マンハッタンで何度も何度もデモ隊と警官隊が衝突している。9・11の10年目の式典までは今デモに参加している人々もなんとか我慢していた模様。その9/11後からは、就職できない学生たちなどが今のアメリカの社会構造に不満を表明するための座り込みを開始したりもした。デモ行進も連日のように行われている模様。
税金を投入して救済された金融機関が莫大な利益を上げていながらそれを社会に還元していないで自分たちのボーナスにしていることへの不満。今のアメリカ社会は富裕層がより富を築きやすく、貧困層はいつまで経っても這い上がれないといった声。結局のところ大企業から雇われたのロビイストたちが政治家たちを動かし大企業のための政策が優先され、社会弱者たちは政府から無視されているかのような状況などなどアメリカ人たちが抱える不満は爆発寸前なのだろう。
日本の社会構造も知っている自分としては、実は日本の方がもっとアンフェアな社会だと思わなくもないが、日本がもっと酷いんだからアメリカ人は我慢しろというのは違うと思う。どっちの社会も強者がより強者になり弱者は死ねといった構造にはなっていやしないだろうか?まぁ、日本もアメリカも偽装弱者が多いのでこの問題をひとつの視点からだけ語ることさえ危険だ。
マンハッタンでの座り込み集団やデモ隊の言い分の是非は置いておきたい。今回はデモの内容についてではなく、別の出来事について触れたい。
どうにも残念な出来事が一応は民主主義国家の雄であるアメリカ合衆国の中心的都市であるニューヨークで起きている。
座り込み参加者やデモ隊から逮捕者が続出しているのだ。1日のブルックリン橋でのデモでは700名以上もの逮捕者が出た。
リンク先は85名もの逮捕者が出た座り込み運動の写真の数々。催涙ガスを座り込みをしている人々に直撃させたのでデモ参加者たちはミネラルウォーターや牛乳で目を洗っている。警察官の暴行が酷い。(英文ですが写真が多数あるので理解しやすいです)→
32 Pictures Of Police Brutality From Occupy Wall Street Protests(BuzzFeed)
客観的に見ても警官隊がデモ隊に襲いかかっているような動画をいくつも見た。勿論、座り込み集団やデモ隊にも行き過ぎた行為をしていた者が多数いた。そこは本当にそうなのだが、警官隊の方から攻撃している光景も何度となく見ている。どうしたことなのだろう?デモの自由は民主主義国家の根幹に位置するべきことだというのに、今のニューヨークではデモ隊がイコールして容疑者のような扱いなのだ。
ニューヨークでは数千人規模のデモが増加傾向。社会に対して怒っていた人々が行政や警察のやり方に憤ってデモが膨らんでいるのだ。
これはニューヨーカーにとっても恥ずかしいことだ。中東・アフリカで連鎖的に起きた革命に触発されてのニューヨークでのデモとも聞いたのだが、デモ隊と警官隊のぶつかり合いを見るにまるでニューヨークまで独裁政権があるかのようなのだ。これにはニューヨーカーたちも動揺し困惑している。
このままではデモ隊から死者すら出かねない勢いだ。
民主主義とはこんなに素晴らしいんですよと謳っている国の都市でこのデモ隊と警官隊との連日の衝突。なんとも情けない民主主義だ。こういう光景を世界に発信しておいて民主化を進めるために軍隊まで派遣しているアメリカはそりゃ嫌われる。外国での民主化デモを煽っておいて、自国ではデモ隊を暴力でねじ伏せている。このダブルスタンダードはとんでもないことだ。
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