昨日の夜中にテレビ朝日系で「アイ・アム・ナンバー4」という2011年公開の映画を放送していた。日本ではそれほど注目されることもなく上映され、僅かな期間で終了となったSF作品だ。主演のアレックス・ペティファーは映画デビュー作「アレックス・ライダー」でいきなり主演という異例の抜擢だった。子供の頃からラルフローレンなどのモデルとして活躍しており映画では新人だったが既に有名人だった。そのアレックス・ペティファーが再び主演したのがこの「アイ・アム・ナンバー4」だ。
「アイ・アム・ナンバー4」も映画館で観ているミジンコって・・・・・決して暇なわけじゃないよ!暇じゃないよ!昔、じっちゃんが言ってたもん「駄作ほど大スクリーンで観るとマシになる」って!
ともかく上映前からアメリカでの不評を知ってはいたが日本で上映していたときにちゃんとお金を払って同作品を観ているのである。正直いって褒める部分は少ない作品だとは思った。不評だったことも理解できるデキの作品だとは思う。そもそも消化不良な作品で明らかに続編を想定しての作り、つまり「とりあえずここまで」という作り方はどうかと思った。
おおまかなあらすじは・・・
地球人そっくりに化けている(?)宇宙人、しかも美男美女ばかりが母星が滅んだ後で地球に逃げ延びて、故郷を壊滅させた敵の宇宙人勢力から逃げ続けているのだが自分たちに振り分けられた番号順に抹殺されていく。主人公は4番目(ナンバー4)で映画冒頭で3番目が殺されてしまうので次は自分ということなり必死で抗う。ナンバー付きの運命の子供、とはいっても地球に来てからだいぶ経つので皆、高校生くらいになっている。そんな運命の少年・少女たちには必ず一人世話役兼護衛が一人付いているのであるが追っ手の宇宙人たちは凶暴で2人組で逃げているナンバーズたちは次々とやられてしまっている状況。そして4番目、つまり自分の番となった主人公に護衛は既に死亡しているナンバー6の少女(大人っぽいが・・・)が加わり、更に超がんばる犬が加わり、俺たちの戦いはこれからだエンディングを迎える。
上映時間は110分だった。それが深夜の放送を録画したデータを見ると1時間9分だった。CMもたくさん入っていたので映画自体は1時間もない状態。つまりノーカット版よりも1時間ほどはぶった切っての放送だ。少しだけ再生してみたが冒頭のナンバー3と護衛が襲われるシーンは丸々カットされていた。もはや何が何やら分からないままストーリーが始まっていた。
先に述べたようにそれほど褒められる内容の作品ではないと思ったがさすがに1時間ほどに編集されてはもはや原型を留めていないのだ。そこまでカットして放送することは映画を作った人々にも視聴者にも不幸なことだ。まったく見どころが無かった作品でもなく、先ほども述べた途中で加わる犬は超がんばっているので大好きだった。しかもその頑張った犬に対して主人公たちは「おや?どこ行ってたんだ?」といったリアクションでせつなかった。普通、飼い犬が怪我して戻ってきたら「俺たちの戦いはこれからだ!」のエンディングシーンとはいえ、少しは犬の心配をして欲しいものだが全員スルー。酷い・・・・。あのワンちゃんは主人公たちが戦っている最中に凶悪な巨大ムササビ型モンスターを激闘の末にぶっ殺していたのだ!2体いた巨大ムササビ型モンスターの内、1体はナンバー6が倒しているのだが、ムササビに喰われかかっている主人公の窮地を救ったワンちゃんが受け持った残りの1体のことは誰も気にもしていない不用心さ。そもそもラストでモンスター2体とも主人公ではなく仲間たちが倒しているのはどうなのよ・・・・。結局、お犬様が誰にも目撃されることもなく、超マッチョに変身してコウモリを倒し、その戦いの場で倒れ込むワンちゃん・モンスターバージョンは介抱されることもなく放置。実は主人公たちも気がついていないのだが、犬は以前からトカゲなど様々な動物に変身して常にナンバー4を見守っていた主人公と同じ惑星にいた番犬のような生き物だったのだ。コウモリ型との死闘で最初は立ち上がれないほど大怪我をして主人公たちは犬のことを気にせず帰宅、そして翌日の旅支度。旅立ちのシーン、つまり翌日のエンディングで足を片足上げなら犬が尻尾フリフリで戻って来たワンちゃん、忠犬ハチ公越えである。片足上げならば歩く犬・・・・調教師凄いな!主人公は飼い主失格だ!そんな酷い飼い主だから映画が1時間もカットされちゃうんだ、アホウ!
ちなみに明らかに続編を意識した作りの同作だがあれから4年、続編の話は聞かない。ラストで仲間探しの旅に出た主人公一行。仲間がなかなか見つからないのかな。
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