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竹島、北方領土の領有権について国際司法裁判所での法による解決を求めるなら、尖閣についても国際司法裁判所に提訴されるリスクもある。しかし自分の主張に自信があるなら、堂々と法に基づく解決に応じれば良い。出された結果は受けざるを得ない。それが法の支配だ。
つい最近、「竹島を韓国との共同管理とすべき」という意見を述べて物議を醸した橋下市長。今度は尖閣諸島でもなんとも理解に苦しむ発言だ。本当にちゃんと考えて喋っているんだろうか?
中国が国際司法裁判所に提訴してそれを日本が受けて立つというのならばまだ理解できるのだが日本の方から提訴しなければならない理由がどこにあるのだろうか?それが法の支配!?いったいどういう法の支配なのだろうか?そんな無茶苦茶な支配があってたまるか!
領土問題がハーグ(国際司法裁判所)で決まるものなのか?中国の領土拡大の野望がハーグの裁定で止まるものなのか?といった疑問もあるがそれは今回は置いておく。ハーグで領土問題が解決するという前提で考えたとして、日本にとっての尖閣諸島は実効支配中の領土なのであって、他国が「そこは我が国のものだ!」と突然領有権を主張してきた場合、ハーグに提訴すべきはどちらなのかは明らかだ。
家の外で「その家は俺のもんだー!」と叫んでいる強盗がいて家の権利書を持った上でその家に住んでいる住民がわざわざ「家の権利」を巡ってその強盗を提訴しなければならないのだろうか?ちょっと橋下市長が自分でそれを実践してみて欲しいくらいだ。誰かが橋下市長の自宅の前で「その家を渡せー!」と叫んできたら、自宅の権利を主張するためにわざわざ橋下市長はその変な人を告訴するのだろうか?それは裁判をするべきことだろうか?ミジンコならば「ここは俺の家だ。帰れ!」で済ます。
竹島と尖閣諸島をゴチャ混ぜにして語っているようにしか見えない。ふたつはまったく状況が異なるというのに・・・・・。
橋下市長は、最近、日本維新の会の支持率が高くないことが判明して焦っているのだろうか?そりゃあんな慣れ合いの討論会を2度も公開した上で参加者の顔ぶれがこれまたなんとも支持が得られるとは思えない面子なのだ。自業自得とはいえ焦る気持ちは分からなくもない。なんで今のような面子で国政に討って出ようと思ったのだろうか不思議でならない。正直いって次の解散総選挙前に維新の会の実態が明るみになってきたことに安堵している。もう民主党が政権を奪取したような状況は懲り懲りだ。
橋下市長には、尖閣問題について日本が裁判を回避したがっているかのように取られ兼ねない無責任な発言は止めて貰いたいものだ。そもそも領土問題ではない上に中国が提訴をしたがっていない。そりゃそうだ。中国が提訴したところで勝ち目が1ミリもないのだから。そして更に南沙諸島までも失うリスクを中国が取れるはずもないのだ。その状況で侵略の恐怖に晒されている側の日本がわざわざ尖閣問題を領土問題にしてしまう愚を提案するなんて本当に弁護士の感覚とは思えない。クライアントの立場をわざわざ危険に晒す弁護士なんてとんでもない。橋下市長の言動は政治家としても弁護士としても日本人側に立っての発言とは思えない。