大など日本国内の数々の大学も素晴らしい教育環境が整っているのではあるが、分野によっては海外の大学が最先端という場合がある。つまり、既に東大は先ず間違いなく合格するであろうと予想される生徒に英語の準備などを早めに進めて海外の大学への進学も視野に入れることを指導するのだ。勿論、英語が苦手だったり、そもそも海外に住むことを望まない生徒に無理強いをするようなものではないが、実際、海外の大学で勉強するという経験は学歴云々とは別に貴重な経験なのだ。
要は世界のほとんどは英語でまわっているということ。英語を難なく話すミジンコでさえ、本当は日本語だけで過ごせればどんなにラクかと思うときがあるが、現実として世界共通の言語といえば英語だ。何だかんだ言っても中国人でもロシア人でもリーダーという立場にある人々のほとんどが英語を話す。英語を避けて通っていくには余りにも困難が増えるからだろう。学術論文にしろ、研究発表会にしろ、英語ベースで世界はまわっているので結局のところ英語習得は遅かれ早かれなのだ。ちなみにその英語に関しても東大だから解決というわけにはいかない。その説得力のある理由は、あの鳩山由紀夫(嘘のような本当の話→)元総理大臣や舛添要一都知事の英語だ。学歴では言語能力は解決しないのである。
前述のとおり、大学での交換留学ではなく、高校の時点で直接海外を視野に入れて本当に高校から直接海外の大学に進む学生が増えている。留学生が減少しているという調査があるが、それは留学生の総数を測っているからこそであり、進学校からアメリカなどの難関大学に直接進学する学生は減るどころか増えているはずだ。そういう学生たちが東大を見下しているわけではないだろうが、東大が最高峰といった意見には苦笑するやもしれない。ましてや日本の有権者たちが東大卒に重きをおいて投票するなんて国会議員経験者の意見をどう捉えるだろうか?有権者たちの判断を軽視する元国会議員。まるで有権者が馬鹿と言っているみたいで非常に不愉快だった。現実は横粂氏は小選挙区では2連敗だ。東大卒のどこが威力を発揮したというのか?
先日、横粂氏の推薦しているという議員が武蔵野市の市議会議員選に出馬し、吉祥寺界隈で演説をしているところを幾度となく見かけた。彼は市議会に若い議員がいないことを指摘して20代30代の議員を議会に送り出しましょうという旨のことを毎回話していた。そのことのみの連呼なので通行人である自分でもいい加減覚えてしまったほどだ。若いから投票しようとなる有権者はそうはいないと感じながら聞いていた。掲げる政策が大事なのではないだろうか?当選後になにを実行するのか、その判断材料を掲げることが候補者には大切なことなのではないだろうか?東大卒だとか、年齢だとか、それだけではどんな政策なのかさっぱり分からない。判断できない相手に投票するほど能天気な有権者がまったくいないとは言い切れないからこそのかつての民主党政権の誕生や山本太郎議員の当選ではあるが、それでも無名の候補者が政策よりも学歴や年齢を前面に出しての選挙活動なんて上手くいくわけがないとは言える。「ボク東大なんですよ!投票してください!」では相手にするのも馬鹿馬鹿しい。
司会者とはいえ、くりぃむしちゅー上田氏は若干ムッとして「でもあれ、将来的に横粂さんが選挙に出られても僕は絶対に入れませんけどね。」だった。横粂氏は絶望的に相手の気持ちを汲み取れない人間だとは見ているが、この時もスタジオを盛り上げるための上田ジョークだと捉えていそうで怖い。あれはイヤミで言っていたのだ。要はそんなわけあるかボケ!と言いたいところをやんわりとたしなめただけだ。編集でカットされていないことも意味がある。ディレクターは何も横粂氏の意見に感心したわけでもない。それならばスタジオの引いた感じの「ああ~」の音をしぼるはずだ。東大卒にも馬鹿がいるということにフォーカスを当てていた番組なことは明らかだった。なにしろ東大卒ゲストたちは奇人変人大集合だった。精神科医の女性が「受診しているほう?」といじられるほど余りにも酷いという意味でインパクトがあり他のゲストが霞んだだけで、番組の狙いとしては東大卒を称賛するという趣旨ではなくて東大卒にもこんなおかしな連中がいるという構成だったことは明白だ。その程度の番組に出演して東大卒だから選挙に有利という自論展開をする小選挙区2度落選の人物。まだ選挙に出る気があるんだろうか?次の選挙に出る際には是非ともこの東大卒有利論について詳しく聞かせてもらいたいものだ。
[27回]
PR