昨日、所要で新横浜に出向いた。その帰りに初めて横浜市営地下鉄のブルーラインに乗車。仕事で新横浜に頻繁に行っていた頃は、移動の時間が勿体ないので、ちょっと贅沢に東京駅か品川駅から新幹線であっという間という行き帰りだったので横浜市営地下鉄とは無縁だった。
それにも増して、当時はミジンコはクルマ通勤をしていたので都内から高速を使って気分転換がてらに新横浜に向かっていたことが多かった。空いている高速道路の運転はなによりもストレス解消になった。今はカリフォルニアでのドライブを知ってしまったので日本では走る気がしなくなったのと、いったんクルマで移動してしまうと今の日課とも言えるウォーキングをする際にクルマを停めた場所に戻らないとならないという面倒臭さなのがネックだ。
新横浜で仕事を終えてから電車ですぐの美容室に予約を入れた。なんだか負けた気分(-_-;)
なんでそんな気分になったかというと、この3、4年間ほど担当してもらっていたナカムラッチ(美容師・女性・たしか29か30か31歳)が、結婚したので転勤したのだけれど、ミジンコは餞別を渡して「おめーの転勤先になんか行くか!それじゃ負けだ!おめーがこっち(東京)に戻ってこいよ!」と言っていたから。
実際、なんでこのミジンコ様が好きな映画が「トランスフォーマー」だというオンナに合わせて横浜まで髪を切りに行かなきゃならんねん!という話だ。
彼女は信じられないほどミジンコと映画の趣向が異なる。ミジンコが一生観ないであろう「レッドクリフ」やら「ルーキーズ」やら「火天の城」などを好んで観ていた。なんという映画偏差値の低さ・・・・・・。
しかあぁぁぁし、正直、髪を切る腕と人に媚びない性格がミジンコ好み(-_-;)
こちらから横浜に向かい髪を切るのは負けた気がする。しかし髪は切らねばならない。そんなジレンマの中、結局、彼女の転勤先(都内の店と同じ系列)に予約を。かなり安い美容室なので皆さんには意外に思われるかもしれない美容室なのだが早く済むという理由で何度か行った後に、そのナカムラッチに出会ってしまい、毎度、ナカムラッチ「〇〇〇、観ましたよ~」 ミジンコ「このバカチンが!」というような会話をしていく内に、正直その安っすい店は嫌いだったが彼女がいるから通っていた。月に1回以上のペースで髪を切るミジンコには本当に良い意味で時間を食わないナカムラッチが最高の担当者。し、しかし、横浜の外れは遠かった・・・・。
その美容室のすぐ近くが十数年前のミジンコのデートスポット。自分でデートスポットなんて言葉を使うことが今は笑えるが本当に頻繁に通っていたシネコンがある。
ミジ妻と何度そこで映画を観たことだろうか。今や懐かしの映画となっている作品の多くをそこで観賞。9・11同時多発テロが起きる前に「マーシャルロー」というニューヨークでのテロとイスラム系住民への人種差別を扱った作品もそこで観た。ミジンコの作品自体の評価はあまり高くないが、その作品のパッケージなどをレンタルビデオ店で見かけるたびに、もっとこの映画がヒットしてみんながもっとイスラムの怒りを知っておくべきだったとは思う。ヒュー・グラントの「ノッティングヒルの恋人」もそこで観た。主人公・ウィリアムの同居人のスパイクという男がとんでもない変人なのだが、あろうことかミジンコは当時、複数の人間から「ミジンコにそっくりな行動パターンの男を映画で見た!」と報告されており、それがそのスパイク。作品を観た後に、「あそこまで変じゃないだろう!」と否定してみたものの、多数決でミジンコはスパイクみたいだという結論に落ち着いた(-_-;)
その巨大なショッピングモールの上階にあったシネコンは当時はクルマでシネコンのある階まで行けて、駐車したらすぐにチケット売り場という快適さ。いつもレイトショーで観ており、本当に仕事のあとに高速を飛ばして行っていた日々が懐かしい。ミジ妻とミジンコは付き合ったり別れたりを繰り返していたのが周囲にも有名で、別れているときでも映画は二人で行っていた(←理解できなくて結構!)。ただ、その行動がやはり周囲の理解は得られずに、やや面倒臭かったのも事実。都心の映画館ではチケットを買うところや劇場前で基本夜型の知り合いに会うということが頻発して、イチイチ噂されるのが面倒になり、映画はクルマで横浜や東京郊外にしようということになった。そこでよく通っていたのがそのシネコン。ちなみに前述の「ノッティングヒルの恋人」を観たときは確か別れていたとき。選択ミスとしか言いようがない。
十数年前の思い出を振り返るというのは自分らしくもなかったのだけれど、美容室から歩いて行ける距離だったのでシネコンの入り口を見に行った。
・・・・・・・あ、あれ?
こんなにショボかったっけか・・・・・・。
というのが第一印象。
当時はシネコン自体がまだそれほど無くて、そのシネコンはミジンコにとってはまさに最高の映画館だったのだけれど、まったく変わっていないはずのシネコンはどうにも小さく、そしてこう言ってはなんだけれど田舎っぽかった。
これが思い出補正というやつなのだろうか?良いシネコンだと思っていたのでよく人に話していた場所だったのだけれど、今や国内にあるシネコンの中ではベスト30にも入らない施設だと思う。そのシネコンがダメになったわけではなくて、もっと凄い施設がこの10年で続々とオープンしたから。本当に参った。こんなにも昔の記憶というやつは補正されるものなのかと。確かに海外でも頻繁に行く場所よりも、たまにしか訪れないバンクーバーやポートランドのほうが良い場所のように思える。今後、思い出補正に気をつけて人と話をしないと。怖い、怖い。
初恋の人とは時間が経過してからは会わない方が良いというのは本当かもしれない。
[8回]
PR