にわかには信じ難い話だが、週刊朝日は自信を持って伝えている上に、当事者であるボランティアの方々がブログで伝えている内容からしても本当のことらしい。フジテレビが放送した27時間テレビのライブ会場設営作業に被災地ボランティアとして3,500円を支払って参加した人たちの労働力が使われていた模様。
被災地ボランティアのつもりが 「27時間テレビ」設営作業の怪(週刊朝日)
一部抜粋:
7月23日午前7時、ある旅行会社が参加費3500円で募った個人ボランティアを乗せたバスがJR仙台駅を出発した。42人の定員いっぱいで、地元ボランティアセンターからの指示を受けて南三陸町の志津川中学校へ直行。そこで待ち受けていた「ボランティア作業」が、27時間テレビの会場設営だった。
42人の男女に配られたのは、首から下げる「スタッフ」パス。番組スタッフらしき女性に指示されながら、男性はテントや土嚢の設営を、女性は飲み物の仕分け作業などを手伝わされた。
この日帰りツアーには、関西や九州から駆けつけた人もいた。作業に取り組む間、何度か声が上がった。
「遠くから時間をかけて来たのに、なんでテレビ局の仕事を手伝うんだろうね」
「これってフジテレビへのボランティアじゃない?」
復興支援のつもりで旅行支援のツアーに参加費まで支払っている人々がテレビ番組の制作に使われている。その番組自体が被災地の復興支援とするには余りにも無理がある。民間企業が事業、即ち営利目的で制作しているテレビ番組なのだ。スポンサーから調達した資金で番組制作をするべきであって、被災地支援が目的のボランティア・スタッフを労働力にするべきではない。ボランティアの方々からしてもこういった使われ方は不本意なことだろう。実際にこのボランティア(?)に参加した方々の中からも不満が噴出している。
以下がこのボランティアを募集したときの要項。
【名鉄観光】仙台駅発着 東日本大震災復興支援 南三陸町日帰りボランティアバス参加者募集
東日本大震災復興支援ボランティアを募集しております!
仙台駅より貸切バスにて「南三陸町」まで案内いたします。
食事は付いておりませんが、携帯食(カロリーメイト)1箱をお渡しします。
24時間オンライン空席照会・予約OKです。
○活動の流れ:
【日程】
7月23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)
【集合場所】
仙台駅西口貸切バス乗降所 6:50集合
【行程】
07:00 仙台駅西口発
10:00 南三陸町災害ボランティアセンター着、ボランティア活動
16:00 南三陸町ボランティアセンター発
17:00~18:00 道の駅 上品の郷にて休憩
20:00 仙台駅西口着
【活動場所】
宮城県本吉郡南三陸町
【食事】
各自ご準備願います。携帯食(カロリーメイト)1箱がつきます。
【参加費】
1人 3,500円
↑この内容を見て応募したボランティアの方々にしてみれば、実際の作業はテレビ番組の中継会場設営では騙し討ちみたいなものだ。
フジテレビは会場設営には自社で調達したスタッフを使うべきだ。そりゃ、人件費がかからない設営スタッフがいれば番組制作費はだいぶ浮くことだろう。しかしながら、被災地ボランティアのつもりで参加費まで支払った人々に復興支援ではなく営利目的の番組制作を手伝わせることは詐欺だ。
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