色々なコラムや意見書を読んでいる日々。これでもかっていう位、今のテレビニュースの大問題点を指摘している寄稿文を読ませていただいた。
そう、これなのだ!と拍手喝采を送りたいほど端的に今のニュース番組の解説者たち、もっと具体的にいえば〇〇大学教授といった肩書きの解説者たち、またそれらの特定の解説者しか起用しない番組の問題的を指摘している見事な寄稿文だ。
東電のカネに汚染した東大に騙されるな!(INSIGHT NOW)
一部抜粋:
寄付講座だけで、東電は東大に5億円も流し込んでいる。一方、長崎大学は、その買収的な本性に気づき、全額を東電に突き返した。水俣病のときも、業界団体は、東大の学者を利用して世論操作を行い、その被害を拡大させてしまっている。いま、同じ愚を繰り返してはならない。
まさにこういうことなのだ。教授や博士といった肩書きの者が解説をするとき、大抵の人はいきなりはその解説を疑わないだろう。むしろその弁を完全に信じてしまうことの方が多いだろう。
そこが危険なのだ。
ミジンコも代替エネルギーや地球環境保全技術についてはなんとかアポイントメントを取りつけて世界中の博士たちの貴重なお時間を頂戴してはその説をお聞かせいただいている。10人博士がいれば必ず10人の視点がある。だからこそ多くのご意見に耳を傾けるべきなのだ。
ところがニュース番組はどうだろう?解説者が〇〇大学の教授1名なんてことはないだろうか?
恐ろしく片寄った解説が出る危険性があるのに、そんな解説を鵜呑みにしてしまう視聴者も少なからずいることだろう。
その解説者が研究しているテーマに巨額の資金援助がされているなんて珍しい話ではないのだ。そのスポンサーが誰なのかによってその解説者の言っていることの信憑性は大きく揺らぐ。そこを純丘教授は指摘している。とても勇気ある意見だ。本当に当然の指摘なのだ。原発問題が発生しているこの危機的状況の中で、先にこの意見を言えなかったことが恥ずかしく感じるほどだ。
だいぶ前の話だけれど、地球温暖化を抑制する解決法のひとつとして、海中に巨大な金属板を沈めて海藻をその金属板に付着させて育成。海藻の量を増やしてCO2を吸収しようという研究論文を読んだことがある。読んだときには日本が取り組んでいるミドリムシの巨大プールのように生物による解決法として良いアイデアなのかもしれないと思ってしまったものだ。ところがその研究チームを調べていくとスポンサーは巨大な鉄鋼企業だった。正直思ったものだ。「なんだ金属板を売りたいわけか・・・・」と。海中に膨大な数の巨大な金属板なんて設置費用やメンテナンス費を考えたら恐ろしい予算が必要になる計画だ。それでもなんでか「有力なアイデア」としてミジンコのところにまで聞こえてきた理由がなんとなく分かった気がした。
その解説者、言うなればその解説している分野の専門家が言う「安全だ」を疑え!と短絡的なことを言っているわけではない。その意見の背景を知らないままに感じる安全は果たして本当の安全だろうか?と深呼吸して考えてみようという話だ。
純丘教授の「テレビもテレビだ。公正、中立、客観を旨とする以上、解説を学者に頼むなら、原発賛否両方の学者を公平に呼べ。調べるプロなら、連中のウラ事情ぐらい調べておけ。」とのご意見に完全同意。なにかの意見を求めるとき、ましてや原発の事故を解説するという重要な放送のときに原発推進派と反対派の博士たちを公平に呼んで両者に意見を言う機会を与えるべきだ。片方の意見だけ放送するなんてフェアじゃない。ましてやテレビ局は(お世辞にもそうは見えないが)報道機関なのだ。その解説者のバックグラウンドも調査しないで安易に番組に出演させてその自論を公共の電波に乗せるなんてことは言語道断だ。
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