国益を大きく損なう政治判断を下した政治家への罰則規定の再構築が必要だとつくづく感じる。あの民主党の前原誠司などは山中教授と同じ50歳という理由だけで自分は(たった)4~5年前から面識があるということをアピールし始めた始末。研究者たちが民主党がしてきたことに対しての本音を吐露するわけにもいかないだろう。政治に巻き込まれている暇なんて研究者たちには無い。ただただ時間と予算が欲しいというのが本当のところだろう。
民主党が今回の山中教授のノーベル賞受賞についてそれが賛辞であろうとも謝罪の前に言葉を発する権利すらない。そう断じるにはそれ相応の経緯がある。その経緯を以下に簡単に書き記しておく。次の総選挙の参考に是非ともしていただきたい。当ブログの管理人・ミジンコはこの経緯についてこの3年間ハラワタが煮えくり返る思いをしてきた。同じ思いの皆さん、そして研究者の方々は膨大な数に及ぶことだろう。そんな過去をまったく清算しないままにノーベル賞受賞について今更になって肯定的なことを述べる民主党議員たちには吐き気がする!
民主党政権後に元々は自民党・麻生政権時代に決まっていた総額2,700億円の基金への予算は1,000億円へと大幅に削減される。最高は4年間で1人50億円と、それでも前例のない巨額研究費と報道されていた。4年で50億円なので実は1年では12.5億円に過ぎないということにマスコミが触れたところを見たことがない。この基金の目的は、世界最先端の成果を生み出し、日本の競争力を高めることにあった。日本という先進国の国力増強に費やす予算が1研究あたり最高でも年間12.5億円とはいかに低い額だかは説明するまでもないだろう。米ハーバード大学は毎年研究費への寄付金で8億ドルほどを集めている。
麻生政権時代に150億円の支援と決まっていたものが民主党政権になって100億円減額の50億円となったのだ。つまり1/3の研究費で同じ成果を出せと国に言われたということだ。その後の山中教授の資金集めへの奔走は皆さんもご存知のことだろう。マラソンに出てまで寄付を募ったことは既に・・・・というべきかやっと日本で有名な話となった。
民主党によって予算を削減された基金から最高額となる4年で50億円の配分を受けたのは僅かに2名。今回ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授、ならびに電子顕微鏡研究の第一人者である日立製作所の外村彰フェローだ。150億円だったはずの予算が50億円の減額となったのだ。最高額とはいえ、山中教授や外村フェローの失望は想像に難くない。後に山中教授は仕分け作業について、その問題点を痛烈に非難していたが至極もっともな正論中の正論だった。
更に注目すべきは50億円という最高額の配分が認められなかった研究者たちが大勢いること。基金が1,000億円となり当初の予定よりも1,700億円の減額となったためだ。その最高額を受けることができなかった研究の例をいくつか下記に記す。
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2度目のノーベル化学賞も現実味を増してきた田中耕一さん(島津製作所)には総額34億円が支給されることが決定した
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横山直樹・富士通研究所フェロー(グリーン・ナノエレクトロニクス)へ45億円
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岡野栄之・慶応大教授(神経基盤の遺伝学的解析など)へ30億円
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審良静男・大阪大教授(免疫制御法研究など)へ25億円
これらの研究のいずれもが人類にとって多大な貢献をするであろう基礎研究の数々だ。莫大な予算の元で研究を続けるアメリカの研究者たちならば絶句してしまうほど国からの支援が小額だ。日本の研究者が特許を取得すればいずれは莫大な国益となって返ってくるというのに民主党政権がやったことは研究費の削減だ。今更ながらに怒りが増すのはあの仕分け作業だ。歴代のノーベル賞受賞者たちが一斉に仕分け作業の批判をし記者会見までしたその気持ちが痛いほど伝わってきた。
この民主党が基礎研究をないがしろにして今後の日本を支えるであろう研究開発費を大幅に削減をした事実を置いておいてただノーベル賞受賞ヤッター!で収めるべきではない。ちゃんと誰がどういう理由で研究予算削減に関わり決定したのか、そこを追及しないままにノーベル賞受賞という結果だけ見て今まで民主党がしでかしてきた国力を削ぐという行為を許すわけにはいかない。
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