中国と韓国のみが反対している。中国の横暴に苦しみ、常に侵略の危機に晒されているASEAN諸国にしてみれば、アジア唯一とも言える「中国に抗することができる国」である日本の集団的自衛権の行使は歓迎してもし足りないことだろう。むしろ日本の海上自衛隊や航空自衛隊の世界屈指の軍事力こそがASEAN諸国の希望だろう。もし日本が存在しなかったとしたらASEAN諸国はアメリカの太平洋艦隊が頼みの綱をなるのだが米海軍の第3・第7艦隊の僅か二つの艦隊は中国の監視だけに動くわけにもいかず、また年間運用費だけで兆円単位の米艦隊をこれ以上増やすことは現実的には不可能であり、またアメリカは莫大な軍事費に苦しみ、むしろ世界の警察を降りたがっている。
オーストラリアやニュージーランドは本来は良いことではあるのだが、周辺海域の安定が今まで海軍力の増強を阻んでおり、今になって中国海軍の脅威が視界に入ってきて慌てている状況だ。中国の原潜が好き放題に自国海域を横行しているというのに日本の調査捕鯨船へのシーシェパードの攻撃を支援していたオーストラリア政府が今になって日本の海上自衛隊に期待し、日本の潜水艦技術供与を切望している様子に苦笑いだ。ほとんど海軍力が無いオーストラリア、ニュージランド両国はインドネシアと協力して海域の防衛にあたる構想はあるものの、その軍事力は日本の海上自衛隊には遠く及ばない。日本がオセアニア地域の安定に長年貢献していたことは日本人すらも余り意識していないことではあるが、実際、中国の覇権主義からしてみればオセアニア地域どころかハワイまでもが中国のモノといった考え方なわけで日本、もっと具体的には海上・航空自衛隊は中国海軍にとっては苦々しくも超えられない壁なのだ。
平和はただ座しているだけでは手に入らない。その事をアジア太平洋諸国はよく分かっているのだ。中国と韓国だけは特殊な反応をしているがその理由は皆さんには釈迦に説法だろう。強盗団は警察が武装することを求めない。安全に暮らしたい平和的な住民は警察が武装していても文句など無く、むしろ警察官が強いことを歓迎する。強盗よりも強い警察官は大歓迎だろう。
[44回]
PR