6日付の米大衆紙ニューヨーク・ポストは、ニューヨークの米中枢同時テロ跡地で5日行われた献花式で、犠牲者遺児の10歳の少年がオバマ大統領に、国際テロ組織アルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害について「もうちょっとひどくないやり方はなかったの」と“苦言”を呈したと報じた。
殺害が適切だったかどうか内外で疑問の声が上がる中、オバマ氏は子どもからも厳しい声を突き付けられた。
少年は、生後10カ月だった2001年9月11日に発生した同時テロで消防隊員だった父を亡くしたクリストファー・カニザーロ君。献花を終えたオバマ氏にビンラディン容疑者が死亡したことを「どう思う」と聞かれ、率直な感想を語ったという。(共同)
ソース元:
nikkansports.com
10歳の少年のこの言葉がちゃんと報道されているところはまだまだアメリカは踏み止まっているなと安心する部分はある。
オバマ大統領のビンラディン殺害についての言動がまるで脅えたヒヨコのようだ。アメリカ合衆国大統領としては自分が指示した結果としての人の死に動揺を見せるわけにはいかないのだろうが隠し切れていない。そこがオバマの良さでもあるが、その弱さはアメリカ大統領選に響く。選挙を意識し過ぎたのか、やたらと「Justice=正義」という言葉を使うのはミジンコとしては納得がいかない。アメリカは正義を遂行したのではなく、引き続きテロを継続しようとしていたビンラディンを殺害したと言うに止めるべきだ。
ビンラディン殺害はミジンコは賛成だった。生きている分だけ人を殺す男だ。大規模テロ計画のスポンサーになり指導者にもなった男の殺害だ。特に反対する気が起きなかった。それが正義とは思わない。テロをする者、テロを防ごうとテロリストを殺す者、どちらにも正義はないがミジンコならばテロを防ぐ側につきたいというだけの話だ。繰り返すが正義はどちらにもない。
結果としてビンラディン殺害に対する報復テロは増加するだろうが、ビンラディンが計画の中心的な存在であったであろうテロは防いだはずだ。まるでテロのプラマイゼロのようなもので耐え難いジレンマがあるが、少なくとも数千人の殺害を指示したテロ組織のリーダーはこうなるということを示す必要性は常々感じていた。実際のところ、大口スポンサーであるビンラディンを失ったアルカイダは相当な痛手のはずだ。「敬愛するオサマ・ビンラディン様の指示ならば!」と自爆テロを実行する候補者たちは他の指導者の下では気持ちが揺らぐかもしれない。
いやはや、本当にアメリカ中がひとつのテーマで議論の真っ最中だ。9・11直後のアメリカに戻った感じさえする。当時はアメリカのまるで軍事力こそ正義だと言わんばかりの政治とブッシュ政権の愚かさに呆れ果てたアメリカ人のカナダ移住が大幅に増加した。ミジンコもアメリカ中心の生活や仕事について気持ちが揺らいだのがこの頃。アメリカは好きだったが時折命の危険さえ伴うので言いたいことも言えなくなるアメリカが大嫌いだった。その頃のアメリカに逆戻りな感じがして残念だ。
テロで父を亡くした10歳の少年の言葉をオバマ大統領がちゃんと受け止めていることを願うばかりだ。おそらく当初はオバマ大統領は少年からのもっと違う反応を期待したのだろう。父親のカタキを取ってくれて感謝するとでも思ったのだろうか?意図するところとは違う展開だったのだろうが、オバマ大統領はこの少年に感謝するべきだ。報復の連鎖をどこかで止める具体的な答えを10歳の少年が教えてくれた。
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