わらびにカバンやTシャツなどミジンコが作ったものや事業の関係で関係各位から諸々のサンプル版やらノベルティーなどをあげたことはある。最近だと防災グッズのホイッスル。救助を求めるときに吹けばそのホイッスルを吹けば数キロ先まで音が届く可能性がある上に災害救助犬は人間よりも先にその音に気がつくかもしれないという救急用の笛。瓦礫の下に埋もれてしまったり、怪我や疲労で体力を失ってしまっているときになかなか大声は出せない。そもそも叫ぶと体力を消耗しています。なんとか笛を吹いて救助を呼ぶ方が生存率は上がる。そんなグッズなので非常に頑丈にできているのだがわらびはそれを持ち歩いてすぐに笛の半分を無くした。確かに上下に着脱式のホイッスルで中に氏名・血液型などを記載するメモ用紙を入れておく構造なのだが、ボルトを回す要領で十数回は回さないと外せない仕組み。どうやってストラップのように持ち歩いているだけで片側を損失したのか不明。使用者へは有料販売ではなく各機関を通じての無償提供とはいえ、数十万個は製造した上でそういった問題報告がなく、また数年前の試験段階でもそういう事例がなく、まさに「なぜ?Why?どんな力が加わったらそんな簡単に外れたの?」と謎は深まり、制作会社と協議。ふと「わらびが無意識に笛を食ったのでは?」とは思ったがそれを普通のジャパニーズ・ピーポーに言ったところで通じないということは百も承知。結局、製品を更に改良することに。余りに単純な構造の製品なので直すところが少なすぎて逆に困っている。
実はここまでは前フリ。
先日、ミジンコがおNEWのカバン兼リュックサックを背負ってわらびと会った。神代植物園のデケェ花を見に行って漫画にする為である。ミジンコにとっては子供の頃から慣れ親しんだ植物園。学校の行事や数年前まで祖母の車椅子を押してバラ園を散歩したりと隣の深大寺と同じくミジンコは人生で頻繁に赴いている場所。正直、たまげた。あんなに人がいる神代植物園を初めて見た。なにより神代植物園のスタッフの皆さんが興奮していることが微笑ましかった。そりゃ来場者が多いほうが気分が上がるというのは分かる。
先に述べたようにその日におろした新しいカバンを持つミジンコ。ちょっとオサレな仕様のカバンだ。ここからはドラクエの戦闘風味でその時の様子を実況したい。
わらびがこっちを見ている。
わらびがカバンを欲しがっている。
今わらびが持っているカバンもミジンコがあげたやつだ。アウトドアメーカーがミジンコ用に提供してくれた世界に1品しかないカバンのお古だ。つまりレアアイテムだ。
わらびはそのレアアイテムだけでは不満のようだ。
おっと、わらびがなにかを差し出した。
ビニール袋だ。先ほど深大寺の蕎麦屋でわらびが蕎麦を買ったときのビニール袋だ。
わらびはそれとミジンコの新品のカバンを交換しろと要求している。
わらびが喋った。「フェアトレード」だと言っている。
ミジンコは「てめぇ、ぶっ殺すぞ!」と丁寧に抗議している。
ミジンコはカバンの中のスマホやUSBメモリーや筆記用具をビニール袋で運べるものか検討し始めている。いけない。それはわらびの罠だ。その後、仕事場にビニール袋で戻ったら引ったくりに遭ったのかと皆に心配されてしまう。
どこの世界に師匠が使っている最中のバックと自分のゴミ、もといビニール袋を交換しろという弟子がいるのだろうか?いや実際にいるんだから恐ろしい。
[13回]
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