何ヶ月か前のこと、ちょいワルオヤジとかいう言葉を流行らせようとしていたことで有名な元雑誌編集長に対して元モデルが「肉体関係を無理矢理求められた」という旨の告発を写真週刊誌FRIDAYを通じて行っているのを見た。詳しくは→
「ちょいワルオヤジ」元LEON編集長の枕営業強要を美人モデルが告発(Yahoo!ニュース FRIDAY)
この告発と告発している女性の言う事の経緯を見るに、はっきり言って「どっちもどっち」な感は否めない。まったく権限なんて無いくせにさも権力者かのように振る舞い女性を食い物にしているクソオヤジもカラダを売ったが売り先を間違えたと言っているに過ぎない女性もどっちもどっちだ。LEONのクソオヤジが最低最悪なのはむしろ公然の秘密のようなもので、それに乗っかってなんとか自分を売ろうとしたものの上手くいかなければまるで被害者のように振る舞う女性もどうかと思う。
悲惨なのは東京ガールズコレクション(TGC)だ。主催者側は唖然としていた。日本最大級の女性向けファッションイベントのイメージは台無しだ。主催者側とはまったく関係のない雑誌関係者やその知人とやらがイベントでのモデル起用をチラつかせて女性のカラダを要求していたというのだ。TGC主催者側はこの一連の騒動に関して、ちょいワルオヤジこと岸田氏にそんな権限はないと明言している。そりゃそうだ。岸田氏はTGCの関係者ですらないのだ。
ともかく、ホンモノの関係各位にしてみれば「あるわけない」という話がまるであるかのように業界を漂い、そしてそれを信じてしまうモデルや芸能人志望の女性たちがいる。困ったものだ。枕営業で未来が開けるなんてことはそういう雰囲気が漂っている方が都合が良いゲスヤロウたちが広めているに過ぎない嘘だ。少し考えれば分かりそうなものだが、事務所や広告代理店やメディア各社がそれぞれ多額の投資を行って売り出すモデルや女優たちなのだ。むしろ枕営業やら誰々とどうたらこうたらといった噂が立っているだけでもはやリスクの塊だ。恋愛ならば社会の理解もあるが枕営業では難しい。そういう女性を更に多額の宣伝費を投入して売り出そうなんて奇特な芸能事務所などそうはない。噂程度でもCM契約直前にご破算になり、ドラマ・映画主演どころか脇役ですら無かったことになる世界だ。
なにかを製作するときには必ず予算というものが組まれ、その予算の出所であるスポンサー企業やテレビ局・映画会社など、わざわざお金を出してイメージダウンをするなんてことは避けたいのだ。フジテレビの凋落ぶりを見るに製作側と主演タレントやニュースキャスターとの心中というのは本当にあるのだと思う。フジテレビ自体の信頼度がガタ落ちだったというのに高感度が低い出演者たちを延々と起用していたらもう這い上がれないほどに視聴者が離れている。CMなんかはまさにそれが顕著で、起用したタレントが不祥事を起こした瞬間にCM放送を中止しないと命取りとなる。笑えない話だが年に何本かのCMはそうい事情で時には大予算で海外で撮影したものでさえ、数日の放送でお蔵入りとなっている。スポンサー企業に不祥事があったわけではなく、CM出演者が不倫をしたり、交通事故を起こしたり、刑事罰はないものの倫理的に問題のある行動を取った場合など、とにもかくにもCMをご覧になる方々が不愉快になるものは放送できないし無理に放送したところでその商品や企業イメージが下がるだけだ。企業側がせいぜい数千万円から数億円の損害賠償請求をしたところで補填できないほどのダメージを受けるのだ。なにしろ上場企業クラスの企業高感度をほんの1%上げるためには30億円もの宣伝キャンペーンが必要となるという試算が出ており、実際のところ30億円という金額は大きいが、そのくらいの広告宣伝費だと皆さんの目に届くかどうかといった規模なのだ。
チョイワルおやじの件ではファッションや雑誌業界、そりゃもう皆が皆、なんとなくそういう胡散臭さを感じる相手であったが故に尚更のことウンザリ感が漂った。それにそういう枕営業というやつで本当に仕事が取れると思っている女性たちがいることもなんだかなぁという感じだ。そしてつい最近のことのニュース→
「体形確認する」モデル志望少女に性行為 容疑のプロダクション幹部を逮捕(Yahoo!ニュース 産経新聞)
この事件については事務所の常習性すら感じる。なんとこの
事務所元社長でありプロデューサーを告発するツイッターアカウントまで存在している。当たり前の話だがこんな事務所の社長に身体を許してもなんの得もないどころか芸能界での成功はむしろ遠ざかる。相手が15歳なので世の中のなにからなにまで知っていろという方が酷な気がするが、本当のモデル事務所の社長は所属モデルたちを宝のように扱い、むしろ(この表現は多少女性差別的で申し訳ないが)キズモノにしようとする男たちからそれこそ鉄壁のガードを繰り出すものだ。
ちなみにミジンコは元AV女優の女性と友達。実は彼女がAV女優だとは知らないまま数年間はウォーキング仲間だった。都内の公園で顔見知りになり、今も多少の芸能活動も行っている彼女は秘匿性の高い都内のジムに通っており、都内数箇所のジムの会員であるミジンコとそこでもバッタリ。どんだけ運動好きやねんと友達になった。そんな彼女は十数年前のAV女優デビュー時に関係各位への挨拶まわりと酒の席に事務所社長と同行したのだそうな。その時、田舎から出てきたばかりの彼女はいわゆるそのまま取引先の幹部さんたちとホテルまで・・・・という可能性を考えたのだそうだ。もうどうやって逃げ出そうか考えて震えていたそうだ。AVに出演しているからといって、それとこれとは別ということだ。そして夜の宴が終わり解散。事務所社長に誰かについて行かなくていいのか?という趣旨の質問をしたのだそうだが、社長は「そんなわけあるか!」と大笑いしたのだそうだ。実際に現役AV女優が在籍するデリヘルなどは存在するとはいえ、いわゆるただの枕営業なんてものはAV製作会社も事務所もやるわけがないのだ。なんでわざわざそんなリスクを負って評判を下げなければならないのかということだ。性欲産業であるAV業界でもこんなものなのだ。ましてやモデルや女優にならせようとしている相手に対して事務所の社長が身体を要求なんてその相手を売る気がないと宣言しているようなものだ。
そもそも、本当にモデルやタレントを育てて売り出せるほどの力のある人物は総じて相手に困っていない印象が強い。むしろ異性アレルギーが出ているんじゃないかというほど、そういう色恋事に辟易としている感さえある。実際、毎日キレイな女性に囲まれて「ワタシを売れー!ワタシを売れー!」という圧力に苛まれているプロデューサーたちは異性に疲れきっていることが多い。かといって同性はもっとイヤだろうし、つまり人間に疲れている。自分から枕営業を持ちかけてくるような女性なんて絶叫モノで嫌うかもしれない。実際、そんなタイプの売り方が上手い制作者たちを何名も知っている。彼らが一番好きなのは家で彼らの帰りを待つ犬猫だ。
枕営業なんてやるもんじゃない。やったところで何も得られないどころかむしろ売り出されない方のカテゴリーから一生抜けられなくなる。
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