アベノミクスだけが安倍政権に期待されていることではない。安倍政権をあの衆院選前からずっと支援していた政財界からも自分たちの金銭的な利益や利権などとはまったく別枠として強く求められていた件がある。拉致被害者の奪還だ。これはもう日本人としての尊厳の問題とも言えることだ。自分たちと同じ国民が何十年もの長きに渡り誘拐されたまま、その誘拐犯も誘拐された国も判明しているというのに被害者たちを国が救えないということは同じ国民としてどうにも耐え難いのだから。日本人共通の思いとでも言うべきか、拉致被害関連のニュースが流れるたびに耐え難い苦痛がある。北朝鮮という卑劣な国家に日本人が誘拐されたまま解決できないということなんてどうしても受け入れがたいことだ。まだ5人の被害者しか帰ってきていない。
安倍政権は初めから拉致被害者の帰国を優先事項として考えていたようだがそれでも余りにも山積している問題が多くて「いつ動くのか?」がとても心配だった。かく言うミジンコも参院選前になにも動かない自民党であるのならばこちらもそれなりの対応をもって望もうと考えていた。北朝鮮はあの若く幼稚な指導者となりいつまであの国家体制が続くのかといった状況だ。北朝鮮政府が崩壊しようがザマアミロな状態ではあるが拉致事件の全てが新体制で有耶無耶にされてしまう可能性が心配だった。ただでさえ資料管理などについて1ミリも信用ならない国家なのだ。一応は世襲でつながっている政府が崩壊した後には拉致被害者の行方が永久に闇に葬られてしまう可能性が怖い。その前に、つまり今この時にも拉致被害者たちを奪い返すべきなのだ。
飯島内閣参与の北朝鮮訪問の報は2ch流で言うところの「キターーー!」だ。勿論、経済政策や外交なども国の重要な役目ではあるが国民を守るということあっての全ての政策だ。どうあっても自国民を守るべきだ。わざわざ危険な国に行って誘拐されて莫大な国費を使って何人もの日本人を救出した過去がある。イラクの3バカなんて言われようもしている例のなんとも言えない誘拐事件ですら解決している。日本の領土内にいた日本人が北朝鮮の工作員たちに拉致されたのだ。被害者たちにはなんの非もない。日本がそんな国民を救えない国であってはならない。それだけは国家として絶対に譲るべきことではない。
映画「プライベート・ライアン」が事例として使われる国家の義務がある。あの作品では一人のアメリカ兵を無事に帰国させるために多くのアメリカ兵が犠牲となっている。もし命の数を単純に足し算・引き算できるのだとしたら大幅なマイナスだ。しかしながら命は算数で処理できることではない。だから難しい。どんなに犠牲を払おうがそれでも一人を救うべきなのだというのが国家としての揺らぐわけにはいかない信念だ。実際には矛盾しているような話なので、一人を救うために多くが犠牲になるのならばその一人の犠牲を受け入れて多くの命を守るべきだという意見もある。実際、その一人を救うための救助隊のメンバーならば尚更そう考えるかもしれない。それでも国は一人を救うために動くべきだとミジンコは考える。一人一人の国民の意見は賛成・反対いろいろに分かれるのも当然だと考えるが国が国民の犠牲を受け入れるなんてことは断じてあってはならないことだ。国家は絶対に国民の命や権利を諦めることは許されない。ましてや今の弱体化した北朝鮮の状況からして軍事的な奪回ではなくて、あくまでも交渉で拉致被害者を奪回できる可能性があるのだ。北朝鮮の弱みにつけ込むことも遠慮する必要なんて一切ない。日本からの譲歩も止むを得ない。拉致被害者の帰国を最優先にする交渉を徹底するべきだ。言葉は悪いが奪い返したもん勝ちに後からいくらでもできる。拉致被害者全員の帰国のあとに北朝鮮が消滅したって日本の知ったことじゃない。この位の考え方で良いはずだ。相手は弾道ミサイルをこの日本に向けている国なのだ。なんでいつまで経っても優しい日本でいなければならないのか。誘拐の被害者が誘拐犯に援助し続けているなんてなんの冗談かと思う。
アベノミクスがどうしても注目されているが安倍政権の最初の大きな課題は実は拉致被害者の奪還のように思う。要は口惜しいのだ。日本中がいつまで経っても拉致被害者たち全員を返そうともしないで連日くだらない脅しをかけてくる北朝鮮に怒り心頭なのだ。しかもあの国の今のトップはあんな自己管理もできない若者なのだ。どう見ても胆力も器量も国家元首の水準に達していないのは明らかだ。そんな国にいつまで経っても日本人の家族を引き裂かれたままで我慢ができるわけがない。絶対に今、もう今日にも明日にも拉致被害者たち全員を日本に連れ戻すべきだ。
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