人間、なかなか意識して涙を流すことは難しい。演じることを職業とする役者でさえ、リテイクの連続のときにはさすがに何度も泣けない。
ミジンコの場合は紛争地帯などでどんなに悲惨な光景を見ても涙を流すことも無くなった。泣いているその時間が現地では致命的。そんなこんなでほとんど泣いたことがなかったので、泣くこともそうはないのかと思っていた。祖母を亡くしたときに全然止まらない涙に自分で驚いた。自分がこんなにも泣けるものなのかと本当に驚いた。その晩にブログを更新したことは今でも覚えている。普段から下書きどころかなにを書くのかも決めていないで編集画面を開いてそのまま書くミジンコ。その時に書いた記事も下書き一切なし。数分で書き殴った記事の間も涙がボロボロ出てえらいことになっていたのでよく覚えている。
金正日総書記の死去を知り、泣き出し、うなだれる北朝鮮の平壌市民(日本経済新聞)
何百、何千人も動画に写っているが一滴の涙も確認できず。
嘘泣きを上手くやらないと大変な目に遭うんだろうからみんな必死なのだろう。それでも嘘泣きってやつは難しい。涙ってやつはそう簡単に出るものじゃない。
北朝鮮の市民たちは、なんとか悲しいときのことを思い出したりして苦労して泣こうとしているのだろうがそれも長時間は続けようがない。それでも周囲の目が光っているのだろうから恐怖を感じつつの泣き真似なのだろう。嘘泣きしている人々が他の嘘泣きしている人々を監視している社会。悲惨だ。
[19回]
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