この前の日曜日は父の日。自宅近くの友人経営のカフェのカウンターにてそのオーナーと談笑。ミジンコが上京したてのモデルさんなどを東京での緊張感をほぐす意味と、そのカフェにスタイリストさんとかメイク担当さんとかの常連も多くて、仕事場で会うことなるかもしれない人たちが集まる場所を知っておくことも大切だろうという意味も兼ねて過去数年でも数十人は卵たちを連れてきている場所。テラスでインタビューなども行われる時があるカフェなのでそういう雰囲気に慣れておくことは必要だ。
そういう事情を知っているオーナーはそういう上京直後から数多くの卵たちから「東京のお父さん」と化しているミジンコを見て子沢山呼ばわり。面白いというか興味深いのは男性のモデルの方が上京直後は東京にビビっている傾向が強いこと。さすがに六本木や代官山が多少はハードルが高いのは頷けるのだが、京王線や小田急線沿線のほのぼのムード漂う町でも引っ越してきたばかりの時は相当に恐いらしい。確かにミジンコも最初の一人暮らしがマンハッタンだったので当初は街の迫力に呆然としていた。そして余り多くの日本人の知り合いはいなかったが女性の方が元気だった印象がある。自分なんて最初の3ヶ月は5歳児程度の行動力しかなく、TOEFL620くらいあったがマクドナルドでまともに注文できていなかった。確実に通じるチーズバーガーばかり頼んでいるヘタレだった。今も大して発音は上達していないが迷いなく食べたいものを注文している。英語力よりも図々しさが強化されただけなのかもしれない。
ともかく10代後半での上京はなかなか大変なのだろう。特にモデル業の場合は、スカウトやら家族や友人の他薦によるオーディション参加などもあり、半年前まで自分が上京することなんて考えてもいなかったという若者たちも結構いる。人によっては上京してからずっと咳が止まらない子もいる。これもなぜか男性モデルの卵に多いのだが東京の空気がとても悪いらしく、上京後しばらくは咳をし続けていて見ているこっちが気の毒になる。そんな空気で育った俺は大丈夫なのだろうか?とか思うが今更心配しても仕方がない。逆にそういう症状の出る四国地方や沖縄出身の若者たちの育った地の空気に興味がある。キプロスやキューバの海岸など、ビックリするくらい自然が美しい場所には幾度も訪れたことがあるが特に空気の違いを感じたこともなく、既に自分の肺はおいしい空気感知機能が壊れているのかもしれない。砂漠で降下し過ぎたのだろうか・・・・。
話は戻ってそういうモデルなどの卵たちのケアは所属事務所がやるにしても、広告制作者としての仕事の範囲を超えようとも色々とやってあげたくはなる。19歳の男が「新宿って危ないんですか?」とか訊いてくるのだ。どんだけピュアな質問なんだと・・・・。そりゃ「超危険!!!」とか教えたくもなる。小金井という東京の中では田舎で育った身とはいえ、小学生の頃から新宿くらいは行っていた。なにしろ電車で20分。自転車で行ったことがあるくらいだ。確かに新宿は安全ではない場所もあるにはあるが昼間はどこもそれほど危険な場所ではない。むしろシネコンが今ほど盛んではない30年前は、映画好きは新宿は行かないわけにはいかない街だった。男女問わず10代のモデルの卵たちの発言はとにかく新鮮ではあるが「大丈夫か?」と心配になることも多く。衣食住の基本のきの部分くらいはなんとかなるように教えている。地理を教え、馴染みの店を教え、何かあったら駆け込むべき場所や頼りになる大人を教える。ハシャギ過ぎている感のある若者には小姑のように周囲の信頼を失っていく最初だけ成功していた先輩の例を語る。面倒ではあるしウザいおっさんと思われるのもイヤではあるのだが仕方がない。
そんなこんなで東京の息子と娘がやたらと増えた感がある。帰省した際にミジンコのことを話したまだ青い男性モデルの御母堂からお手紙をいただいたことがある。世話したつもりもないが数年間ミジンコの存在を知らなかったことについての謝罪と感謝が主な内容で上京してお礼を・・・というのは超めんどっちいので断った、テヘ♪ ともかくそんな感じで息子・娘の量産体制だ。キパ子だけでも色々とパニくっているというのに!
そして話は戻ってカフェオーナーとの談笑。ミジンコのスマホに高知の息子だとか秋田の娘だとか全国各地の息子・娘から父の日にかけて実際には父親ではないがメッセージが届いている旨を語っていたのだ。オーナーもほとんどの息子・娘たちを把握しているので皆が東京で生活できるレベルで仕事がいただけていることを喜んでいた。そしてミジンコはコーヒー3杯飲んで店を出た。
店を出た後にカフェの新人バイトちゃん(女性 この子もモデルの卵)が、ミジンコとオーナーが言っていた「高知の息子」や「秋田の娘」ということについて、「あのお客さん、そんなに全国に子供がいるんですか?」とオーナーに・・・・・。オーナーいわく「軽蔑の眼差し」の見本にしたいくらいだったとのこと。
いや例えだからバイトちゃん・・・・。ネルソン・ピケ(←往年のF1ファンならば分かる)じゃないんだから・・・・。そんなに全国に子供を作れるほどミジンコはモテないから。いきなり初対面の若い女性にゲスヤロウ認定を受けた次第。ああ、今日もいい天気!
[13回]
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