今回はまだ多くを語ることは避けてとにかくソース元が消えた後にも自分とこのブログをご覧の皆さんのアーカイブとしてソース元の記事を残しておきたい。数年後に何度となく読み返すことが必要となる日本最大級の悲劇の「序曲」とも言えるニュースなのだと感じるのだが、いかんせんソース元にもあるように今の時点で原発事故との因果関係を明確に示すことは難しい。いや、正直いってこれを原発事故と全く無関係だとすることは人として間違っているとは思うのだが・・・・・。
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信大病院(ともに松本市)が、福島県内の子ども130人を対象に今夏行った健康調査で、10人(7・7%)の甲状腺機能に変化がみられ、経過観察が必要と診断されたことが3日、分かった。福島第1原発事故との関連性は明確ではない。旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の被災地では事故から数年後に小児甲状腺がんが急増しており、JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だ。
調査は原発事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち希望者を対象に7月28日、8月4、18、25日に実施。130人は73家族で生後6カ月~16歳(平均年齢7・2歳)。医師の問診と血液検査、尿検査を受けた。
甲状腺は成長に関するホルモンをつくる。今回の調査で1人が甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人が甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。甲状腺機能低下症と診断された例はなかった。信大病院の中山佳子小児科外来医長は「現時点では病気とは言えないが、経過観察の必要があるので、再検査を受けるように伝えた」としている。
ほかに、2人の男児(3歳と8歳)が、甲状腺がんを発症した人の腫瘍マーカーにも使われる「サイログロブリン」の血中濃度が基準値をやや上回った。サイログロブリンは甲状腺ホルモンの合成に必要なタンパク質。甲状腺の腫瘍が産生したり、甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊されたりすることで血中濃度が高くなるが、健康な人の血液中にも微量存在する。
原発事故で放出された放射性物質のうち、放射性ヨウ素は、甲状腺が甲状腺ホルモンを合成する際にヨウ素を使うため、人体に取り込まれると甲状腺に蓄積、甲状腺がんや機能低下症を引き起こす。
JCFの鎌田実理事長(諏訪中央病院名誉院長)は「いろいろ意見はあるが、被ばくの可能性は捨てきれないと思う。継続してフォローしていくのはもちろん、福島の新たな希望者がいれば、健康調査の枠を広げるつもりだ」と話している。
ソース元:
信濃毎日新聞
7ヶ月目にして7.7%が甲状腺機能に変化か。日本語は状況を誤魔化しやすい言語だとつくづく感じる。機能の変化といえば悪化していると言っているわけではないということになる。実際は成長期の子供たちが重大な健康被害のリスクを負っており、更にその状態が悪化する可能性があるということだ。
放射線を受けた細胞はガン細胞に変異する可能性が高まる。その可能性が原発事故後には各段に上がったはずなのだが、今もって「被曝の可能性」だとか「経過観察の必要性」だとかこれでもかっていう位に遠回しに表現しなければならない日本はどうかしている。本当に子供たちの将来を考えるのであれば、もうこの時点で被曝したと認定して定期健診の徹底、即ちガン細胞の限りなく早期の発見を目指す体制を敷いていくべきだ。この件に関しては悲観的が悪いことだとは思わない。最悪の事態を想定して防げる犠牲は防ぎ、伸ばせる命は絶対に伸ばすべきだ。変な諦めた雰囲気、絶望感などは捨て去って断固たる決意で原発事故後のベストを尽くす、これが日本人のあり方だろう。
今回のニュースは調査範囲も狭く、対象となった子供の人数も少ないためにデータのひとつといった見方が正しいとは思うのだが、この時点での7.7%の甲状腺機能への影響が明らかになったことは衝撃的ではある。思ったよりも早いと感じた上に、この限定的な調査でもこれだけ高いパーセンテージが出ていることにはもっと自分も気を引き締めていかないとならないと感じた。
あくまで今回はこのソース元の保存を目的とした記事ではあるけれど、1点だけ述べておきたいことは2chなどでやたらと目につく「もうお終い」といった言葉を簡単に吐く人々が余りにも短絡的だと思う件について。
ある子供がいて若い内に甲状腺ガンを発症したら「お終い」だろうか?そんなことはない。勿論、ガンにならない人生よりは苦労は多いが絶望的な人生になるとは限らない。医療の進歩も科学技術の進歩も目覚しい。小児ガンが即ち人生がお終いとはならないのだ。転移の恐怖はそれは怖い。それでもその恐怖を感じているときはまだ諦めるのは早計だ。ネットなどで、ガンだからこうだ!と人の人生が絶望的になったかのように決めつけるのは余りにも乱暴だ。ミジンコとしては、福島原発事故が原因となってガンを発症した人たちが手術や長期の治療は必要となったとしても人生を謳歌できるようにしていく、そういう日本にしていくつもりでいたのだけれど、どうにも悲観的な人も多いようで意外だった。
ガンになって喜べるわけはないだろうが、それ即ち絶望とするにもどうにも違和感を感じる。人生とはそんなに簡単に諦められるものじゃない。ましてや福島などの子供たちには何十年もの人生が待っているはずなのだ。その通り何十年もの人生が送れるようにしてあげるのが大人の責務であり、ネットなどで「ガンになる~、ガンになる~」と言うだけで子供を怖がらせるだけの大人ってのは今までどんな人生を送ってきたのかと。
わざわざ被曝することはないので今の政府のやり方には憤っている。本当に愚かな政府だ。その今の政府の数々の愚かな原発事故後の対応を後世に伝える担い手として被曝した子供たちには期待している。原発の選択したことへのリスクの大きさを最も理解している子供たちだ。是非ともその子供たちがお爺さん、お婆さんになれるような対応に国も社会も努めていくべきだ。被曝した子供たちが将来の夢を語れるような日本じゃないと嘘だ。そういう日本にしていくべきだ。
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