カリフォルニアが日曜の夜なので毎週ではないが月曜日の午前中にオフをもらうことが多い。昨日の午前中はそんなわけでゆっくりめの出社だった。久方ぶりに日本の朝でテレビをつけた。
朝の情報番組にチャンネルを合わせて言葉を失った。特に衝撃だったのは日本テレビ。なんとトップニュースが「酒井法子の復帰会見」だったのだ。8時からの情報番組のスタートから20分余り延々と酒井法子の記者会見のVTRを流していた。さすがにテレビ朝日やフジテレビは強盗殺人のニュースや議員をスタジオに招いての討論会だった。今更あの酒井法子の復帰会見がトップニュースとはなにを考えているのか日本テレビは・・・・・。
そんな日本テレビの姿勢にも憤ったが、なによりアッタマきたのは酒井法子と彼女を支えている関係者たち。なんでこの時期に復帰を決めたのだろう?
選挙報道の邪魔でもしたいかのようだ。酒井法子も関係者たちもそんなことは意図していないのかもしれないが、こと酒井法子についてはもっと日本の情勢に配慮すべきだろう。そう3年数ヶ月前の2009年の夏、酒井法子の薬物使用ならびに逃亡によって日本のニュースはそのことでもちっきり。日本の命運を決める衆院選の直前だというのに政治関連のニュースが酒井法子のニュースに弾き飛ばされていた。これはマスコミのジャーナリズム放棄でもあった。
本当にあの時のニュース番組は酷いものだった。民主党の議員たちがどんなにとんでもない言動を繰り返しても、どんなに自党のことを棚に上げて自民党叩きをしても、どんなに民主党議員の不正や疑惑があったとしても、それら全ての日本にとっての重大な政治ニュースよりも酒井法子の逃亡劇の方がメインニュースだったのだ。あの報道ステーションの最初の話題が酒井法子についてだったときには幽体離脱しそうになった。
せめて馬鹿げた逃亡などしないで大人しく捕まっていてくれさえすればまだ報道の鎮静化も早まったかもしれないが、何日も何日も酒井法子は逃亡するものだから報道は沈静化どころか過熱した。その間にも選挙戦は進み、民主党がどれだけ荒唐無稽なマニフェストを掲げようがマスコミは完全にスルー。8月にもっと「こんなマニフェストが実現するわけがない」という議論が巻き起これば民主党があそこまで議席を獲得することはなかったはずだ。嘘つき集団が嘘つきであることを認めているかのようなマニフェストが叩かれるわけでもなく、せいぜい注目されたのは自民党が作った選挙用のアニメーションでの指摘のみ。求婚している鳩山由紀夫の髪型に似ている男性がなんの根拠もなく楽観的なことだけ述べて相手の女性が困惑するというやつだ。あのアニメのとおりに民主党はなんの考えもなかったことが後で完璧に証明されたが後の祭りだった。
酒井法子報道はマスコミにまんまと利用されたのだ。民主党の実態を隠すためには困った事実、すなわち民主党がいかに無責任なのかを証明するエピソードはあの夏にも山ほどあった。このブログでも当時
「民主語」というwikiを話題にした。今このwikiを見るとその巨大化に苦笑する。とはいえ、3年前でもなかなかのボリュームがあったwikiであり、既に民主党の実態は明らかだった。それを日本のマスコミ、特にテレビがもっと伝えていれば民主党政権なんぞは誕生しなかったはずだ。なんの大きなニュースもないのであれば選挙前に政治関連のニュースを流さないことには視聴者が違和感を感じるだろうが、酒井法子の逃亡劇はちょうど良い埋め合わせに使われた。まるで手慣れた犯罪者のように延々と逃亡を続けられたものだからマスコミだけではなく視聴者も興奮、「選挙なにそれ?」なアホ有権者たちを更にアホ化した。そんな有権者に限って「子ども手当て」や「高速無料化」ができるものだと妄信して民主党に投票。その結果がこの日本人が苦しみ抜いた3年数ヶ月だ。
なぜこの時期に復帰会見なのだろう?なぜこの選挙直前にまたしてもマスコミに「日本の将来にとってはどうでもいい」が無駄にデカいニュースを提供するのだろう?酒井法子に思慮などは求めること自体がナンセンスなのだろうが「なぜ今この時期なのだ!?」と言いたくもなる。また有権者たちの政治家を選ぶ作業を邪魔したいのか?マスコミの偏向報道に加担したいのか?わざわざこの選挙前に復帰会見とは本当にこれでもかっていうくらいに迷惑だ。
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