東電がなにを発表しても信用ならない。
東電:1号機燃料棒露出、「水棺」見直しも-メルトダウンではない(ブルームバーグ)
一部抜粋:
松本氏は「燃料棒が完全に露出しており、崩れた燃料が容器の底にたまっており、そこで冷やされている可能性がある」と述べた。
松本氏は「1号機の水位は通常時の燃料棒の上部から5メートル以下で、長さ4メートルの燃料棒が完全に露出して溶け落ちている可能性がある」と述べた。
松本氏は「圧力容器の表面温度は100-120度となっており、冷却はできている。燃料は形状をとどめていないものの、圧力容器の中で冷やされているので、いわゆるメルトダウンではない」との見方を示した。
燃料棒が溶けて圧力容器の底に溜まっているが注水されている水のおかげで冷やされているのでメルトダウン状態ではないと本日の昼にはそう東電は主張していた。
メルトダウンの定義から大きく外れた解釈に唖然とした。メルトダウンを英語で直訳してみろって話だ。
福島第一原発1号機「メルトダウン」東電認める(YOMIURI ONLINE)
一部抜粋:
東京電力は12日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉圧力容器で、冷却水の量が少ないため完全に水から露出した核燃料が過熱して容器底部に落下し、直径数センチ程度の穴に相当する損傷部から水が漏れていると見られると発表した。
東電は、この状態が「メルトダウン(炉心溶融)」であることを認めた。
東電は、圧力容器の温度は100~200度と安定しているため、今後大きな事故に至る可能性は低いと見ているが、圧力容器を覆う格納容器からも水が漏れだしている可能性が高く、事故収束は難航が予想される。
そして夜になると東電はメルトダウンを認めた。こういう組織なのだ。
燃料棒が完全に溶けてしまっているか否かで言えば、もはや完全に溶けて底に溜まっているという見方がおそらく正しいのだろう。東電は、今のところ冷やせているからメルトダウンではないと言いたいわけだ。担当者が映画の「チャイナシンドローム」とは異なるといった発言まで記者会見でしていた。東電も政府もチェルノブイリだとか「チャイナシンドローム」だとか最悪なケースを例に出して比較的にどうたらこうたらと述べることが多いが、問題なのはそんな比較論ではなくて事態を収拾できるのか否か、できるのだとしたらその期間がどの程度かかるのかだ。
事態を収拾している最中にまた大地震が福島を襲うかもしれない。メルトダウン状態の圧力容器と格納容器が穴を塞ぐどころではないほど崩壊したときに日本は福島どころか東日本の大部分を失うかもしれないのだ。震災から2ヶ月も経つと人々の危機感も薄れがちになっているような気もするが、福島原発事故、その事態は悪化しているのだ。正確に言えば元々悪かった事態をやっと把握しつつあるといったところか。
恐るべきは東電だ。昼の時点では炉心融解がしているのにメルトダウンではないと発表していたのだ。現実を見ろ、東電!
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