ハロウィーンの経済規模が今年は約1220億円に到達する見込みでバレンタインデーの経済規模を上回るという。大いに結構なことだ。望んで参加したい人々が楽しい時間を過ごし、大きな経済効果で街は賑わう。勿論、たまに現れる迷惑行為で逮捕される者たちなどは問題外だが、数千人規模のパレードでさえ目立った混乱もなく、今までオバケの仮装をした大多数の参加者たちは常識的な範疇でハロウィーンを楽しんでいる。
どんなことにも賛否両論あり、そのどちらが正しいとか間違っているとか議論する必要がないようなことでもケチをつける人々がいる。ハロウィーンの季節になると毎度そういう人々がハロウィーンの盛り上がりに対しても否定的な意見を述べ、しかもどこから持ってきたのかマスコミの陰謀論が出てきたり、ハロウィーンで盛り上がる人々を「大手広告代理店の策略にまんまとハマった馬鹿たち」といった決めつけまで飛び出す始末。何をおっしゃるウサギさん、元々、ハロウィーンについてはそれはもう長いこと、当ブログの管理人が覚えている限りではノストラダムスの大予言がどうのこうのと言っていた1999年にはもう仮装パーティーどころか、街を僅かとはいえコスプレで練り歩く小規模なパレードはあったのだ。しかもマスコミは総じて取り上げていた上に企業の協賛も多数だった。それでも流行らなかったのだ。実はミジンコもそういう企画の古参と言えるかもしれない。あくまでも仕事上ではあるがハロウィーン期間に何とか乗って様々な広告企画などに参加したこと1度や2度ではない。それでも残念ながらその当時はバレンタイン企画、ましてやクリスマス企画を超えるような盛り上がりとはお世辞にも言えない状況だった。なんでもかんでもマスコミや大手広告代理店の陰謀論にすると気が休まる症状の人々はいるのだろうが、ここまで何十年も盛り上がりを見せなかったお祭りが数年で一気に周知されるようになったのはSNSの普及が大きいと見る方が自然だ。ツイートやfacebookに掲載したい写真に飢えているネットユーザーたちはアメリカ西海岸で人気のコーヒー店が日本に出店すれば並んででもそこに赴き写真をパシャ。話題のパンケーキもパシャ。コスプレとお祭りが融合したハロウィーンはまさに写真を撮ることに最適なイベントだ。
SNSへの燃料補給は前述のとおり、そしてそれ以前にたまには非日常を味わいたいとする人々が大勢いたところで別に驚くべきことではない。普段はしないような仮装をしてもその日だけは別に自分だけが注目されるわけでもなく街に溶け込める。ハロウィーンの時はむしろ着グルミを着ないとしているプロ着グルミニストな当ブログ管理人・ミジンコは「ヌルい着グルミたちと一緒に歩けるか!」という思いがあり、ハロウィーンでコスプレなど一切しないでむしろそこでは目立つスーツ姿であることが多いのだが、新人ども、もといその日だけコスプレをしている人々が滅茶苦茶はしゃいでいる姿を見るとお金を使っている人々が楽しんだ上に経済効果があるときてはヌルい着グルミたちも容認せざるを得ない。妙なゴリ押し感も踊らされている感も正直感じないイベントなのだ。むしろイベント日数日前から当日まで街頭で叫び声とも言える声でチョコレートやクリスマスケーキを販売している毎年の光景の方がよほど需要と供給のバランスが崩れているような気がする。「この日はこうじゃなくちゃいけないんですよ!」といった雰囲気を醸し出して売るには経済大国日本とはいえ若干の許容オーバーを感じるのだ。対してハロウィーンのような下積み時代が長かったイベントはまだまだ伸びしろを感じるほどだ。来年は1220億円を更に越えた経済規模で動くと見ている。
ハロウィーン、実は欧州では低調 「日本人はまだまだ」(Yahoo!ニュース 京都新聞)
↑このニュースで何やら日本人のハロウィーンの楽しみ方は間違っているかのようなことが書かれており、更に他の国ではそれほど盛り上がっていないようなことまで書かれている。このニュースを見て今回の記事を書こうと思った。ニュースソースとして違和感を感じたからだ。例えば日本在住の米国人男性がゲームの手作りを楽しんでいない日本人の楽しみ方を残念がっているような部分があるのだが、原宿や川崎の大規模なパレードでもかなりの割合の参加者が手作りコスプレなのだ。当然といえば当然なのだが外注するにもそういう業者は多くはなく、しかも外注では高額となる。既製品のコスプレ衣装は販売されているがそれだと若干物足りない場合も多々ある。そういうわけで手作りコスプレはこの日本ではいわば「普通」とも言えるレベルだ。ゲームの手作りはそれほどないにしても手作りが主流なのは日本のハロウィーンでも同じだ。
大規模なパレードがとかく鼻につくというのか、本来は伝統行事であるはずのハロウィーンの大騒ぎを嫌う意見も多々見かける。確かにハロウィーンパレードは伝統的なハロウィーンとはまったく別物という意見は正しいかもしれない。しかしながら、元々、ニューヨークであろうがサンフランシスコであろうが人が大勢いる地域でのハロウィーン・パレードは日本のそれと同じで仮装行列だ。日本が分かっていないという指摘は非常にナンセンスであり、分かっているということになっているアメリカ人たちも今やハロウィーンといって先ず思いつくことは仮装によるお祭り騒ぎのほうだろう。
実はミジンコはアメリカのハロウィーン・パレードよりも日本のパレードの方に好印象。理由は気持ち悪さの差だ。アメリカではゾンビやスプラッター要素が強く、しかも近年では特殊メイクの技術が向上、お手軽にもなり、街を練り歩くオバケたち、いや正確にはゾンビたちがものすごーーーーーく気持ち悪いのだ。当ブログでは、これを「アメリカ・ゾンビ増え過ぎ問題」と呼んでいる。この時期、なるべくアメリカに行かないようにしている数年間だ。オープンカフェに油断して入ると真横をゾンビメイクの集団が通るなんてこともあり、ゾンビ大嫌いな自分としては本当に外で油断ならない時期なのだ。当ブログの管理人がなぜにゾンビが嫌いなのかはその理由は長くなるので言わないが死者(遺体)をネタにする行為はどうかと思っているからだ。実際、人間は血まみれで手足が無かろうとも人間であり、体を激しく損傷していようとも助かる命として見るべきだと考えている。
そんなアメリカのパレードと比較すると日本のそれはそりゃもうかわいいもので、むしろオシャレでキレイなコスプレ多数だ。たまにはスプラッターな感じの人もいるが今のところはむしろ少数派で可愛らしいコスプレが圧倒的多数だ。日本らしいと思う。
今回のハロウィーンは土曜日とあって例年よりも更に盛り上がることだろう。確かに本来の欧州(ケルト)の収穫祭とはかけ離れたイベントとはなっているが、それをいちいち批判するよりもイベントとして素直に楽しんだほうが毎年の楽しみがひとつ増えて良い人生になると思う。なにしろまるで逆輸入のような話だが外国人の方々が日本のハロウィーンが楽しいと積極的に参加されているようなのだ。日本発の独自のハロウィーンというお祭りが世界的に評価され経済効果も莫大といえば良いこと尽くめだ。
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