正直、大人二人で迷走するのがこんなに楽しいものとは思わなんだ。
古くからの友人ギターマンさんと高尾山に行くと約束して、遂に決行の日。ただ単に外で飯を食べるという約束ですら1年に1、2回というくらいなかなか予定が合わなかった二人が、この数年は年に数回は会えるようになり、遂に高尾山に一緒に行くことになった。
ここのところ、ミジンコは友人に会う時間さえ取れなかった生活を振り返ることが多くなった。祖母の件があった後、ちょっと時間に余裕ができてきてから、更に仕事の量も尋常ではなかった出張の数も減らしている。今までの生き方に不満があったわけではないが、なんてことはないことをムショウにしたくなっている。
普段の「死」を予感させる山々ではなく東京のお手軽行楽地・高尾山。しかあぁぁぁし!高尾山は手強かった・・・・・。
(*「アンタ、普段もっと高い山とか崖とか登っているだろう!」とツッコミを入れたくなったこのブログの常連さんたちが1,000人くらいいるような気がするけれど、本当なんだってば!ぶっちゃけ高尾山、パネェっすよ!この後を読めばわかるってば!)
二人の体力には問題がなかった。装備も万全だった。高尾登山に救援サインを出すためのLED3連ライト、多量な携行食、傷から汚れを取るための真水、ダイアル発電式ラジオetc....
全ては万全なはずだった。二人が間違って西八王子で下車するまでは・・・・・。
なんだろう、バークリー音楽院出て海外の超一流ミュージシャンたちとも親交の深いギターマンさんと、一応、シリコンバレーのハイテク産業とかニューヨークを中心とした広告マーケティング業界でエラソーにしているミジンコという、そこそこ頑張っている二人を持ってしても、高尾山に行くのに間違って西八王子駅を高尾だと思い込んで降りちゃって二人とも気がつかないで高尾駅まで住宅街を歩いちゃう現象って医学的にどう説明がつくんだろう?
確かに山が地平線の向こうに見えたんでおかしいとは思ったんだが「歩けば着くかな」くらいにしか思えなくてさ・・・・・。
なにが悪かったかって、ちょうど乗車したJR中央線が引退間際の旧車両でさ。いわゆる鉄道マニアのガキンチョとかオッサンが何人も乗ってて、駅に停まるたびに撮影をしていたのよ。その内の一人のキショク悪いおっさんがさ、シルバーシートにリュックサックを2個残してホームに飛び出してはパシャパシャやっててさ。
座ってもいないのにシルバーシート二人分を占有しててね。そいつに注意するべきか否かをそのおっさんが聴こえる声でギターマンさんと議論してたので集中力が乱されたのさ!鉄ヲタおっさん、こっちを警戒する目がキショク悪いったら無かったんだ。別におめーなんかの歯は折らねーよ!(*ミジンコは皆さんご存知のように至って温和な草食動物です)
ホームから見える「高尾」の文字に反応して降りたのが西八王子駅だった。帰りの電車で確認したさ・・・・。なんだったんだろう、あの「高尾」という文字は・・・・。なにかの案内版か広告を駅名だと勘違いしちゃったんだよね。
つまりなにが言いたいかっていうと悪いのは全てあの鉄道オタクのおっさん。
ふっ、駅を降りてもじぇんじぇん気がつかなかったじぇ・・・・・・。そこは心から高尾だと思っていた(-_-;)
駅近くのコンビニで地図を買って確認までしたのに、そもそも降りている駅を間違っているわけだから地図で確認した対象物たちが見つかるわけがない。なんで誰もあそこが西八王子だと教えてくれないんだ!東京モンはこげに冷たかとですか!(*ただの八つ当たりです。)
ともかく西八王子駅で降りたのでその駅に京王線が並んでいるわけもなく、あるわけがない京王線の線路を探して歩くギターマンさんとミジンコ。テキトーに歩いている内に見えてきたのが京王線の高尾駅(←この時点ではまだ併設されているJRの高尾駅の存在に気がついておらず)。そこから駅には入らないで、徒歩で山の麓に向かおうということになるが高尾の犬猫墓地を通過して高尾霊園で行き止まりとなったのでひきつり笑顔で駅に戻った。
なんだか迷うたびに二人でウケていた。妙に体力があるもんだから絶望的な遠回り&坂道でも元気な二人。普通の体力の人たちだったらこの時点でもうリタイアだろう。だが、我々、東小金井ドキドキ探検隊はくじけなかった。だってまだ高尾山に到着していないのだから!(*ツッコミ不要。言いたいことはわかっております。)
駅に戻って冷静になると気がついた。高尾山に行くには先ずは京王線で高尾山口という駅に行かねばならぬことを。そして京王高尾駅と横並びになっている駅が本物のJR高尾駅だったことも目視できた。悩むギターマンさんとミジンコ。
「な、なぜ、さっき降りたはずのJR高尾駅があんだけ歩いたのにここにあるのだ?」 (*さっき降りたのは西八王子駅だからです。)
仕方がないので二人で映画「トワイライトゾーン」の音楽を口ずさんだ。これで半分くらい解決した気分に。
まぁ、
大した問題もなく、高尾山口駅に到着。
おおっ!草の匂い!これこそ山。近くで草饅頭みたいなのが蒸してあったけどたぶんあの匂いは山の香り・・・のはず。
時刻は16:20(*だからツッコミはいらないってば!)
まぁ、仮想・JR高尾駅を降りたのが13:40頃だったので元々スタートは遅かった。最初から迷うと解っていたので今回の目標は“麓”だったし!
。* ゚ + 。・゚・。・ヽ( ゚`Д´゚)ノウワァァァァァァン
ともかく
高尾山到着という偉大な目標は果たした。1号と名付けられたコースを“半分くらい”まで登って下山。ケーブルカーの待ち時間が1時間とアナウンスされていたのでどっちにしろ山の中腹に辿り着くには遅すぎた。まだまだ明るかったが日没の3時間前には下山しておくというのは基本中の基本なので・・・・って偉そうに言ってみたが高尾山口駅に着いた時点で既に日没3時間前を切っていた、テヘ♪
帰りにトロロ蕎麦を食べた。感動的に旨かった。蕎麦店が十店舗くらい軒を連ねていたので全部制覇しようとギターマンさんと誓う。
次の目標はとりあえずケーブルカーに乗ることだ。がんばれ東小金井ドキドキ探検隊!負けるな東小金井ドキドキ探検隊!
[8回]
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