国会前で日本が戦争に突入する一歩手前だといったことを叫んでいたデモ参加者たちは今もどこかで同じようなことを叫んでいるのだろうか?太平洋戦争開戦直前の状況と今の日本は酷似していると称し、現政権の危険性を訴えていた人々もいた。そんな人々が開戦1週間前とそっくりだという日本は戦争を始めただろうか?
世界中がきな臭くなっている中、日本は良い方で世界から垂涎の的の平和を実現している。戦争法案がどうのと叫んでいた人々からすれば日本が戦争をしないことは自分たちの主張が的外れであることの証明となってしまい口惜しいのだろうか?最近、沖縄・翁長県知事が記者会見にて、8~9月に辺野古沿岸部で行ったサンゴ礁の損傷などを確認するための潜水調査結果についてこう述べた。「岩礁破砕がなされたかは、残念ながら判断できなかった」←明らかにサンゴ礁が傷ついているところを確認できずに口惜しがっているように見える。本来ならばサンゴ礁が破壊されていないことを喜ぶべきところがつい本音の「残念」と言ってしまったのだろう。こういう「口惜しがり」、具体的には「日本が平和なこと(戦争をしていないこと)」について、日本国内でまるで鬱憤となっているようで警戒している。そりゃ「戦争法案」と呼んで、さも日本が戦争に突入し、徴兵制といった飛躍し過ぎたことを語って世間の恐怖を煽って支持を取り付けようとしていた者たちからしたら、自分たちが叫んでいたことがいつまで経っても起こらないどころか、むしろ世界各地で起きている戦争状態と日本の平和的な日常とのギャップが更に開いている現状は面白くはないことだろう。
ロシア機がテロ攻撃で墜落させられ、フランスでは同時多発テロ、アメリカ・ワシントンDCなどが名指しで次のテロ攻撃の標的とされている。テロ組織の楽屋のような扱いになっているベルギーへの非難も殺到している。軍用銃すらも容易に入手できる上に国内の捜査機関の連携すら取れているとは言い難い実態を今まで放置していたベルギーの緩さが露呈して今更ながらに国を上げての大捜査だ。信用を失ったベルギーはまさに国難に直面している。仏オランド大統領はフランスは事実上の戦争状態に入ったとの声明を発表し、皆さんもご存知のようにパリ近郊で激しい銃撃戦と自爆があった。確かにもう戦争だ。
では今、「いつの間にか始まった第3次世界大戦」とでも呼ぶべき混沌とした世界情勢の中、日本は戦争参加国になっているだろうか?大勢の人々が国会前で「戦争法案」と叫んでいたが日本は戦争とは最も遠いところにいる国となっている。経済的にも軍事力的にも世界有数の力を持つ国家のほとんどがISILとの直接的な対戦国となっている。アメリカ、ロシア、フランス、ドイツ、イギリス、いずれの国ももう既にISILとの交戦国だ。安保法案可決後に南スーダンでPKO活動に従事している自衛隊がロシアの輸送機墜落事故の収拾を手伝ったがどこかの勢力からその行為について非難され「戦争するぞ!」と難癖をつけられただろうか?日本は感謝こそされ、特にどこからも宣戦布告はされていない。ちなみに南スーダンでは中国軍などの警備の下で自衛隊が土木作業を現地の人々に教えていたりもする。で、どこに戦争の気配が?ISILが40を超える国や勢力を脅したときにかろうじて日本の名前もあった程度で国内のデモで「戦争をやりたがっている」といった叩かれ方をされていた我らが国・日本は「テロとの戦い」でも半ば敵意の範囲外といったところだ。バングラデシュでの邦人殺害も後付けでISILだと自称する犯行声明。今年初めの邦人拘束・殺害事件で身代金交渉に応じなかった日本政府についてはISIL側の幹部もだいぶ空爆などで死亡して入れ替わりも激しいようでまさにISILからすれば「今それどころじゃない」のだろう。ちなみに今月、あのジハーディ・ジョンも空爆で死亡したとの報があった。ジハーディ・ジョンは日本からの糞コラで遊ばれた挙句にその最期は日本ではニュースにもほとんどされなかった。
日本はムジャヒディン(本来の意味はイスラム聖戦士。今はジハードと称してテロを行う過激派も含めてそう呼ぶ場合あり)たちからも核爆弾を2発も落とされた後で世界屈指の強国に復興したことで敬意を示されており、欧米各国と同一視はされていない。日本が欧米諸国と協調路線で行くことを快く思わないからこそISILは一応は日本を標的の1ヶ国に加えているのだろうが、現実的に日本にテロ攻撃をすることを最優先だと考えているISILメンバーが果たしてどれほどいることやら。当ブログではその数は限りなく0に近いと見ている。日本国内で連日国会前にデモ隊が集結し、デモ隊が戦争を進める為の法案だと断言していた法案が可決したことを一体どれだけのISILメンバーが気にしていただろうか?そもそも日本が集団的自衛権を持っていなかったことすら知らないメンバーが大多数だろう。そんな国連加盟国のいずれもが有していた権利をまさか日本が持っていないなんて知識はまるでトリビアの世界でISILのみならず世界中のほとんどの人々は知らないし気にもしていない。そりゃ戦争が身近な人々からすれば友軍が攻撃されている時に援護どころか落とせるミサイルすら落とさないなんて不条理なことは想像できない。
日本のニュース番組ではテロの報道も流れるがグルメ情報や芸能ニュースも数多く流れる。もし今の日本がオウムのテロ事件や東日本大震災の時のような状況だったら通常の番組は報道番組に差し換えられることであろうし、ネットもその話題で持ちっきりになるだろうし、ツイートやfacebookで楽しい写真をUPすることも憚(はばか)られるやもしれない。国民が国難に直面したときは楽しいことを控えるというよりも楽しいことが楽しめなくなるものだ。人が笑うときは笑おうとしているのではなく自然に笑ってしまうものだ。今の日本では先日のハロウィーンも大そう盛り上がったし、連日国内各地でイベントが催され盛況だ。一部の声の大きな活動家たちがさも日本は戦争に突入するかのように吹聴するが現実として日本は戦争とはほど遠い。今年の12月までの外国人観光客数の予想は1,900万人だとか。2,000万人には届かなかったが今年は急増とは言える。そして更に増加する見込みだ。そりゃ日本は楽しいのだから観光客が増えるのは自然なことだ。戦争法案だなんだと騒ぐ前に日本のどこかをちょっと散歩するだけで見えてくる真実があるはずだ。このままの日本であって欲しい。
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