以前からリテラというニュースサイト(?)が気にかかってはいた。余りにも常識から乖離しているコラムや偏り過ぎているニュースの伝え方をしているのでまとめサイトなどで取り扱われるトンデモ系の話題のソース元を辿るとそのリテラというサイトに行き着くことがしばしばあったからだ。
今回は多くの皆さんもご存知であろう石田純一氏が国会前デモに参加したが故に広告代理店を通じて2、3社から諌められたという件。それをリテラでは「圧力」と表現しているのだ。CMキャラクターが政治的に偏った言動を行うことはスポンサー企業は受け入れがたいということは当然のことであり、あの国会前での石田氏のパフォーマンスは諌められて当然のことだ。しかしながらそんなお金を出している側の企業としては当然の言い分もなぜかリテラでは「圧力」扱いになりこうやって報じられている。
石田純一が安保法制反対で「圧力」を受けていた…テレビ番組、CMの出演キャンセル、厳重注意も(リテラ)
「
恐れていたことが現実になってしまった。」という書き出しで始まるこのコラムは石田純一氏が国会前デモ参加以降に圧力を受けているという内容に終始している。そして安保法制について発言したその他の芸能関係者(敬称略:
坂上忍、笑福亭鶴瓶、SHELLY、高田延彦、土田晃之、制服向上委員会)などへも圧力が波及するかのような意味不明な記述さえある。なんだそりゃ?広告代理店にしろ、その広告代理店を通じて広告に芸能人を起用する企業にしろ、何も誰かに政治的な主張を押し付けているわけではない。単に広告のメインとなる商品や企業の消費者(購買者)の政治的な信条は千差万別であり、いちいち政治色を表に出して特定の政治信条を有する人々の溜飲を下げるものの、その他の政治信条を有する人々やそもそも政治的な押し付けを良しとしない大多数の人々から反感を買うような行為は厳に慎むべきだと考えているに過ぎない。こんなことは企業として当然のことだ。
そういう企業側の事情をいちいち「圧力」などと称して無駄に不安を煽るような卑劣な行為こそ控えるべきだ。広告起用を望むのならば、政治や宗教については信条を変える必要はないがいちいちそれを外に出して商品・企業イメージを特定の方向に誘導してしまうようなことは避けるべきであり、そもそもそういう政治や宗教の主張を外に出すことを止めたくないのであれば広告起用のオファーは断るべきだ。広告起用とその後の継続契約で発生する多額の契約金は欲しいが、広告(イメージ)キャラクターとしての中立性は担保できないというのは通らない。広告起用なしの活動か言動に中立性という制限はかかるものの契約金は手に入る、そのどちらかを選ぶ権利はあるのだから石田氏をはじめとする全ての芸能活動従事者は選べば良いだけの話だ。広告に莫大な予算を組んでいる企業を批判する前に先ずは自分の襟を正せということだ。
広告でお金を使い、その広告キャラクターが不祥事を起こせばまた企業はイメージダウンならびに広告を急遽作り直すということになりそこでまた多額の損失を伴う。要は時限爆弾みたいにいつかは爆発するであろう危険な人物は広告には不向きなのだ。国会前でデモに参加ということは中核派や核マル派とのつながりも懸念材料となる。いつテロを起こすやもしれない組織とつながりがあるかもしれない人物を広告に起用する企業がこの世界にいったいどれほど存在するというのか?企業がそういう懸念をほんの少し示した途端に「圧力」とは常識外れにもほどがある。当たり前の苦言さえ「圧力」と捉えてしまうのはいわゆる「活動家脳」とでも言おうか、被害妄想もここまでくると危険だ。
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