NHKやテレビ朝日で報道された細野環境大臣の「汚染物の最終処分場は福島県外で」や「痛みを日本全土で分かち合うことが国としての配慮」といった発言。このソース元があっという間に削除されていることはどうしたことだろう?
まぁ、呆れてモノも言えない大臣の発言だ。汚染物を日本全土に拡散させるとはテロ組織でもなかなか考えつかない大規模テロだ。日本に人が住めなくなってしまう。
勿論、痛みを分かち合うということは必要だろう。ただし、「痛みを分かち合う」、その言葉は痛みを全員でシェアして全員がダメージを受ければ良いといった意味では使われないはずだ。気持ちの問題であって本当に助ける側までダメージを受けていては助けられるはずだった人々まで助けられなくなる。
救助隊が要救助者たちがかわいそうだから同じくらい怪我をしろってな理屈は正気とは思えない。助ける側は健康で元気に越したことはない。
細野大臣は日本全土に汚染物を拡散する方針のようだが、これは断じて許されることではない。汚染物は福島に留めておくことが日本の未来のためだ。わざわざ日本全土を汚染される必要はない。痛みを分かちあっても汚染物は分けるべきではない。福島の既に汚染が深刻な地域に汚染物を集積する、これ以外の選択肢があるはずもないのに日本政府内で妙な議論がなされているようだ。そんなに日本中を汚染させたいのだろうか?
本来は議論の余地すらもないことなのだ。福島県民の感情がどうであろうとも選択肢はひとつしかない。汚染物はその汚染物が発生した場所からわざわざ違う地域に輸送するべきではない。そんな人は滅多にいないだろうが仮に福島県民が日本中で汚染物をシェアするべきだと主張したところでそれを聞き入れていては日本の未来は無い。全く汚染されていない地域に汚染物を運んでしまうよりも福島県内に汚染物を留めておく、これ以外の選択肢は有り得ないのだ。繰り返そう。これは議論云々の話ではない。他に選択肢など有り得ないことなのだから。
そりゃ誰だってキレイごとは言いたいだろう。福島県民を目の前にしても汚染物は県内から出すなとは言い難いだろう。ミジンコはそういうことを言える人間だが、環境大臣ともあろう者がこの深刻な問題に対しても「痛みを分かち合う」などというジンマシンが出るようなキレイごとだ。違う!今はそういうキレイごとを言うべき事態ではない。真剣に日本が取るべき選択を説明して、福島県民にも正直に「痛みは分かち合えない」と言うべきときだ。
細野大臣の言う「痛みを分かち合う」は「愚かな共倒れ」でしかない。
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