わざわざ日本人の英語力を低めることはどうかと思うので拡散したい件。
なぜか政治経済を取り扱うまとめサイトで知ったのだが英語を教えているYouTuberが英語では「ショック」という表現は使わないので海外(英語圏)では「ショック」と言って驚いたことを表現することは誤用だと述べている。そのYouTube動画が以下のもの。
結論から先に言うと「I'm shocked.」は英語の会話でよく聞く表現だ。このYouTuberがなぜにここまで極端に誤用として説明しているのかは定かではないが英語圏でさすがに「I'm shocked.」を使わないというのには無理がある。ごく一般的に用いられる表現だ。このYouTube動画だけならば大した影響力もないのだろうが内容が広く反響がある話題だからか複数のまとめサイトがこの件を取り上げて「そうだったのか!」と驚いている人多数。それでは良くないと考え、今回は当ブログで取り上げた次第。
このYouTuberも述べているように「I didn’t expect that!!」も「衝撃を受けた(驚いた)」という意味で正しいのだが言葉の表現は多種多様・人それぞれであり、「I'm shocked!」と言って驚いても通じる。その表現についてこのYouTuberが述べているように感電したと誤解する人は稀なことだろう。皆さんが誰かが「衝撃を受けた」と述べたときにその人が衝撃波や打撃など何らかの物理的インパクトを受けたとは捉えないことと同じようにショックと言ったところで電気ショック、即ち感電とはなかなか考えない。滅多に起きないことを先に考える人はそうはいないということだ。
実はこの動画のコメント欄の英語のやり取りでは既にアメリカ英語では「I'm shocked.」は日常的に使われている表現であることを指摘されている。その対応をこのYouTuberはしているのだがなんとも苦しい言い訳になっている。要は「I'm shocked.」と使う際はもっと深刻な事態のときであるといった説明だ。おや?動画では驚いたときの表現として「I'm shocked.」は誤用と述べているのに、そのレスでは英語でも「I'm shocked.」を使うことを認めてしまっているというお粗末さだ。動画再生数を稼ぐことに必死になるあまり、話題になりそうな、いわばネットユーザーたちがショックを受けるような題材を取り上げがちになるのだろうが事実と異なることを広めることは看過できない。驚いたときにショックという表現が和製英語とこのYouTuberは説明しているが和製英語どころかそもそも英語として存在する表現だ。
当ブログの管理人ミジンコは英会話スクールなどに否定的だ。勿論のこと例外はあることは分かってはいるが多くのスクールの教員が英語は話せるものの教養という面に於いては疑問が出てくる場合があるからだ。例えばネットで格安で教わる英会話だとか、極端な例では外国人も住んでいるシェアハウスに入って会話を重ねて英会話力を養おうとする方法など、英語を話す側(教える側)が体系的に語学を教えるスキルがない上にそもそも英語すらも不確かな場合すらあるのだから教わる側の仕上がり(←まぁ、厳密には仕上がってはいないが・・・)具合は悲惨なこととなる。
英語を上達させたいのならば語彙力を上げて文法は完璧にすること。英文法は非常にシンプルであるので本気でやれば2週間で習得できる。問題は語彙力、つまりいかに多くの単語を知っているかにかかっている。この語彙力向上に時間がかかるのだ。新規で次々と新しい単語を後々忘れないほど覚える作業には膨大な時間を要する。だから言語習得は大変なのだ。発音は英語で仕事をしている当ブログの管理人でも大したことはなく、しかしながら発音が正確でなかろうとも支障はほとんど出ない。発音が通じないということも滅多にないが通じなければ他の表現にすればすぐに解決する。つまり正しい発音なんて一番後回しで今に至っている。そもそも英語圏の地域は多く、発音は統一されていないのだから発音にこだわる日本人はある意味お人よしということだ。皆さんはデーブ・スペクターさんや厚切りジェイソンさんの日本語にいちいち難癖をつけるだろうか?文法も単語も合っていれば多少のイントネーションの違いにいちいち立腹して何を言っているのか分からないなんて言う日本人はそうはいない。海外でも同じことだ。繰り返すが語彙力と文法だ。それに尽きる。むしろ文法を完璧どころか半分も理解していないのにこういったYouTube動画でやった気になっている人たちは要はテキストブックを熟読して理解するといった面倒な作業はスキップしているに過ぎない。現在完了形すら使いこなせていないのに文法の勉強を放棄するなんて図々しいにもほどがある。日常会話程度ならば文法なんて適当でもと思っているようでは相手の理解力(連想力)に依存する図々しい英語だ。そりゃ単語いくつか並べれば通じることもあるだろうがそれは相手の推理力に頼っているだけのことで自分の力ではない。
この動画1本を見ただけで英語では「I'm shocked.」は使わないと鵜呑みにした人たちは先ずはこういう動画で学ぶ前にやるべきことが山ほどあることだろう。そもそも英語を勉強したいのに吹き替え版のドラマや映画を見ているんじゃないかと穿った見方もしたくなる。劇中で「I'm shocked.」なんて台詞は何度も出てくる。娯楽作品であろうが英語に触れる機会はなるべく増やして、初めて聞く表現をメモして必ず習得するという気構えでいれば語彙力は向上する。「さぁ、勉強しよう!」というときだけしか英語を学ぼうとしていないような生活では何十年かかってもそれなりの英語力にしかならない。「I'm shocked.」が誤用なんて話題が今現在拡散されているなんてショックだ。
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