安倍政権は政権発足時から拉致問題解決は政権の最重要課題だと明言してきた。それが容易なことではないとはいえ、それでも政権がそう言うのならばと信じて期待してきたのだが北朝鮮ののらりくらりの不誠実極まる対応に日本政府は問題解決へのキッカケさえ掴めないでいる。安倍政権発足から間もない頃はまだ政府が積極的に問題解決に取り組んでいるようにも見えたのだが最近では日本政府の方さえ問題を先送りにしている感さえある。拉致被害者家族会の会合に総理が出席したりもしているが結局のところ拉致問題は何も進展していない。
第3次安倍改造内閣が発表された。新内閣を見てどうしても気にかかったことは、新設された一億総活躍担当大臣に官房副長官の加藤勝信議員が選任された際に、加藤議員は、拉致問題担当大臣と女性活躍担当大臣、少子化担当大臣も兼務すると発表されたことだ。
- 一億総活躍担当大臣
- 拉致問題担当大臣
- 女性活躍担当大臣
- 少子化担当大臣
これら4つの大臣職は一人が担当するということだ。
今までも拉致問題担当相は国家公安委員長が兼任していたので兼任自体には異論はない。拉致問題専属で大臣を設置することは難しいという事情は分かる。それでもこの4つの大臣職の中で拉致問題は余りにも蚊帳の外という感は否めない。いわば内政の問題である少子化や国民全員が活躍できるという社会(←正直、なにをするのか見えてこないが・・・)、女性を活躍させようとする政策などを推進する担当大臣が拉致問題まで手がまわるだろうか?
遅々として進まない拉致問題については、国民感情を鑑みて内閣として担当大臣を就けないわけにもいかないが実質やることがないので3つの内政担当大臣にもう1つ兼任させた感が酷い。これのどこが政権の最重要課題だというのか?
拉致問題担当相は兼任させるにしてもこのやり方はまったくもって同意できない。国民がテロ国家に拉致されて数十年間も帰国が叶わずにご家族はずっと待っているのだ。国が国民を救うことを後回しにしている現状は国が国民を裏切っているとも言える。国が国民の生命や財産を守るからこそ国民は国に従い義務を果たすのだ。国民が国内にいながらも他国の工作員に誘拐されたというのに救出部隊を送るどころか外交交渉すらも「たまにやる程度」では国が国民への義務を放棄しているも同然だ。
拉致問題担当大臣については今までと同様に国家公安委員長との兼任が・・・・・と思ったが今度の公安委員長はあの河野太郎議員とは驚愕だ。安倍政権は正気か!?自民党若手と称して延々と自民党執行部批判を繰り返しながらも自分が何をするわけでもない党内モンスタークレーマーと化していた河野太郎議員が入閣とは驚いた。当ブログとしては、河野議員に関してはまだ自民党にいたのか?といった印象だ。こう言ってはなんだが天国の町村さんもさぞや驚いたことだろう。自民党幹部への根拠なき誹謗中傷に対して町村さんは「いい加減にしておけよ」と河野太郎議員に小声で伝えていたことは忘れられない光景だった。ギャーギャー不満を言う前に先ずは自身の襟を正せということだ。岡崎トミ子元国家公安委員長という過去があるので気絶するほどには驚かないが、国家公安委員会の職員の方々には心底同情する。そういうわけで国家公安委員長と拉致問題担当相の兼任は今回の人選では無理にしても、拉致問題担当は外交的に力を発揮できるポストの大臣が兼任するべきだった。理想は安倍総理が兼任することだ。その兼任が北朝鮮への意思表明となる。
一億総活躍担当大臣なる新設ポストを用意したのならば、尚更のこと拉致被害者の帰国を実現するべきだ。拉致被害者の方々だって一億の中のおひとりおひとりだ。拉致されたままでは活躍するにも無理な話だ。拉致被害者の方の場合は無事に帰国してやっとそこから日本で活躍ということになるのだから前段として先ずは救出されなければならない。現段階では一億
総活躍の
総の中には拉致被害者の方々は含まれていない。それではおかしいだろう。
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