小沢一郎が自分の派閥の議員たちと一人一人個別に面談をしてその場で離党届を書かせたという。一人の議員が他の議員が所属する政党を決定しているということだ。そんな権利が一国会議員にあるはずがない。いわゆる小沢チルドレンと呼ばれている議員、しかも結構な歳であろう議員はインタビューで「小沢先生に身をゆだねる」と述べていた。見たこともない議員だった。名前すらも覚えられなかった。自分の将来を自分で決められない人物が国会議員になっている現状は異常事態だと改めて痛感した。
小沢一郎は岩手県第4区より選出された衆議院議員である。今は特に与党の要職を担っているわけでもなく、ほんの少し前までは党員資格さえ失っていた人物だ。その原因となった件については控訴をされているので本来は小沢一郎はまだ無罪が確定したわけではなく、民主党が小沢一郎の党員復帰を決定したことがそもそもおかしな判断である。
そんな一人の国会議員でしかない人物が他の国会議員の今後を決める権利があるかのごとく振る舞っている。しかも数十名もの議員に対してだ。小沢一郎から離党を促された議員たちの多くは衆議院議員だ。衆議院議員には別の呼び名がある。代議士だ。有権者の代理として政治を行う職責であるが故に代議士と呼ばれる職業だ。各選挙区ごと代議士を国政に送り出し、その選挙区の声を国政に反映させる、この当たり前のルールを小沢一郎はまったく尊重していない。剛腕だかなんだか知らないが自分の子分たち、そう子分ではあるものの衆議院議員たちに対してただの国会議員でしかない小沢一郎が彼等の今後の党籍の決定権があるかのように振る舞っている。そんな権利は小沢一郎にはない。
小沢一郎はそれらの子分である代議士たちを軽く見ている。そしてなによりもその子分たちの地元、すなわち選挙区の有権者たちをも軽んじている。皆さんはどう感じるだろうか?自分の選挙区の国会議員がその議員の意思とは関係なく小沢一郎によって離党という決断まで強いられてしまったとしたら。
比例代表で当選した議員にしても同じことが言える。民主党が獲得した票で当選した議員たちが党に残る・残らないを小沢一郎が決める権利なんてあるわけがない。ここでも有権者を愚弄する小沢一郎の態度が明らかだ。
一人の議員が他の議員の意思決定権を有するというのならば尚更のこと今のような膨大な数の議員定数を大幅に削減するべきだ。考えること、決定することすらできない議員たちが親分のように振る舞う政治家の言いなりだというのならば、議員定数が多いことが国政にとっては百害あって一利なしだ。
「自分が辞めるからおまえも辞めろ」←これは最低最悪な上司の台詞だ。なんでおまえがトラブルを起こして辞めていくのに部下たちが付き合わなくちゃいけないんだっての!なにかにつけ周りを巻き込むヤツって本当に小さいヤツだ。そんなヤツについて行こうとする愚かな子分たちも救いようのない情けなさだ。結局、自分を持っていないからホイホイと腐ったボスにもついていく。虫や植物でももう少し自我というやつを持っていそうなものだ。
本来、小沢一郎が本当に子分たちに立派な政治家だと思われているのならば、小沢一郎がスピーチをすることもなく、ましてや個別面談なんてする必要もなく、ただなにも言わずに離党さえすれば一斉にその子分議員たちは離党して行動を供にするはずだ。ところが現状はどうだろう?まるで強迫めいた個別面談で離党を強要しない限りは自分の派閥から何名がついてきてくれるのかも分からないし不安なのだ。今までの行動が立派な政治家だったのならば、「俺についてくるな!」と子分たちに厳命を下しても子分たちはなんとしてもついていくことだろう。ところが実際に小沢一郎がやったことは個別面談の席での離党届け記入の強要。子分の中からは離党したくないので助けてくれと悲鳴を上げている者もいるとか。親分も子分も本当に下衆だ。なんというカッコ悪い政治家たちなのだろう。
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