小沢一郎への無罪判決についてどうしても納得のいかない点がある。これは部下や秘書を持つ身の方々ならば共通認識だと考える。
小沢一郎、即ち上司が「虚偽記載を了承した」ということは裁判所は認定している。しかし、なぜ小沢一郎は無罪なのか?それは裁判所が小沢一郎が「虚偽記載であったという認識をしていた」ということを原告側が立証できなかったが故に「虚偽記載であったという認識をしていた」とは断定できないのだから「疑わしきは罰せず」を今回も採用したわけだ。
冒頭で述べたように部下や秘書を持つ身の方々ならば、こんなことが通じるものなのか?と思わずにはいられないのではないだろうか?
帳簿になにかしらを記載することを了承した上司がその内容を把握していなかったということになる。4億円ものお金の出入りについて!?
つまり、帳簿を理解していない上司だと無罪。帳簿を理解できている上司だと有罪だったということなのだ。馬鹿で無責任な上司の方が罪に問われないで部下のせいにできるってことになる。これでは馬鹿で無責任だと無罪だってことじゃないか。部下が会社に隠して横領していたわけじゃあるまいし、上司の了承を得た行為でも部下は有罪、上司は無罪なのだ。そんなとんでもなく馬鹿な上司がいる恐ろしい職場で働く従業員たちには悪夢のような判例ができてしまった。
上司が逐一細かいお金の出し入れを把握できないという言い訳が4億円もの金額でも通じるということになった。これはえらいことになった。全国の帳簿に関わることがある従業員の皆さん、もし会社のためと思ってやった業務であったとしてもそれが実は犯罪で、責任を担うべき直属の上司やあろうことか社長までもが「了承はしたけれど内容は把握していなかった」と法廷で述べたら、皆さんは有罪で上司は無罪ということになりかねない。そんな馬鹿な!とは思うが事実そういう判例が出たわけだ。最高裁判例ではないことがせめてもの救いだ。
[20回]
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