視聴するには非常に不愉快極まりない動画。それでもビンラディン殺害後のアメリカの一部(もしくはかなり多数?)で巻き起こっている熱暴走気味な論調に釘を刺す必要な映像だとは思う。
ビル・オライリーという超保守派の司会者が自分のエゴを丸出しで9・11同時多発テロで父親を亡くした青年に猛烈な批判を浴びせている。この青年(ジェレミー)はあくまでも自分の意見を主張しているだけだ。彼の意見を真っ向から否定する権利なんて誰にもない。むしろミジンコには彼のような若者がいてくれることでアメリカの良心を見た気がする。
ジェレミーは父親をテロで殺されたが、それでもアフガニスタンにいる一般の人々を殺すことは間違っていると言っている。その通りだ。9・11で3,000人殺されてもアフガンの人々を殺してはならないのだ。そこがこのクソ司会者、もといビル・オライリーには通じない。そしてこんなビル・オライリーみたいな奴等が大量にいるのもアメリカの現実なのだ。ミジンコが
ビンラディン殺害の報を受けての「USA!」コールに憂鬱になった気持ちが尚更通じることだろう。
酷い司会者だと思った方、挙手!この司会者をぶん殴りたいと思った方、挙手!ミジンコは両手を挙げたい。
これがアメリカ社会の一面ではある。日本だと司会者がどれだけ酷いミスリードをしても、こういう検証番組すら作られないのでもっと酷い状況のような気もするが・・・・・。
メンデンホール、ビンラディン失言でスポンサー契約失う(Yahoo!ニュース NFL JAPAN.COM)
ピッツバーグ・スティーラーズのランニングバック(RB)ラシャード・メンデンホールが、2001年9月11日に発生した米同時多発テロの首謀者とされ、先日に米軍が殺害した国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者に関する失言で、アパレルメーカーのチャンピオンと結んでいたスポンサー契約を失ったことが分かった。メンデンホールは同社と2008年から契約を結び、今年始めには4年の契約延長で合意したばかりだった。
メンデンホールはビンラディン殺害をアメリカ政府が発表し、全米が歓喜に沸いた直後の現地2日にツィッター上で「人の死を祝うのは、どんな種類の人々なんだろう? 実際に話している声すら聞いたことのない人物をそこまで嫌うことはできるなんて凄いことだ。俺たちは、一方の主張しか聞いていないのに」とコメント。この発言に対して批判的な声が多く挙がったため、その後に誤解を与えたとして謝罪し、「自分がビンラディンやアメリカの敵を支持しているわけではないことを理解してほしい」と訴えていた。
チャンピオンのスポークスマンはスポンサー契約を打ち切った理由として、メンデンホールが同社を代表するに適切な人物であると信じられなくなったと発言。また同社はテロと戦う政府の姿勢を強く支持し、今回の米軍の行動は適切なものだったとの声明を発表している。
ラシャード・メンデンホールのツイートを1回読むだけで彼がテロを支持しているわけでもなく、ましてやビンラディンを擁護しているわけでもないことはすぐに理解できるはずだ。それでもアメリカではこの発言が問題視されスポンサーは降りる。
スポンサーについては企業のイメージアップと商品の販売促進を期待しての契約なのだから、契約を反故にしたのはラシャード・メンデンホールの方だという見解は理解できる。そこはプロなのだからメンデンホールに非があるとは感じる。しかしながら、彼のツイートを見ていきなりアメリカの敵のように扱うアメリカ人たちには呆れ果てる。ブログの一言メッセージにて「ディクシーチックスの悪夢再び・・・」と表示したのは、まるでディクシーチックスのときと同じような現象がまたしても起きているからだ。
ディクシーチックスは、イラク戦争を始めたブッシュ大統領を恥ずかしく思うという旨の発言をした。そこからがこの超有名カントリー・グループの茨の道の始まりだ。彼女たちのCDをブルドーザーで踏み潰す馬鹿が現れ、彼女たちの曲をかけたDJが二人も解雇され、そして彼女たちの家族の安全まで脅かされた。今も彼女たちは一部のアメリカ人たちからは憎悪の的だ。
しかし今は状況が少し異なる。ディクシーチックスの毅然とした態度は高く評価されているし、一部アメリカ人たちの過激で盲目的な反応に対しては批判の声が大きくなったのだ。アメリカには言論の自由があるはずじゃないか?という議論だ。
ところが、またしてもと言うべきか、ラシャード・メンデンホールは袋叩きにあっている。
アメリカにはビンラディンが死んだことを喜ぶ自由がある。馬鹿みたいに「USA! USA! USA!」と叫んだってそれも自由らしい。静かに人生の一区切りがついたと受け止める自由もある。それでもラシャード・メンデンホールは猛烈に批判する人々がいる。実はミジンコは彼の意見に100%同意はしていない。意見に同意しないというよりも、遺族感情を考えたらオサマ・ビンラディンが殺されたことを喜んでもいいのではないかと考えた。実際にはどの遺族のインタビューを見ても複雑な心境のようで「USA! USA! USA!」と大喜びしている遺族たちを見たことがないが・・・・・。今もって理解に苦しむのだ、ビンラディンが死んだからといってあの「USA! USA! USA!」ができる心境とはどういったものなのだろうかと。その点ではラシャード・メンデンホールと同じ印象を受けたのかもしれない。
ラシャード・メンデンホールの意見への賛否はともかく、彼を敵視することがどうかしている。ミジンコにとってもあの「USA! USA! USA!」の大騒ぎは受け入れ難いものだった。なにかが解決したわけでもないどころか、その大騒ぎが新たなテロを生むというのになにをやっているのだこのバカ者たちは・・・・といった印象だった。
アメリカってやつはなかなかに住みにくい国なのかもしれない。それでもアメリカが大好きだけれど。
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