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写真上が今回ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授、写真下が共同受賞されたiPS研究の扉を開いたと研究者たちの尊敬を集めるジョン・ガードン博士。余談だがガードン博士は今も昔も凄くハンサム。若かりし頃のガードン博士はまるでハリウッドスターのような風貌。
このブログで何度かノーベル医学生理学賞の受賞発表後に山中教授が受賞されていないことを愚痴ったことがある。受賞するに値する功績があると考えていたからだ。そういうわけで今回の受賞で「やっと」という思いが強い。共同受賞者のケンブリッジ大ガードン博士の78歳という年齢が今回の山中教授の早期(←どこがじゃー!)の受賞につながったと見る向きもあるようだが、年齢が若かろうとも既に受賞に相応した功績を山中教授は残している。
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さて、その山中教授のインタビューの内容が興味深い。ひたすら研究を支えた国や県や大学への感謝なのだ。
山中氏ノーベル賞:「国の支援のたまもの」記者会見で(毎日jp)
日本は更に研究者たちへの支援をするべきだとつくづく思わずにはいられないインタビューだ。本当は山中教授は研究費獲得に奔走していたし、後進たちが可能な限り充実した環境で研究費獲得などの煩雑さから解放される土台作りに奔走されていた方だ。いや過去形ではなくて今でも山中教授は研究者が研究に没頭できる環境作りに奔走されている。本来は研究だけに集中したいであろうに、今の日本ではまだまだ最先端の研究に取り組むリーダーたちが政治的にも経済的にも動かねばならないのだ。ここが日本の大問題点だ。
ノーベル賞受賞をただ拍手するだけではなくて、日本の研究者の地位向上がひいては日本の国力増強にもつながるということを国民の共通認識としていかなければならない。「2番じゃダメなんですか?」なんて馬鹿げた発言が2度と政治家の口から飛び出さないような国にしていくべきだ。あの発言をした政治家が愚かだったということもあるが、あの政治家にあんなとんでもない発言でも通ると感じさせたことがそもそも良くなかった。仕分け作業で理化学研究所がやたらと槍玉に上げられていたこと自体が異常事態だったのだ。研究をしなければなにも生まれない。ただし研究過程に於いてはなにも生まれないし成果も見えないこともある。それでも研究者たちだけではなくそれを税金で支える国民もその研究過程への理解を示していけばこの国はもっと強くなる。優秀な研究者がこれほどいる国であることを誇りにしてその研究者たちを支援する国作りこそが結果として好景気となって国民に還元される。
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