「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」という映画の広告・CMを何度か見かけた。TBSのドラマの映画化だ。まだ観ていない、そして恐らく観ることがないので映画自体の評価はできない。ご参考→
Yahoo!映画ユーザーレビューS -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE
原作漫画のほうは最新刊まで一応は読んだことがある。飛ばし読みしたことがあるわけではないのに「一応」と述べているのは正直いって内容がとてつもなくアタマに入ってこない漫画だからだ。全ての単行本の巻末に「この作品をすべての警察官に捧ぐ」とあるのだが、物語がまるで警察官たちや日本の警察機構が腐敗した愚かな集団のような描かれ方、つまりは犯罪者たちに手玉に取られる馬鹿集団という描かれ方をされており、そんな意図は作者にないのではあろうが日本の警察を頼りにしている身としては非常に不愉快な内容なのだ。後先考えない犯罪者たちのことごとくにいっぱい食わされるSATなどの警察官たち、主人公が所属する犯人を殺さずに検挙することを目的とする特別チームとやらはその信念を貫くのではあるが、いかんせん、テロなどで死傷者が多数出ている中、主人公とその仲間たちだけ汚れ仕事を避けているだけにしか見えないのでどうしても感情移入できないのだ。まるで犯人を射殺する警察官は悪で、凶悪な犯罪者たちをすぐには制止できなかったのに結果的に殺さなかった警察官は善のような構成はどうにも納得がいかない。どんな凶悪犯罪であろうとも覚悟を決めて犯人を狙った銃のトリガーを引くことは簡単なことではない。そりゃ誰だって人なんて殺したくはないが、警察官、ましてや強行突入などにも参加するSATなどの隊員たちについて撃つのが悪くて撃たないのが正義みたいな表現は受け入れ難い。そして前述のように、そんな漫画の巻末に「すべての警察官に捧ぐ」という記述はどうかと思う。
原作漫画にはこういった思いがあるのだが映画、そしてドラマの方も見たことがないので内容は分からない。内容は分からないのであるが宣伝を見ていてもう耐えられないほど酷い副題があるので取り上げたい。なにしろ当ブログとしてはマスメディアが率先して行っている「日本馬鹿化計画」は阻止しなければならない。カタコトの英語すらできないまま海外ロケを決行し、海外の人々に迷惑をかけ恐怖させる芸能人がいればそれを問題とし、その番組自体の倫理観を問う。出演者の一般常識がないことを「芸風」のように捉えてスタジオ大爆笑、お茶の間ドンびきといった状況も根絶していきたい。そして今回の「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」の副題部分「RECOVERY OF OUR FUTURE」が酷い英語だ。訳すと「我々の未来の再生」ということだ。RECOVERYは「再生」や「復元」という意味だ。そしてFUTUREは「未来」、未来をどうやって再生したり復元できたりするというのか?RECOVERYは過去から今に至るまでに存在した事象や物体にしか不可能だ。過去の過ちを償い、やり直すというのならばまだ可能だろうが何が起こるのか分かるわけがない未来をどうやってやり直すというのか?英語にすればなんとなくカッコ良く見えるような気がするのかもしれないが「RECOVERY OF OUR FUTURE」ではもはや妄言でしかなく意味不明だ。
かなり広い開発ルーム内で好きな音楽かけ放題の職場にいたことがある。外資系企業だ。かける音楽は開発者たちの好みに任されていた。但し、日本のポップミュージックなどいくつかの英語・日本語チャンポンの楽曲は禁止となっていた。具体的にいえば当時、小室ファミリーと呼ばれていた数々の歌手やグループの曲は「混乱する」という理由で禁止だった。職場の全員が英語ができた。そもそも英語圏出身のスタッフが沢山いた。日本の楽曲の多くは日本語の歌詞の中に唐突に意味不明な英語が挿入されているので耳に入って来ると「ん?」とか「え?なんで?」となってしまうのだ。今回の「RECOVERY OF OUR FUTURE」では「できるかそんなこと!」と思うか百歩譲って「タイムトラベルもの」と思ってしまう。よくネットでTシャツに記載された英語の意味を分からずに着ていることがネタにされているのを見かける。Tシャツならばデザイナーから製作工程、そしてお店のスタッフ、購入者とそれほど大勢の人が関わっているわけでもない上に敢えてそういうデザインにしている可能性すらあるのでまだ分かるが、この映画の副題の場合、それなりの予算が組まれ、何百人ものスタッフが関わって世に出ているもののはずだ。それでも誰もこの副題に苦言を呈さなかったのかと不思議だ。もし映画の内容がタイムトラベルもので「未来に飛んで未来の状況を変える話」なのならば真に申し訳ない。未来にタイムトラベルをして何かの変化を与えても現在は変わらないのではあるが・・・・。ともかく原作を大幅に改変したSFものなのだとしたら、この記事について関係各位に謝罪してまわる所存。
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