イオンとユニクロ、この2つの社名を見るだけでも分かりやすいといえば分かりやすい。この2社の代表が安倍政権が進めようとしている「消費税還元セールの禁止」について猛烈に批判している。その批判の論点がまったくもって的外れ。安倍政権が懸念しているところをまったく無視してこの2社のトップたちはまるで政府が安売りを批判しているかのように論点をすり替えようとしている。そういう論点のすり替えは卑怯だ。
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還元セール禁止、くだらない議論…イオン社長(YOMIURI ONLINE)
イオン 岡田元也社長 「(消費税還元セールの禁止は)くだらない議論。国民の生活を考えていない」
ユニクロを運営するファーストリテイリング 柳井正会長兼社長 「先進国のやることではない」
↑2社の代表はこのように述べている。この禁止措置の本質を見て見ぬふりをしている。詰まるところ、なんでこういう禁止措置が必要と考えられるようになったのか、その原因を作ったツートップとも言える企業2社の代表としては、本当はなんで禁止されそうになっているのか分かっていても、その罪を認めることになるので分かっていないフリをしているということだ。酷いトップたちだ。
既に安倍首相も述べているとおり「消費税率引き上げで、大企業より立場の弱い中小企業が消費税増税で不利な扱いを受けないようにする」、これが狙いだ。要は過去に消費税が上がったとき然り、デフレの中で恒常的に起きていた大手企業のダンピング強要などの下請け企業いじめがあったからこその今回の禁止案だ。消費者還元セールと言いつつも大手企業は大して痛手を被るわけでもなく下請けが死ぬ思いをするだけの値引きセールは政府としても認めるわけにはいかないと言っているわけだ。それに異を唱えているのが今のところイオンとユニクロの2社というところが笑えない。政権が変わるとこんなにも分かりやすい構図が出来上がるものかと驚いた。
中国ベッタリで日本のことなんてそっちのけでひたすら中国に媚を売って稼いできた企業たちがなんだって?尖閣諸島はどこの国のものだって?民主党の岡田も尖閣問題のときは随分と好き勝手に海保や自衛隊を縛りつけて中国が喜ぶようなことばかり執心していたがその親族企業のイオンがなんだって?もう政権は変わったのだ。いつまでも民主党政権時代のようにやりたい放題ができると思ったら大間違いだ。
景気回復をしたからといって一部の巨大な企業だけが生き残るのでは本当の意味での日本の復興とは言えない。大企業を下から支える中小企業や個人事業主まで全てが収益増になってこそのアベノミクスだ。民主党政権時代のような異常な円高による海外での大規模店舗展開をしている企業が急速に成長したり、中国産の製品を大量に輸入しては国内の大流通・販売ルートを駆使していわゆる為替損益を利用した莫大な利益を発生させる事業形態などはもう終わりにするべきだ。そのやり方がデフレスパイラルを止めようがないものにしていた。円高還元セールなどと称して大企業が中小企業を困窮させる環境ではむしろ日本の弱体化を促してしまう。中小企業を守ろうという安倍政権を断固支持したい。
まぁ、問題がないわけではない。この議論は消費税増税ありきで進められている。そもそもインフレターゲットをしておいて消費税増税では矛盾している。消費税増税は絶対にするべきではないのだ。今のところ安倍政権は消費税増税を条件付きとしているがそんな条件設定云々をしていないでさっさと消費税増税案を撤回するべきだ。その撤回を発表と同時に日本の景気は更に上向くことだろう。
揚げ足取りな感じもするがそもそも消費税還元セールという表現もおかしい。税金を一企業が勝手に還元と称して値引きすることは違法性を感じる。税金なんだから還元もへったくれもない。国に納める以外の選択肢は無いはずだ。結局のところ、こういうおかしな表現が出ること自体でイオンやユニクロの大企業の傲慢さが窺えるのだ。自分たちの腹を痛めていないで下請けがその負担を負っているからこそ、こういう表現に鈍感になっているということだ。還元なんて甘いものじゃない。実際は下請けの血の涙だ。
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