3年5組 ミジンコ
明日から毎週金曜日、3週連続でテレ東の午後のロードショーでマッドマックスの1から3作目までを放送するというのでマッドマックスとの思い出を書きます。最初にマッドマックスを観たのが小学生のとき、フジテレビの土曜洋画劇場だったので小学生の作文のように書きたかったのですが、ひらがな沢山だと皆さんが読み難い上に自分でも書き辛いので普段どおりの文体で書きます。でも小学生のときのミジンコが書いたと考えてくだされ。
ミジンコが小・中学生の頃、土曜洋画劇場では毎年「マッドマックス2」が放送されていました。今だと放送できないようなシーンが満載の映画です。撮影中にスタントマンが2名亡くなったという壮絶なカーチェイスはそりゃもうお茶の間で流して良いのか?という大迫力でした。当時は「バーニング」なんていう大バサミを持った怪人が大学生たちをチョキチョキぶち〇してしまうような酷いホラー映画も同じ時間に流していた、そんな大らかな時代でした。大らかなのか!?
たまに勘違いしている若者がいますが、あの「北斗の拳」がもろに影響を受けたのが「マッドマックス2」の世界観です。核戦争後の世界でモヒカンでマッチョなヤロウどもがヒャッハーと叫びながら善良な人々に襲いかかるという設定は「マッドマックス2」が作り上げました。なので、たまに「マッドマックス2」や「3(サンダードーム)」を今更観て「北斗の拳」に似ているとか、あろうことかパクリ扱いをしているジャパニーズを見るとなんだかなぁと思います。
「マッドマックス2」のラスボスであるヒューマン・ガス様の極悪非道ぶりは小学生のミジンコには衝撃でした。完全な悪、まったく人間性を見せないまま最後まで酷いヤツでした。しかし当時まだ小学生だった自分にとっては筋肉隆々のヒューマン・ガス様は超恐ろしい存在だったので、バカ、アホ、オタンコナス、フンコロガシ、アニサキスのウンコ、この腐れ外道のどぶ川の上澄みほどの価値もない真性クズヤロウが!くらいしか言えませんでした。
「2」ではマックスの愛犬が悲しい最期を迎えるところも衝撃でした。あんな獰猛なワンちゃんもボーガンの矢には敵いません。そもそもマックス、てめぇは気絶している場合じゃねーだろうが、この役立たずのごく潰しめ!とやんわりと怒ったことを覚えています。実はミジンコ、数年前に「2」がブルーレイ化されるや否や購入したのですが、1度再生してその余りの残酷描写に「こんなの子供の頃に平気で観ていたのか?」と自分の子供時代に驚愕しました。そしてそのままブルーレイをどっかに捨ててしまったようです。暴力、レイプ、死、死、死、と、とても家に置いておける作品とは思えず、それがブルーレイ画質になったことに年取った自分は耐えられなくなったようです。その割にはおまえ民間軍事会社やっているじゃねーかと一人ノリツッコミ♪ ぶっちゃけウチの警備員たちの方がおっかねぇっす、テヘ♪
そんな残酷な「マッドマックス2」ですが傑作です。要は作品作りとしての芯があるのです。暴力、暴力、スピード、スピード、クラッシュ!とこれをこれでもかっていうくらいに映像化しようという心意気は凄いものがあります。中途半端じゃないのです。子供ながらにこういうぶっ飛んだ作品を作る人はすげぇ人なんだろうなと思いました。つまりジョージ・ミラー監督まじリスペクトっすという感情です。
ヒューマン・ガス様、獰猛なワンちゃんもインパクトがありましたが、一番の驚きは女戦士でした。ラストの長丁場のカーチェイスでトレーラーの上でモヒカンたちを撃退していたワイルドなお姉さんです。女性が男以上に戦うというシーンはとても珍しく、大型トレーラーの運転で忙しい主人公マックスよりもトレーラーの上のアマゾネスと後部のおっさん2名が活躍します。正直いってアマゾネスさんの最期が今でもトラウマです。後部に布陣していたおっさんの最期も強烈です。
まだまだ衝撃的な要素があります。皆さんついてきていますか?あと2つあります。ひとつはヒューマン・ガス様よりも目立っていた実質的な悪役主席の巨躯の赤モヒカンとその恋人(中性的な男性)の存在です。同性愛とかまだよく分かっていなかったミジンコ少年が初めて映画中で見た同性愛者です。さすがにニューヨーク市在住歴もあるので今は同性愛者に驚いたりとか、そもそも同性婚すら賛成なミジンコですが、子供の頃はマッチョなゴリラ男と女性みたいな青年が明らかにカップルであろう描写に衝撃を受けました。
そしてもう1つの衝撃は野生児です。全然人になつかないというのになぜかマックスを慕う少年は人の本質を見抜いていました。ぶっきら棒で誰にも心を開いていないマックスは本当は優しく深い心の傷を負っているが故に人と深く関わることを避けているということを野生児は見抜いています。ミジンコ少年はこのガキンチョ分かっているじゃないか!と感動したものです。しかも野生児は大事なところで大活躍してマックスを助けます。もし野生児がマックスの運転するトレーラーに乗り込んでこなかったらマックスは100%死亡していたことでしょう。そのくらい野生児の噛みつき攻撃は有効でした。ところで中盤で野生児が放ったブーメランで赤モヒカンの彼氏がお亡くなりになったわけですが、その怒りの矛先はなぜかマックスに向きます。赤モヒカン、見りゃ分かりますがかなりのアホです。
そんな衝撃テンコ盛りの「2」ですが、「2」というからには「1」があるはずだと気になったミジンコはテレビ東京のお昼の映画枠で「1」を初めて観ました。つまり前後してしまったわけですが「2」の後に「1」を観たわけです。核戦争前のお話でした。救いはそこだけです。なんでマックスがマッドになったのか良く分かるストーリーでした。そりゃマッドにもなります・・・・・。明日、それがテレ東で放送されます。冒頭のカーチェイスは余りのイカレポンチっぷりに映画史に残ると称する声が大きいです。ミジンコもそう思います。なにしろ逃げる方の逃亡犯よりも追いかける方のメタボな警察官の方が狂っているのです。しかもその後に登場する真打ちであるマックスが更に輪をかけてクレイジーなのです。おまえ、逃亡者にパッシングして大事故誘発してどーすんねん!ってことです。
「3」もかなりの暴走でした。ティナ・ターナーが女王役です。サンダードームのチャンピオンだったデコボココンビなんて今だと色んな方面から苦情が出てきそうですがジョージ・ミラー様は気にしません。
実はまだ最大の衝撃を述べていません。もう社会人となったミジンコがある映画と出会います。ブタが牧羊豚になることで有名なあの「ベイブ」です。ミジンコが好きな映画ランキングで不動の5位以内に長年輝いている名作です。当時、周囲に言いまくりました。オーストラリアから凄い映画が来たぞと。その頃はもうまったくオーストラリアの衝撃大魔王ジョージ・ミラー様のことはアタマから離れており油断しておりました。「ベイブ」もジョージ・ミラー様がお作りになったことを知り幽体離脱しました。マッドマックスとベイブを同じ人が作っているとはどうしても信じがたく同姓同名なのかと何度も調べました。残念ながら同じ人でした・・・・・。
人の中には天使と悪魔がいるとも言いますが、ジョージ・ミラー様の中にはイカレ暴力スピード狂とカワイイ子豚ちゃんが住んでいるようです。そのジョージ・ミラー様がまた監督をやると知り、ミジンコは恐怖と期待で死にかけました。おじいちゃん、もう映画撮ったでしょ!とかツッコミたくもなりましたがジョージ・ミラー監督は生涯現役なのでしょう。しかも「ベイブ」の続編ではなく「マッドマックス」を再び撮るとはたまげました。
今まで「マッドマックス」をリスペクトしたであろう作品をいくつか観ましたがどれも本家の迫力には到底及ばないものでした。今度の作品の副題は「Fury Road(狂気の道)」です。邦題では「怒りのデスロード」とかいうダサい訳になっていますが、本来は狂気というかイカレたカーチェイスってことです。それもムービートレーラーを観て納得です。相変わらずジョージ・ミラー監督が狂っていて嬉しいです。「2」の頃は当然としても今回もCGではなく本当にイカれた車たちを走らせてクラッシュ、爆発させているようです。本当にジョージ・ミラーはすげぇ監督だ!
[8回]
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