iPS細胞を使った治療を行ったと自称する森口尚史なる人物をマスコミが猛烈に叩いている。ニューヨークで開かれた会見では多くの記者たちが順々にこの人物に質問と称した罵声を浴びせていた。会見中には失笑もチラホラ。
別に森口尚史なる人物をかばうつもりはないが見た感じなにかの病に犯されている感もあり、また、この人物が今まで述べたことが虚偽であることは既に明白なのであって今更記者たちが追及したところで「あとはなにが知りたいのか?」といった印象。そりゃ嘘つきの嘘を暴くのはラクな作業だ。過去の言葉の矛盾点をつくだけで事足りる。その作業はまるでジャーナリズムのように思えて日本の記者たちを酔わせているようだ。実際には記者たちがやっていることは自分たちの不手際によって恥をかかされたことへの報復に過ぎない。英文のレポートを記者たちの一人でもちゃんと読めていれば最初から「なんだこのホラ話は!」で済んだことなのだ。ここでも日本のジャーナリズムの欠如が露呈している。元の取材がしっかりしていないからこその誤報であり、その誤報に即座に反応できずにハーバード大などからの指摘でやっとそれが誤報なのだと教えてもらっている日本の自称ジャーナリストたちの稚拙さだ。
で、正直いってこの森口尚史なる人物のことは今更どうでもいい。巻き込まれた山中教授には気の毒だがご本人もこんな話題でいちいち記者たちに付きまとわれて、むしろ記者たちに迷惑していることだろう。
嘘は良くない。当たり前のことだ。森口尚史という渦中の人物は嘘をついたから叩かれているという見解をマスコミ各社が認めるのであれば、そこでひとつツッコミを入れたい。
この日本では政権与党に嘘つきたちが山ほどいるではないか!首相が嘘をつきまくっているじゃないか!解散総選挙を近いうちにやると約束したもののあれは嘘だったではないか!
鳩山由紀夫は首相辞任後は政界を引退すると約束していた。あれも嘘だった。菅直人は原発に詳しいと嘘をついて原発事故を悪化させた。万死に値する嘘だ。
そもそも民主党のマニフェストのほとんど全部が嘘だった。そういう嘘に記者会見で猛烈に食い下がっている大手マスコミの記者を見たことがない。結局は記者たちのダブルスタンダードなのだ。
単純に噛みつきやすいところにしか噛みつかない記者なんて猟犬ではなく飼い犬だ。ジャーナリストを自称するのならば民主党という飼い主にも噛みついてみせろ!
[48回]
PR