ミジンコはそりゃもう携帯電話をたくさん所有している。仕事でどうしても各キャリア、各メーカーの携帯を複数持っていないと話にならない。
別にドコモの人間にauの携帯を使っているところを見られて困るとかそういう古臭い話はもはや存在しない。単純にミジンコの場合は、自分が投資しているベンチャー企業の部品が採用された機種を使わないわけにはいかないという事情がある。
例えばある国内メーカーに採用が決定したノイズキャンセラーがあったとしたら、それの売り込みに一役買った自分がその機種をポケットから出さないわけにはいかない。あるPA(増幅器)が採用されたときもそう。ある加速度センサーが採用されたときもそう。頼まれたとはいえ、海外のベンチャーと国内メーカーの間に立った自分が、その製品を使っていないで競合製品なんか持っていた日には裏切りもいいところ。
そもそもミジンコにたまに尾行がつくのって、ミジンコがどこの会社に出入りしているのか調査している企業があるのも原因のひとつ。たぶん、週に2回、ミジンコが同じ会社を訪問したら話が前向きに進んでいるとか、そんなことを調べているだと思う。
ミジンコは試作機などを見る機会はあるが、実際の製品を貰えるわけではない。「ください」と言えば貰えるのかもしれないが貰ったことはない。貰った製品にSIMカードを入れて実用するのって法的にも倫理的にもどうなんだろう?という疑問があってしていない。堅苦しいこと言うようだが、売ることができる商品を自分のものにしちゃっていいのかな?という罪悪感。
最近はその罪悪感が大幅に増加。なにしろ店頭を覗くと機種変更時の携帯電話が唖然とするほど高価。諸経費込みとはいえ、5万、6万円は当たり前の世界に。
実情を知りたくて、大手家電量販店の販売スタッフ数名につい最近インタビューをしたのだが、皆が皆、口を揃えて「携帯が売れなくなった」と言っていた。全盛期が200台/日だとすると、今は週末でも50~60台/日なのだそうな。そりゃそうだ、6万円なんてポンと出して買うほど携帯の機種変更には夢も希望もない。ほとんど同じ機能で基本は電話とメールをするためのツールに6万なんてそうは出せない。
なんでも若い世代の購入者のほとんどは分割で支払う方式を選ぶんだそうな。ローンを組んでまで通話とメール・・・・前の機種でもできることなんだから、そりゃ客足が引くに決まっている。
携帯の高機能化をこれでもかってくらい推進しているミジンコとしては考えさせられるものがある。
かといって携帯が進化しない世の中もやだ。それに高機能化しなかったとしても携帯の値段は安くならないかもしれない。携帯が高くなる理由には部品代以外の要素が少なからずあるのだから。
それにしても高い!高すぎるよ、最近の携帯電話!
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